【ネタバレ有り】プラチナデータ のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:東野圭吾 2010年6月に幻冬舎から出版
プラチナデータの主要登場人物
神楽龍平(かぐらりゅうへい)
本作の主人公。特殊解析研究所主任で、開発者殺人の容疑を掛けられる。
リュウ(りゅう)
神楽のもう一つの人格。
スズラン(すずらん)
神楽を導く謎の少女
水上洋次郎(みなかみようじろう)
神楽とリュウの担当医
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プラチナデータ の簡単なあらすじ
遺伝子情報から、DNAを割りだし犯人を特定するシステムの開発者が殺された。特殊解析研究所の主任、神楽龍平は現場に残された証拠から解析を進めるが、そこで上がってきた顔写真は神楽そのものだった。当人に覚えは無かったが、弁明の余地は現段階で無いと判断した神楽は逃亡を図る。どうやら神楽は二重人格だったようだが、それと事件の関連とは、犯人はいったい誰なのか。
プラチナデータ の起承転結
【起】プラチナデータ のあらすじ①
わずかな情報からもDNAをプロファイリングし、犯人に近しい人物を特定する事が可能となった日本では、犯罪検挙率がみるみる上昇していました。
現場に残された髪の毛一本から、犯人が誰々の何親等以内にいるのかを解析し、事件を解決する事が出来るほどの精度であり、検挙率100%を目標としていました。
しかし、国民からDNA情報を提供してもらう必要があり反発の声も多数ある為、データバンクも完ぺきとは言えない状態です。
そんな矢先に、連続婦女暴行事件が発生します。
特殊解析研究所に解析結果を聞きに行く浅間でしたが、主任の神楽は「こんなことは初めてだ」と犯人の特定に失敗したことを告げます。
データが見つからない事から、通称NF13 (Not Found)と呼称し、事件解決に向けて捜査を開始しました。
操作も生き詰まっていく中、開発者である蓼科兄妹が殺され、妹を殺した凶器が連続婦女暴行事件で使用されたものと一致するという結果を装置は示しました。
さらに装置が作成した犯人の顔は神楽そのものでした。
【承】プラチナデータ のあらすじ②
事件当日、蓼科兄妹が入院している病院に向かった神楽は、兄妹と会った後に脳科学者である水上の元を訪ねました。
神楽は、陶芸家であった父が自殺をしてしまった事から、ショックを受け、二重人格となってしまっていたようであり、「反転剤」という煙草の様なものを吸う事でもう一人の人格である「リュウ」を呼び覚ましていました。
2週間に一度程度で呼び出しており、その際リュウは研究所内のアトリエでいつも少女の絵を描いていました。
その日は「スズラン」という名の少女を描いていました。
それも終り帰ろうとした神楽は、ふと胸騒ぎがし蓼科兄妹の病室を訪れると、惨殺されている二人の姿を見て気絶してしまいました。
現場に残された髪の毛から解析を進める神楽は、アメリカから派遣されてきた白鳥という捜査官と食事をとっていました。
その時、神楽の元に解析結果のメールが送られてきました。
装置が解析した犯人像は何と、神楽と酷似していました。
急いで研究所に戻り、再度解析をする神楽でしたが結果は何度やっても変わりません。
そこに白鳥がやってきて解析結果を聞きますが、神楽はごまかし家に帰ります。
【転】プラチナデータ のあらすじ③
蓼科兄妹が殺された時間の記憶がない神楽は、反転剤を使いリュウを呼び出そうとします。
しかし、いくら待てどもリュウの人格にならず代わりにスズランと名乗る少女が現れました。
どうやらスズランはリュウと面識がある様で、その身を案じて現れたですがふと目を離した隙に居なくなってしまいました。
ほどなくして、病院の監視カメラの映像が差替えられていたという情報を得た浅間は、事件当時病院にいた神楽が兄妹を殺したのではないかと疑い始めます。
神楽が行方をくらました事も相まって彼を犯人と見立てました。
警察の言及から逃れつつ一人で事件を解決しなければと思っていた神楽でしたが、突然白鳥から連絡が来ます。
最初は疑った神楽でしたが、彼女は蓼科兄妹が残したプログラム「モーグル」を見つけたいらしく、それを探すことを条件にかくまってもらういました。
彼女の用意したマンションに向かうとそこで再びスズランと出会い話をしました。
依然として神楽は、リュウが犯人だと疑っている事を話すと、スズランは憤慨しいなくなってしまいました。
一転、警察側は外部からの圧力を受け、調査を制限されました。
これを好機と見た神楽は蓼科兄妹の別荘に、ヒントを探すべく向かいました。
【結】プラチナデータ のあらすじ④
別荘に向かうべく、切符を購入しているとまたしてもスズランが現れ、一緒に向かう事になりました。
別荘についた神楽は、コンピュータの解析をしましたが一向に収穫はありません。
そこに警察が向かっていると白鳥から聞いた神楽たちは、バイクに乗って逃げます。
道中、教会に身を隠す事にしました。
そこで、リュウの代わりにスズランと結婚式の真似事していましたが、警察に追いつかれ再び逃亡します。
逃げていると、対向車に気を取られた神楽はハンドル操作を誤りスズランもろともガードレールに突っ込んでしまいました。
目を醒ました神楽は、地元住民に助けられたようでスズランとはぐれた事に不安を抱きつつも、東京へと連れて行ってもらいます。
その裏で、独自に調査を進めていた白鳥も殺されてしまいました。
そこから、再び協力しだした神楽と浅間は真相に辿り着きそうになったところで、水上教授から呼び出されます。
そこで、水上は全ての真相を話し2人を殺そうとします。
そこで神楽の人格はリュウへと変わり、「なぜスズランを殺した」と言って水上を銃で打ち抜きます。
リュウは最後の願いを伝え神楽の体から消滅していきました。
その後神楽は、人知れない山奥でひっそりと父をまね陶芸を始めるのでした。
プラチナデータ を読んだ読書感想
物語冒頭で神楽が二重人格だと分かったときには、そのままリュウが犯人もしくは、二重人格を利用した神楽が犯人なのではないかと思って読み進めていきましたが、犯人は信頼していた教授だと分かりいい意味で裏切られました。
また、リュウの創造の産物であるスズラン(蓼科早樹)が神楽にも見えていた理由に関しては、最後まで読み進めても分かりませんでしたが、何かロマンチックであると感じました。
蓼科兄妹が殺された理由、何故神楽が犯人に仕立て上げられたのかなど、全ての伏線がラストで描かれており、改めて、東野圭吾のストーリー構成に感動させられました。
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