監督:前田哲 2018年12月に松竹から配給
こんな夜更けにバナナかよの主要登場人物
鹿野靖明(大泉洋)
難病・筋ジストロフィーを患っている。明るく、自由奔放な性格。
安堂美咲(高畑充希)
田中の彼女。田中と一緒にいる時間を確保するためにボランティアを仕方なく始める。
田中久(三浦春馬)
鹿野をボランティアとして支える医大生。繊細で神経質な性格。
こんな夜更けにバナナかよ の簡単なあらすじ
難病・筋ジストロフィーを患っている鹿野は、24時間365日誰かの介助を必要とします。
鹿野は、思ったことをズバズバ言う性格で自分の欲望にとても正直です。
遠慮などしません。
ボランティアの医大生・田中やその恋人・美咲は、夜更けにバナナを買いに行かされたり振り回されっぱなしです。
美咲は田中とデートする時間も無く、とうとう鹿野に対し堪忍袋の緒が切れて…。
こんな夜更けにバナナかよ の起承転結
【起】こんな夜更けにバナナかよ のあらすじ①
難病・筋ジストロフィーを患っている鹿野は、かろうじて手と首だけ動かせますが、24時間365日誰かの介助を必要とします。
鹿野の介助をボランティアがシフトを組んで回していました。
要領の悪い医大生・田中は、いつも泊りのボランティアを押し付けられ恋人・美咲に会う時間もありません。
仕方ないので美咲もボランティアに巻き込みます。
鹿野は明るく自由奔放な性格ですが、時にずうずうしくわがままで、ボランティア達は苦労が絶えません。
しかし、筋ジストロフィーを患っている鹿野は自分のことを自分で出来ないのでハッキリとお願いをする必要があります。
それがわかるので周りは我慢するばかりです。
そんな時、美咲は「鹿野さんは何様?」と抗議するのでした。
「ボランティアも自分達の貴重な時間を割いて世話しにきてやってるんだ。」
と今まで溜まっていたものを遠慮なく吐き出しました。
鹿野は、「ボランティアだって自分から学んでいるから対等だし、みんな自分を愛している。」
といいます。
それに対し美咲は「みんなはそうでも私は違う。
2度と来ない。」
と帰ってしまいました。
【承】こんな夜更けにバナナかよ のあらすじ②
わがままに見えた鹿野でしたが、その後田中に代筆を頼み美咲に手紙を出すのでした。
その内容はラブレターで、鹿野は美咲をデートに誘いました。
美咲はこの時は、ボランティアの本当の意味がまだ分かっていませんでした。
田中に鹿野とのデートに応じるように頼まれた美咲は、今ここでキスしてと田中にせがみ、鹿野とデートすることにしました。
鹿野は、動けずに寝たきりかと思きや、行動力とバイタリティーが普通の人の倍あるので車いすでどこへでも出かけます。
美咲とのデートは、ボランティアの田中と高村も一緒に広場でバーベキューをしました。
そこで鹿野は過去に結婚していた事実を明かします。
さらに、アメリカの障がい者活動家に見込まれて自立生活を始めたことや今も勉強していること、ボランティアを集めるために有名になることなどを上機嫌で語りました。
途中でお腹を壊した鹿野は、あわてて美咲にトイレに連れて行ってもらいますが、結局間に合わずに漏らしてしまいます。
落ち込む鹿野を美咲は笑いながら励まし、今日一日で、すっかり仲良くなる鹿野と美咲でした。
【転】こんな夜更けにバナナかよ のあらすじ③
元気に見える鹿野ですが、心臓が弱っていて入院が必要だと医者に言われてしまいます。
「命の責任は自分で持つ。」
といい、入院を拒否する鹿野でした。
鹿野には、両親がいますが両親に面倒を見てもらう気はありません。
鹿野の母は、世話をしたいと思っていますが、自分の力で生きようと頑張る鹿野を前に手出しすることをあえてしていません。
美咲は田中にお弁当を作りデートです。
田中は美咲を自分の両親に紹介しようとしていましたが、美咲から秘密にしていたことを明かされます。
