監督:宮崎駿 1984年3月に東映洋画から配給
風の谷のナウシカの主要登場人物
ナウシカ(島本須美)
本作の主人公。風の谷の族長の娘。慈愛の心を持ち、風の谷の人々から腐海の生物までこよなく愛する。
アスベル(松田洋治)
ペジテ市の王子。自国を侵略したトルメキアへの復讐に駆られていたが、ナウシカと行動を共にし変化していく。
ユパ(納谷悟朗)
ナウシカの師匠。辺境にも名を轟かす大剣豪。腐海に覆われた世界の謎を解き明かすため、旅をしている。
クシャナ(榊原良子)
大国トルメキアの皇女。軍隊を率いて風の谷へとやってくる。冷酷な性格で、虫に体を食われた過去を持つ。
風の谷のナウシカ の簡単なあらすじ
『ルパン3世 カリオストロの城』に次ぐ、宮崎駿監督による長編アニメーション映画の第2作目です。
スタジオジブリ前身の、トップクラフトで制作されています。
日本の古典『虫めづる姫君』をモデルとする、虫と自然を愛する少女ナウシカの物語です。
自然と人類の共生のテーマは、のちの『もののけ姫』まで受け継がれています。
原作漫画は雑誌アニメージュで10年以上にも渡って連載されました。
風の谷のナウシカ の起承転結
【起】風の谷のナウシカ のあらすじ①
毒を放出する草木が茂り、巨大な虫が跋扈する「腐海。」
ナウシカは腐海遊びが好きでした。
その日も腐海最大級の虫「王蟲」の抜け殻を見つけ、ウキウキしていました。
しかし異変に気付きます。
そして王蟲が怒りに目を赤くして、人を襲っている光景を目撃します。
ナウシカは閃光弾で王蟲を正気に戻し、腐海へと導きます。
襲われていたのは旅人ユパでした。
ユパはキツネリスを助けるために腐海で発砲し、虫の怒りを買ったのです。
ナウシカはキツネリスを貰い受け、「テト」と名付けました。
ユパの帰還に、風の谷も大喜びです。
ユパは族長たちに旅の報告を行いました。
腐海の謎を追い、風の谷に伝わる救世主を探すこと、それがユパの目的でした。
ナウシカは、ユパの力になれたらいいのにと心の中で願います。
ある夜、不審な飛び方をする大型飛行船が風の谷へと近付きます。
飛行船は虫に覆われていました。
ナウシカたちの誘導も虚しく、飛行船は墜落します。
飛行船は大国トルメキアの輸送船で、ペジテ市の王女ラステルが乗せられていました。
そしてラステルが死の間際まで気にかけていたもの、それはかつて世界中を焼き払った怪物「巨神兵」の卵でした。
【承】風の谷のナウシカ のあらすじ②
輸送船の墜落を受け、トルメキア軍と皇女クシャナが風の谷へ侵攻してきました。
父親である族長ジルを殺害され、ナウシカは激昂します。
トルメキア兵を次々討ち倒していきますが、ユパに静止されます。
我にかえったナウシカは、大人しくクシャナの要求を呑み捕虜となります。
クシャナの狙いは、巨神兵の卵でした。
しかしその重量から輸送は困難と判断し、風の谷で孵化を待つことにします。
そしてナウシカと城に仕える者たち数人は、人質としてトルメキアへと送られることになります。
しかし輸送中、トルメキアの艦隊が襲撃を受けます。
単独の戦闘機でありながら、トルメキアの船は次々に撃墜されてしまいました。
ナウシカやクシャナの乗る飛行船も被弾し、腐海への不時着を余儀なくされます。
飛行船の侵入により腐海は騒然としますが、ナウシカは王蟲に敵意のないことを示します。
しかし王蟲は突然、怒り心頭で走り去っていきます。
トルメキアに撃ち落とされた襲撃者が、虫に襲われているーー察したナウシカは、襲撃者を助けに向かいます。
