真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ(大沼紀子)の1分でわかるあらすじ&結末までのネタバレと感想

真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ

【ネタバレ有り】真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:大沼紀子 2011年6月にポプラ社から出版

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真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピの主要登場人物

暮林陽介(くればやしようすけ)
「ブランジェリークレバヤシ」のオーナー。

暮林美和子(くればやしみわこ)
陽介の妻。旧姓久瀬美和子。故人。

柳弘基(やなぎひろき)
「ブランジェリークレバヤシ」のパン職人。

篠崎希実(しのざきのぞみ)
美和子の妹。女子高校生。

真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ の簡単なあらすじ

首都高と国道246号の合流地点から少し離れた住宅街の手前に、ブーランジェリークレバヤシは半年前開店しました。午後23時から翌朝の午前5時までの営業時間の間に、次々と訪れる訳ありなお客さんとのドラマが映し出されていきます。

真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ の起承転結

【起】真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ のあらすじ①

ひとりでも美味しいパン

4月1日午後23時「ブランジェリークレバヤシ」の開店と同時に、女子高生姿の篠崎希実が駆け込んできました。

姉の暮林美和子に会うことが目的でしたが、彼女は半年前に事故に遭って既にこの世にはいません。

店主の暮林陽介は美和子の夫に当たる30代後半らしき男性で、放浪癖のある母親のせいで行く当てのない希実の居候をあっさりと認めてくれます。

翌朝には白いワゴン車に希実を乗せて元のアパートから家財道具を引き取り、近所のドラッグストアへ買い出しに連れていってくれたりと至れり尽くせりです。

美和子が亡くなって以降は物置となっていた2階の居住スペースを、希実は当面の住み処にします。

春休みが終わって学校が始まると弘基は手作りのパンを包んで手渡してくれましたが、希実を中学時代から目の敵にしていた同級生に踏み潰されてしまいました。教室で乱闘騒ぎを起こし職員室に連れていかれた希実を、保護者代わりに迎えにきたのは暮林と弘基です。

次の日の朝もお弁当代わりにパンを作ってもらい、取り上げられないように授業を抜け出してひとり屋上で食べるのでした。

【承】真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ のあらすじ②

こだまとのぞみ

希実がブランジェリークレバヤシに身を寄せてから1ヶ月ほど経つと、パン作りを手伝うことになりました。

弘基によるスパルタ式の製パン指導に戸惑いながらも意外に見込みがあり、早くも暮林よりかは上達しています。

大学に行って公認会計士か税理士の資格を取得する将来設計を打ち明けた途端に、お店の帳簿付けまで任される始末です。

ある日のオープン前にレジの横で売り上げ計算をしていると、小学生くらいの男の子が入ってきました。

希実が止める間もなくパンを素手で掴み取ると、お金も払わずに外へと飛び出してしまいます。

希実が捕まえた少年は小学3年生の水野こだまと名乗り、母親とふたり暮らしだそうです。

涙ながらに謝罪する痩せ細ったこだまを見ると、警察に突き出す訳にもいきません。

こだまを家まで送り届けて母・織絵に会った希実は、現在行方不明中の自身の母親に重ねてしてしまいます。

それ以降度々ブランジェリークレバヤシを訪れるこだまの面倒を、希実は姉代わりに見ることになるのでした。

【転】真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ のあらすじ③

気の合うふたり

販路拡大を主張する弘基によって、ブランジェリークレバヤシは2週間前からパンの宅配をスタートしました。

パンケースを荷台に乗せた配達用の自転車で駆け回るのは、もちろん居候の希実の役割です。

弘基の個人情報を引き出そうとする若い女性客、希実にデッサンの被写体になってくれと頼み込む自称画家、パンに含まれるアレルギー性物質を調べさせる客。

何かと面倒くさいお得意様の中でも、8階建てマンションの最上階フロアに住んでいる班目裕也は特に目立ちます。

ある日の配達中希実にくっついてきたこだまが、猫の鳴き声を聞いて勝手に部屋の中に入り込んでしまいました。

そこで見たものは、向かいのマンションの室内を狙った無数の望遠鏡です。

他言しないと希実が約束しながらも、班目は店にまで押し掛けて自分自身の秘密をカミングアウトします。

10年前に駆け出しの脚本家だった班目はタレントの卵に恋をしたこと、夢中になる余りに接近禁止令を出されてしまったこと、今でも遠くから彼女のことを見守っていること。

希実が嫌悪感を露にする一方で、何故か弘基は班目と意気投合します。

弘基もかつては人妻を追いかけて海を渡ったことがあり、しかもその女性が今は亡き美和子であることを希実は知る由もありません。

【結】真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ のあらすじ④

パンによって巡り会う人たち

大学2年生の暮林陽介は友達と海外旅行に出掛けたり教授に気に入られて助手に取り立てられたりと、悠々自適なキャンパスライフを送っています。

一方の久瀬美和子はゼミや学部でも独りぼっちで、食事時にはイヤホンで音楽を聴きながらパンをかじっているばかりです。

そんなふたりが親しくなったきっかけは、パリでひったくりに遭った美和子のカバンを偶然に通りかかった暮林が取り返したからでした。

教授のお供で会議に同行していた暮林と、父親の遺骨を引き取りにやって来た美和子はたちまち意気投合します。

異国の地でも川辺でバゲットをかじっていた美和子が「パンは誰かが隣にいなくてもおいしい」と呟くと、暮林は「二人で食べたって、同じくらいうまい」と切り返しました。

美和子が開店させるはずだったパン屋と、彼女が可愛がっていた弘基、そして腹違いの妹・希実。

美和子が残していった全てを守り抜くために、今日も「ブランジェリークレバヤシ」をオープンするのでした。

真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ を読んだ読書感想

あんパンやメロンパンを始めとする定番メニューから、クロワッサンオンザマンドからパトンフェリュイまでの変わり種まで実に美味しそうでした。

腕利きの職人・弘基が披露する、パン生地の捏ね上げから分割・成形を経て焼成までの流れるような工程も鮮やかです。

「うまいパンは、誰にでも平等にうまい」という、暮林陽介のセリフには心温まるものがあります。

囲むべき食卓がなくても側に家族がいないとしても、空腹を満たしてくれるパンの素晴らしさが伝わってきました。

孤独に生きてきたヒロインの篠崎希実が、初めて他の誰かと一緒に喜びを分かち合うシーンにも重なり感動的です。

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