監督:滝田洋二郎 2017年11月に東宝から配給
ラストレシピ 麒麟の舌の記憶の主要登場人物
佐々木充(二宮和也)
本作の主人公。味を記憶し再現できる天才料理人。経営していた店が潰れ借金がある。
柳澤健(綾野剛)
中華屋の店長。充と同じすずらん園で育った幼なじみ。
楊晴明(笈田ヨシ)
伝説の料理人。充を北京に呼び出しレシピを探させる。
山形直太朗(西島秀俊)
充と同じく、味を再現できる料理の天才。満州で「大日本帝国食菜全席」のレシピを作成する。
ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 の簡単なあらすじ
児童養護施設「すずらん園」で育った佐々木充は、育ての親である園長が亡くなっても顔を出しません。
自分の店が潰れ借金がある充は、心を失くしていました。
想い出の味を再現する料理人として働く充は、高額報酬の依頼を受け北京へ。
そこには伝説の料理人・楊晴明が居ました。
楊は、あるレシピを探してそれを再現して欲しいと充に依頼します。
充はレシピを探す旅をしながら、ある天才料理人の生き様を知ることになります。
ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 の起承転結
【起】ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 のあらすじ①
天才料理人・佐々木充は、こだわりが強すぎて経営していた料理屋は従業員が充についていけなくなり潰れてしまいます。
借金がある充は、依頼された思い出の料理を再現し、高額請求する仕事をしていました。
児童養護施設・すずらん園で育った充の育ての親が亡くなっても、顔さえ出さない充を同じ施設で育った健は、心配しているのでした。
ある日、300万円で仕事を依頼された充は、依頼人の言うがまま北京へと向かいます。
依頼人は、伝説の料理人・楊晴明でした。
楊晴明は、充に「大日本帝国食菜全席」のレシピを探して、再現することを依頼しました。
そのレシピを考えたのは、楊晴明と満州国の料理人・山形直太朗でしたが、幻のレシピとなっていたのです。
300万円は、頭金で成功したら5千万円くれると言うのでした。
山形直太朗の行方を探す充は、直太朗の助手をしていた鎌田にたどり着きます。
鎌田は、山奥でお店を開いていました。
そして充に、直太朗と一緒に大日本帝国食菜全席のレシピを作った時の話をします。
【承】ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 のあらすじ②
1933年満洲。
直太朗と妻の千鶴と助手の鎌田は、満洲国ハルビン関東軍司令部の三宅の命令で天皇陛下が満洲に来た際、振る舞う料理・大日本帝国食菜全席のレシピ作りを任され満州へ。
そこへ楊晴明も加わって一緒にレシピを作成します。
直太朗も充と同じく、一度食べた味は忘れることなく再現できる能力の持ち主でした。
しかし、理想を追求するあまり助手達を追い込むこともしばしば。
直太朗の妻・千鶴は、みんなにも分かりやすい写真を使ったレシピを作ることを提案します。
直太朗たちは、試行錯誤を繰り返しようやく完成というところで一からやり直し、直太朗のこだわりが強くレシピは上手くいきません。
千鶴に自分以外を信用出来ない人に美味しい料理は作れないと言われてしまいます。
千鶴は、妊娠時から調子が悪く出産後に亡くなってしまいました。
妻が亡くなってすぐ料理を作り始める直太朗を楊は非難しますが、その料理は千鶴との想い出の料理で、直太朗は泣きながらそのビーフカツを食べるのでした。
【転】ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 のあらすじ③
充は、鎌田が言ったレシピ作りは偽りだという言葉が気になりました。
健は、直太朗と充が似ていると指摘します。
充は、鎌田に教えてもらいハルビンのホテルのオーナーの息子で、直太朗の娘・幸と仲が良かったダビットに会いにいきました。
1937年ハルビン。
直太朗は、スラバホテルのオーナー・ヨーゼフに晩餐会の料理の件で会いに行きますが毛嫌いされます。
ヨーゼフはダビットの父親です。
ですが、直太朗は日本のだしをつかった餅入りロールキャベツでヨーゼフの心を掴みます。
千鶴が亡くなってから直太朗は真心をこめて料理を作るように変わり、娘・幸やダビット、料理長・鈴木の息子が喜ぶような料理を作ります。
ある日、直太朗はレシピをヨーゼフに託します。
直太朗は、楊が共産党のスパイだと聞き、楊を追い出しました。
けれど直太朗は、ヨーゼフに楊にレシピを渡すように頼んでいたのです。
結局、レシピは楊が持っていると分かって充は怒りを隠せず楊に会いに行きます。
しかし、楊はレシピを持っておらず直太朗からの手紙に真実が書いてあると言うのです。
直太朗は、三宅から天皇陛下に毒を盛る任務を託されます。
楊に天皇陛下を暗殺未遂させ罪をなすると言うのです。
鎌田は、本当は監視係だったのでした。
直太朗はそれを知りわざと楊を追い出しました。
どちらにせよ、楊の命を狙う三宅。
直太朗は、レシピがある限り楊が危険にさらされると思い、レシピをヨーゼフに託したのでした。
直太朗は、鈴木料理長に幸をお願いし、三宅の前でレシピを燃やし自分たちの料理に毒を盛ると言うレシピはないと言い放ちました。
しかしそのせいで直太朗は処刑されてしまうのでした。
【結】ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 のあらすじ④
充はもう、ことの真相が分かっている様でした。
戦後、料理で名をはせた楊は鎌田と再会し、幸に会いに行きます。
幸は夫に先立たれ3歳の息子がいました。
幸は、料理長の鈴木に引き取られていました。
楊は、幸に事実を明かしレシピを渡し、幸はレシピを元にお店を始めます。
しかしその店は火事に遭い、レシピを取りに戻った幸は亡くなりました。
幸の息子を引き取ったのは料理長・鈴木の息子の太一。
太一はすずらん園の経営者、充の育ての親でした。
充は直太朗の孫で、母・幸の兄のような存在の太一に引き取られていました。
健の店は以前と違って繁盛していました。
健は、園長・太一の葬式で楊に会いレシピの話を聞きました。
充のためにレシピを探す旅を考えたのは健でした。
充はやっとすずらん園に顔を出し、太一が充にあてた手紙を読みます。
太一は、充をレシピの呪縛から守りたかったけれど、今はレシピが充を助けてくれると思っているということです。
レシピの最後のページには、母・幸が充の好物のレシピを追加していました。
充は、太一の思い出の味・ビーフカツサンドを再現し遺影の前で涙を堪えて食べるのでした。
充は、また料理長として働き出し直太朗へ想いを馳せるのでした。
ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 を観た感想
料理の話をミステリータッチにしあげたラストレシピは見応えがありました。
数多く出てくる料理がとても素敵で見ていて楽しかったです。
純粋に料理をしたかっただけなのに、監視役にされ苦しむ鎌田とそれを理解する直太朗には泣けました。
そして、楊を逃がし守る直太朗がカッコよかったです。
健がちゃっかり、充より先にレシピを拝借して中華料理屋が流行っていることが、あとからじわじわ面白かったです。
レシピの呪いを避けていたということはわかりますが、園長はもっと早く充に自分のルーツを教えてあげれば良かったのにと思いました。
傲慢な態度で人を罵声するところ、涙をこらえながら食べるところなど二宮和也さんは、魅せるのが上手だと思います。
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