「ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|A.J.フィン

「ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ」

著者:A.J.フィン 2018年2月にハヤカワ文庫から出版

ウーマン・イン・ザ・ウィンドウの主要登場人物

アナ・フォックス
主人公の女性。マンハッタン在住の児童心理のカウンセラー。

(アリスター・ラッセル)
ラッセル一家の父親。何やら不愛想な男。

(イーサン・ラッセル)
ラッセルの息子。おどおどしている。

(ジェーン・ラッセル)
玄関で倒れたアナを介抱くれた優しげな母親。

(デヴィッド・ウィンター )
アナの自宅に居候している男。

ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ の簡単なあらすじ

マンハッタンに住む児童心理のカウンセラーのアナ・フォックス博士は、長年家から出られない広場恐怖症に悩んでおり、自宅では週に何回かセラピーを受けていました。

ゴミ出しもろくにできないアナには、居候のデヴィッドに助けてもらいます。

アナは猫を飼っており、家に引きこもりながら趣味である隣人を覗き見する毎日であるが、別居中の夫と8歳の娘オリヴィアに、毎日電話で話しています。

ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ の起承転結

【起】ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ のあらすじ①

薄暗い家に住む1人の女と新しい隣人

広場恐怖症のアナは、家から一歩も外へ出られない生活を送っていたある日、家の向かいにラッセル一家が引っ越してきます。

翌日、その家族の青年イーサンが、母ジェーンから引っ越しの挨拶にとアナの元へキャンドルを持ってきます。

何かオドオドしている様子のイーサンを家に入れ、お返しにDVDを貸してあげます。

その翌日はハロウィーンで、アナは子供達が窓やドアにお菓子や卵を投げてくるのが耐えられず、文句を言いに行こうとしたのか、玄関のドアを開けた途端に失神してしまいます。

そこへ、イーサンの母親ジェーンがたまたま介抱してくれたおかげで、2人はワインを飲み、楽しく会話するようになります。

その翌日、今度は父親アリスター・ラセッルが家族が来なかったか?と尋ねて来て、何度かきて助けてもらったと答えたアナは、その後、お風呂に入ってる間に外から叫び声を聞きます。

アナは不審に思いイーサンに電話をかけ、悲鳴を聞いたけど、大丈夫?と聞くが、大丈夫何でもないとイーサンは電話越しにオドオド答えます。

【承】ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ のあらすじ②

隣人を監視するアナ

叫び声を聞き、アリスターからも誰も叫んでいないとの電話を受けたアナは、好奇心から高性能カメラで隣人を覗き見し始めます。

その翌日、殺人現場を目撃したアナは、警察に通報するが、自分で助けようと思いたち、傘をさせば外に出ても怖くないかもと向かいの家へ向かおうとします。

しかし、道路を走る車に気付かず、クラクションを鳴らされ、そこで意識が遠のいてしまいます。

自宅で目を覚ましたアナは、そこには警察、イーサン、アリスターがいました。

ジェーンが確かに刺された現場を目撃したというアナだったが、夫のアリスターは妻はここにいるというが、そこには一緒にワインを飲んだ女性とは違う女がいました。

イーサンもそれに納得している様子で、混乱したアナは誰も自分の事を信じてくれないと、ネットや電話でアリスターの事を調べていきます。

日頃から大量の薬とアルコールに浸っていたアナ、しかし、知り合ったはずのジェーンの存在をたまたま携帯で録画していた映像でデイビッドに証明します。

【転】ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ のあらすじ③

謎の刺殺事件

アナが目撃した刺された女性は確かに一緒にワインを飲んだ人で、そのジェーンはイーサンの実の母親であるケイティ・メリであり、イーサンの産みの実母で、妊娠8か月で家出をしてから2年後に父親アリスターを見つけて、イーサンを引き取った経緯がありました。

ラッセル一家に避けられていたケイティは、その後刑務所にいたことを知ります。

出所後、ケイティはイーサンに近づこうとしてラッセル家をストーカーしており、デヴィッドは正気かどうかわからない状態のアナが真実を証明するのを手伝うことを拒否します。

その後、デヴィッドは家の中に潜んでいたイーサンに突然刺されてします。

イーサンは、ケイティを殺害した連続殺人犯であり、ボストンでアリステアの秘書も殺害したことをアンナに明かし、今にもアンナを襲おうと計画、一週間中、盗まれた鍵を持ってアナの家に出入りし、アナの眠っている写真を撮影したことを知ったアナは屋根に逃げ込みます。

【結】ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ のあらすじ④

狂気のイーサン

自分の意識が次第に明確になってきたアナは、夫の浮気で揉めていて、ある日アナが運転する雪の日に夫と娘を事故で転落死していたことを自覚します。

そして、毎日アナが電話していた夫と娘はアナ本人の妄想で、酒浸りになっていたのでした。

その状況を知ったイーサンはアナ追い、必死で家の中で逃げまといながら家の外へ逃げようとしたところで意識がなくなってしまします。

アナが病院で目を覚ますと、リトル刑事が訪れ、イーサンがケイティの殺人を隠蔽するのを手伝ったことで父親アリスターとジェーンを逮捕し、ケイティの遺体を発見したとアナに話します。

刑事はアナの録画した自殺ビデオを見たことに触れませんでしたが、証拠のために没収せず、アナ本人がそれを削除できるように携帯電話を返します。

刑事は最後までアナの話を信じなかったことをお詫びします。

9か月後、地味で健康なアナは、外の世界を恐れることなく、家を出て新たな人生に向け、家に別れを告げます。

ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ を読んだ読書感想

アナの豪邸の地下に居候しているディビッドが意外なところで刺されてしまったことが衝撃で、次第にアナに起こった出来事が明らかになってくミステリー映画でした。

何が現実で何が妄想かわからなくなってくるあたりも、アナの意識が真犯人であるイーサンに目を向けることがなかったことも急所でした。

隣人の怪しげな父親と訳ありのジェーン、不気味なイーサンに広場恐怖症でアルコール中毒気味なアナがどのように絡んでいるかが面白い小説です。

2021年には映画化されているので、個性的な出演者と原作を忠実に再現された作品として、合わせて試聴するのも面白いです。

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