監督:タナダユキ 2020年1月にKADOKAWAから配給
ロマンスドールの主要登場人物
北村哲雄(高橋一生)
ロマンスドール工場の造形師。美大の彫刻家卒。
北村園子(蒼井優)
元美術モデル。医療用の乳房の型取りと騙され胸の型を取る。
相川金次(きたろう)
ロマンスドール工場の造形師。究極の人形作りを夢見ている。
ロマンスドール の簡単なあらすじ
ロマンスドール工場の造形師である哲雄は、より良い品質を求めて実際の女性の胸をモデルに型取りをします。
モデルには、医療用の乳房を作るためと嘘をつくのでした。
そのモデル・園子に一目ぼれし、結婚。
仕事での葛藤と園子への嘘に疲れた哲雄は、他の女性と一夜を過ごしてしまうのでした。
ロマンスドールは夫婦の愛の物語です。
ロマンスドール の起承転結
【起】ロマンスドール のあらすじ①
哲雄は、先輩に詳しい説明もされずある工場を紹介されます。
訪ねた工場にはたくさんの女性のマネキンがありました。
そのマネキンはロマンスドールといい、男性向けのアダルト商品でここは、ロマンスドールを作る工場だったのです。
造形師の相川は、本物の女性に近い肌質を求めて試行錯誤を繰り返していました。
そして彫刻科卒の哲雄の手を借りたいと考えます。
哲雄は、一つもロマンスドールに興味はありませんでしたが、お金のために引き受けることに決めました。
哲雄は、シリコンを型に流してはじめてロマンスドールを作りましたが社長・久保田から巨乳より美乳だとダメ出しを受けやり直しとなります。
哲雄は、相川にいつからオッパイを触ってないか聞かれ3年前に彼女と別れたと答えます。
それじゃあ社長をビックリさせられないと言う相川は、あることを思いつくのです。
相川は、ロマンスドールとは言わず医療用の乳房を作ると嘘をつき、モデルに型取りをさせてもらいリアルを追求しようと言い出します。
哲雄は、不謹慎だと言いつつモデルを募集するのでした。
そして型取りの日、モデルの園子がやってきました。
園子は、可愛らしいタイプの美女で相川と哲雄はテンションマックスです。
型取りは、無事終わりましたが、相川が乳房を再現するには型を取るだけでは不十分で哲雄に胸を触らせてあげて欲しいと相談します。
園子は、誰かのお役に立てるならと了承してくれました。
哲雄は、園子の胸を触り感動します。
お金を受け取り園子は帰りますが、イヤリングを忘れて行きました。
慌てて哲雄は園子を追いかけて、駅の階段でイヤリングを返し突然「好きです。
付き合ってください。」
告白します。
園子は黙ったままうなずきました。
【承】ロマンスドール のあらすじ②
付き合い始めた哲雄と園子ですが、哲雄は相川に本当の仕事のことを伝えてもらおうと園子と3人で居酒屋に行きます。
しかし園子は、哲雄の仕事を尊敬していたためアダルトグッズを作っていると言い出せなくなりました。
その後哲雄と園子はめでたく結婚し、園子の胸を型取ったロマンスドールは売れに売れ4年も忙しい状況が続きました。
しかし相川が急死し、哲雄一人では手が足らず両角という造形師を新しく雇います。
社長からエラストマー材を使用したロマンスドールで勝負しようと言われ、哲雄と両角は開発に専念します。
だいぶシリコン製に近づいた時、両角はデータを盗んで消えてしまいました。
そして別の会社からエラストマー製のロマンスドールが発売されてしまうのでした。
相川の死と仲良くなった新入社員がスパイだった事、また園子に嘘をつき続けている後ろめたさから哲雄は家に帰るのが億劫になってゆきました。
園子は哲雄に話さなくてはいけない大切な話も聞いてもらえず、哲雄は園子を避け続けます。
さらに哲雄はゲームセンターで知り合ったひろ子と仲良くなっていくのでした。
【転】ロマンスドール のあらすじ③
その後園子は、父の具合が悪いといい実家に帰ってしまいました。
しかし、園子の留守中に園子の母から電話が入りそれが嘘だとわかります。
そのことがあり哲雄はひろ子と一回だけ関係を持ってしまうのでした。
3日後園子は、ベロベロに酔っ払い男の人に連れられて帰ってきました。
冷静さを取り戻してから園子は哲雄に隠し事があるんじゃないかと問いただします。
哲雄は、職業を偽っていた事と浮気した事を白状し謝りました。
それを聞いた園子も一度だけ寂しさから浮気したと言い謝ります。
園子は離婚するといい荷物をまとめ次の日に出て行こうとしました。
あまりに急な事で引き止める哲雄に、園子は真実を話します。
その話は、先日外泊したのは検査入院で実はガンになり手術するという衝撃的な内容でした。
園子が病院で手続きしていると哲雄が現れます。
哲雄は、相川から別れた家族の話を聞いた事を思い出しました。
相川は自分の経験を踏まえ園子ちゃんを大事にしろと言っていたのでした。
哲雄は、園子に同情ではなく別れたくないと伝えました。
退院後、二人は良い関係に戻ります。
哲雄は仕事にも意欲を取り戻し、相川が目指していたつなぎ目の無いロマンスドールを開発したいと社長に伝えるのでした。
【結】ロマンスドール のあらすじ④
しかし、園子のガンは再発し手の施しようがなくなります。
園子は、哲雄の開発中のロマンスドールのモデルになりたいと言ってくれました。
園子は、消えそうな命の灯火の中、哲雄にスケッチをさせ何度も何度も愛し合います。
園子亡き後、哲雄は、園子そっくりなロマンスドールを完成。
そのロマンスドールを「そのこ」と名付け限定100本を120万で売り即完売しました。
しかし、そのこの完成度が高すぎたため法に引っかかり社長は警察に捕まります。
でも、ロマンスドールを作っていると法に引っかかることは良くあるという社長はすぐ戻るから戻ったら社員旅行をしようと言い残し去るのでした。
温泉で社長は、次は摘発されない形でそのこ2号を作ろうといいますが、哲雄はそれなら違う名前でとお願いするのでした。
哲雄は、海岸を散歩しながら周りから良き妻だと言われていた園子の事を思い出します。
しかし、自分しか知らない園子はスケベでいい奥さんだったと思い返すのでした。
ロマンスドール を観た感想
最初の哲雄と相川のやり取りがとてもコメディチックだったのですが、途中からナチュラルにシリアスに転じていき惹き込まれました。
この話がネジ工場で働く男が死にゆく妻のために新商品を開発する話だったら、感動するもののよくある話になってしまったと思います。
しかし、ロマンスドールの造形師の話で、亡き妻そっくりなロマンスドールを作るというオチがなんともざわざわするのでした。
しかも、そのクオリティがすごくて蒼井優さんそっくりのロマンスドールを売り出したらそうとう売れるだろうと思いました。
ラストでスケベな奥さんと園子のことを哲雄がいいますが、映画といえ余命わずかであの性欲はなるほどと思います。
とてもシュールなラブストーリーだと感じました.
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