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サクラとの同棲
『同棲』それは心の通じ合う男女が、昼夜を問わず互いを求める甘い生活。アツシにもそのような幻想を抱いていた時期がありました。アツシは山之内の一件で褒美を欲しがるサクラに、同棲を提案します。アツシがかつて抱いた幻想とは対極の同棲生活でした。
サクラの頭上の数値が変わる事はなく、アツシは相変わらず心が読めないでいました。アツシはサクラを刺激する発言をしていないか不安になります。言葉を選びサクラの様子を見ながら、行動を起こす前にアツシに相談するようサクラに言いつけました。サクラは快く聞き入れます。
アツシはサクラの着替えを買ってくるので留守番をするようサクラに言付けました。サクラは大人しく了承しアツシはマンションの外に出ます。
山之内の贖罪
近くの公園で山之内と待ち合わせていました。山之内は開口一番に褒め言葉を並べ、アツシに媚びます。捜査上アツシに関する情報はいっさい挙がっていないと報告する山之内の頭上には41という数値が映ります。話に嘘はありません。その数値は友好を求めてくるレベルの好意を示していました。
アツシは今日の報告内容に満足し、山之内にこの報告義務はエミにした酷い仕打ちの贖罪に過ぎないと忠告します。
エミへの置手紙
—山之内に襲われた時の記憶は、エミの中で曖昧になっていました。サクラの乗っ取りの影響だと考えられます。エミに今残っているのは、アツシに対する不信感だけでした。
意識のないエミを部屋に戻し、アツシは置き手紙を残しました。
刑事から聞いた話に関して問いただしたい事が沢山あるだろうけど、厄介な事件に巻き込まれているから少し待っていて欲しい。自分は犯人ではない。全て片付いたら必ず説明する。そのように手紙に記して、アツシは事件が収束するまでエミの元を離れる決意をします。今アツシがエミの傍にいても余計に傷付けてしまうだけだと考えての事でした。
第四の事件の容疑者
アツシは殺人が起こった第四の事件の進捗について山之内に確認しました。山之内は慌てて捜査手帳を取り出し、記録を辿ります。既に有力な容疑者が出ているが、その中にアツシは含まれていないという話でした。
第四の事件とサクラの起こした三件の事件の明確な違いは”超常の力”です。第四の事件は一般人が策略した為、警察の捜査によって証拠が挙がるのは自然な事でした。第四の事件の犯人は三件連続で事件を起こす杜撰な犯人なら濡れ衣を着せる事も簡単と考えて、3億円事件に便乗したとアツシは推測します。
アツシは第四の事件の犯行現場付近で捉えられた、事件に関与した疑いの強い車の写真を山之内から受け取りました。この車が非常に高級な限定車で、その所有者である5人がそのまま容疑者になっていると山之内は話します。
真犯人に罪を償わせる為、必ずこの5人の容疑者全員の心を暴くとアツシは決心しました。
真犯人の思惑
日の光が入らない石造りの部屋で、三人の下着姿の女が手首に手錠をつけられ膝をつくような形で天井から吊るされています。
別の下着姿の女が、三人に向かって”あの人”の要望に応えられなかったから罰が必要だと告げます。三人はこれから受ける仕打ちを想像し、恐怖で身体が震えました。怯えているにも関わらず、決められた通りの返事を強要されます。”あの人”の指示通り、その女は三人の爪をピンセットで剥ぎました。
女は”あの人”に体罰が終わった事を電話で報告します。それから警察の捜査は止められなかったがしっかり妨害する、3億円を盗んだバカを必ず捕まえると伝えました。女は”あの人”が首謀した第四の事件と殺人の罪を3億円事件の犯人になすり付ける気でいました。
女が電話で話していた相手こそ第四の事件の真犯人でした。
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