【転】風の谷のナウシカ のあらすじ③
ナウシカと襲撃者は、辛くも虫から逃れます。
しかし流砂に巻き込まれて、腐海の地下深くに落ちてしまいました。
驚くべきことに地下の大気は澄み、ナウシカたちは防毒マスクをはずしても平気でした。
腐海の植物は、汚染された土から毒素を吸い上げて、大地をきれいにしていたのです。
襲撃者の正体は、トルメキアに復讐心を抱くペジテ市の王子アスベルでした。
ナウシカとアスベルは、ペジテ市へと向かいます。
しかしペジテ市は王蟲の群れに襲われ、壊滅していました。
そこにペジテ市長たち生き残りが現れます。
そしてトルメキア軍に奪われた巨神兵の卵を奪還するため、王蟲の大群を風の谷へ誘導していることを話します。
ナウシカは捕らえられ、難民船に乗せられます。
しかし難民船は、上空でトルメキア軍の襲撃を受けます。
アスベルたちの協力を得て、ナウシカは難民船から脱出しました。
トルメキア軍に追撃を受けるナウシカのもとへ駆けつけたのは、風の谷で城仕えするミトでした。
ナウシカはミトと共に、風の谷へと急ぎます。
その頃風の谷では、トルメキア軍の横暴から反乱が起きていました。
風の谷の人々は全員、砂漠の廃墟に篭城しています。
そこへ王蟲の群れが迫ります。
【結】風の谷のナウシカ のあらすじ④
ペジテ兵は王蟲の子供を囮にすることで、王蟲の怒りを買い、群れを暴走させていました。
ナウシカは王蟲の子供を取り返します。
そしてペジテ兵を脅し、王蟲の群れに子供を返すことにします。
一方、風の谷の人々も異変を察知していました。
ペジテの策略と王蟲の大群のことを知ったクシャナは、巨神兵を孵化させます。
誕生した巨神兵は、圧倒的火力のビームを放ち王蟲たちを焼き払っていきます。
しかし体が形成されないまま孵化していたので、数発撃ったところで腐り落ちてしまいます。
そこへ現れたのは、ペジテ兵に運ばれてきたナウシカでした。
ナウシカと王蟲の子供は、大群の先頭に降り立ちます。
ナウシカはあっという間に大群へと呑み込まれます。
突然、王蟲の暴走が止まりました。
怒りがみるみる鎮まっていきます。
大群の中心では、ナウシカが横たわっていました。
王蟲たちは金色の触手を伸ばし、ナウシカの体を包んでいきます。
するとナウシカが息を吹き返しました。
王蟲の触手の中を歩くナウシカの姿は、風の谷に言い伝えられている救世主の姿そのものでした。
そして王蟲は去り、クシャナもトルメキア軍を引き上げます。
風の谷には平穏が戻りました。
風の谷のナウシカ を観た感想
ナウシカはとにかく美しいヒロインです。
生き物を愛でる姿は母性に溢れ、腐海を探検する様子は少女のように無邪気で、戦地に立つと鬼神のごとき凛々しさがあります。
特にメーヴェを操り、鳥のように風に乗る姿は憧れでした。
雑誌アニメージュでも人気投票で連続首位を獲得し、レジェンドヒロインとして語り継がれています。
そのナウシカと対比して描かれているのが、トルメキア皇女のクシャナです。
傲慢で恐れを知らず、敵対する相手には無慈悲な手段も厭いません。
しかし私はそんなクシャナが、全てのジブリヒロインを差し置いて最も好きです。
トルメキアは王位争いが熾烈で、謀殺や蹴落としは日常茶飯事でした。
そんな悲しみを背負いながらも、部下の前では常に強気を保ち、微笑を絶やさない姿がかっこいいです。
これらのクシャナの背景は、原作漫画でより詳しく描写されています。
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