美咲は、合コンで田中と出会った時に教育大生で学校の先生になるのが夢だと嘘をついていたのでした。
美咲は謝りますが、田中は医大生と合コンしたくて嘘ついたのかと責めます。
そして、お坊ちゃまである田中は、両親に嘘をついたことを気にするのです。
さらにグジグジ文句を言う田中に美咲は逆ギレしてしまいます。
美咲は、田中と付き合っていることは言わずこの件を鹿野に話します。
教育大生は嘘だけど、本当は受験して落ちていました。
美咲の学校の先生になる夢は本当だったのです。
鹿野は美咲に「後ろめたいなら嘘をホントにすればいい。」
と再び教育大を受験し先生になることを勧めました。
彼氏と別れた美咲にチャンスだと明るく言う鹿野でした。
それから、美咲と田中は鹿野のボランティアをしながらも顔を合わせないようにしていました。
段々美咲は田中と距離ができ、その分鹿野と一緒にいると自分らしくいられると感じていました。
ある日、鹿野は美咲と二人きりの時に手を重ねました。
手しか動かない鹿野を思い、美咲は鹿野を抱き寄せるのでした。
【結】こんな夜更けにバナナかよ のあらすじ④
子どものお迎えに行かなくてはならないボランティアに鹿野は一人で大丈夫と言いますが、一人になった時ベットから落ちてしまい入院することになってしまいました。
すっかり弱ったように見えた鹿野ですが、美咲に「最期におっぱい触らせて。」
と冗談をいいしぶとさを見せるのでした。
鹿野は、呼吸が荒くなりギリギリまで拒んでいた人工呼吸器をついにつけることになってしまいました。
ボランティア達は、病院に交代で寝泊まりし、変わらず鹿野の世話をする日々です。
そんな時、美咲が人工呼吸器をつけながらも空気を調節して声が出せる方法を見つけてきました。
危険な方法を顧みず鹿野は頑張って話すことに成功します。
鹿野を手伝ううちに美咲は田中ともまた普通に会話するようになっていきます。
田中は、医者をあきらめようとしていることを美咲に相談し、励まされるのでした。
ある日、鹿野は成果をあげ喋れるようになります。
驚いた美咲は鹿野を誉め、おっぱいをさわらせるのでした。
退院した鹿野はパーティーを開き、ボランティアに感謝します。
そこで鹿野は美咲に指輪を見せプロポーズしました。
でも、美咲の答えはNOでした。
美咲は「鹿野は大切な人だけど、好きだった人がひっかかってる。」
と伝えます。
鹿野はボランティアと一緒に夢だった美瑛に旅行します。
そこで鹿野は状態が悪化するのでした。
慌ててかけつけた美咲と田中です。
しかし、それは鹿野が二人を仲直りさせるために仕掛けたものでした。
夜明け、鹿野は田中と話します。
鹿野の前で田中は、医者になることをもう一度目指すと宣言しました。
鹿野は、田中と美咲と出会えて楽しかったと礼を言います。
そして7年後、鹿野は亡くなりました。
田中は医者になり、美咲は小学校の先生に。
美咲のクラスには、結婚おめでとうの寄せ書きが飾ってあります。
二人は結婚したのでした。
こんな夜更けにバナナかよ を観た感想
最初、鹿野のわがままを腹立たしく感じてしまいましたが、鹿野の存在が福祉の環境を変えていくことももっともだと思います。
志が高く愛くるしい面も持つ鹿野に、だんだんとわがままさを感じなくなっていきました。
これが、実話だと知りビックリしましたが、ボランティアと鹿野が平等ということは、物語が進むにつれて納得しました。
特に、美咲に「嘘を本当にすればいい。」
と教育大を受けるように勧めるシーンは、鹿野が言わなければ心に響かないと思います。
支えあい、励まし合い、平等な存在なのです。
弱っていく鹿野を見るのはつらかったですが、コメディなので楽しめました。
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