「コールドゲーム」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|荻原浩

「コールドゲーム」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|荻原浩

著者:荻原浩 2002年9月に講談社から出版

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コールドゲームの主要登場人物

渡辺光也(わたなべみつや)
主人公。高校3年生。野球部を引退したばかりでこれといった目標がない。

山岸亮太(やまぎしりょうた)
光也の友人。 ケンカが原因で高校を中退。極道に憧れる。

廣吉剛史(ひろよしたけし)
光也の中学時代のクラスメート。通称「トロ吉」。いま現在は消息不明。

野口隆夫(のぐちたかお)
光也の中学時代の担任。 面倒事から逃げるタイプ。

毛利(もうり)
所轄の刑事。 不良少年を更正するために夜回りを続ける。

コールドゲーム の簡単なあらすじ

高校3年生の夏休み、渡辺光也の中学生の頃の友だちや先生の身の回りで不審な出来事が多発していました。

悪友の山岸亮太たちと自警団を結成した光也は、いじめられた末に転校していった廣吉剛史の自宅へとたどり着きます。

剛史はすでに自らの命を絶っていて、我が子の無念を晴らそうとした父・勝の犯行が明るみに出るのでした。

コールドゲーム の起承転結

【起】コールドゲーム のあらすじ①

早々と夏が終了

高校時代の3年間の全てをかけて野球部の練習に打ち込んだ渡辺光也でしたが、最後の夏は神奈川県地区予選の2回戦であっさりとコールドゲーム敗退です。

進路が決まらないため受験勉強にも身が入らない光也は、中学生時代のクラスメート・山岸亮太から近所の喫茶店「シャングリラ」に呼び出されました。

2年生の時に同じクラスだった何人かが、ここ数日間で立て続けに何者かに襲撃を受けていたことを亮太から知らされます。

和泉は飼っていた犬の首を折られて、植村は背後から金属バットで脳天を一撃されて、神野は何年も前の万引事件をバラされて。

被害者の名字をノートに書いてみるとあいうえお順に並んでいることに気がついたために、「ヤマギシ」や「ワタナベ」は当面のあいだは安心そうです。

亮太が中心になって何人かの有志をつのって、卒業した中学校の名前からとった「北中防衛隊」を結成しました。

学区内の夜間パトロールを約束始めた矢先に、清水が中学校の屋上から転落死します。

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【承】コールドゲーム のあらすじ②

帰ってきたトロ吉の報復

清水の名前を聞いたとたんに、光也と亮太の頭の中に思い浮かんできたのは廣吉剛史のことです。

目も鼻もちんまりとした陰気な丸顔に異様に大きな後頭部、手足が細くて背も小さくネズミのような話し声、のんびりとした性格からついたあだ名は「トロ吉。」

トロ吉を表立っていじめていたのは亮太や清水でしたが、当時の光也は仲間外れが怖かったために見て見ぬふりをしていました。

中学2年生が終わって3学期が始まる直前にトロ吉は突然転校してしまい、これといった親しい友だちもいなかったために誰も引っ越し先を知りません。

久しぶりに母校を訪れた光也は、同窓会を開くという名目でかつての担任からトロ吉の住所を聞き出します。

帰宅してテレビの前でチャンネルを切り替えていた光也が思わず手を止めたのは、中学校教員が自宅で火災に巻き込まれて亡くなったことを報じるローカルニュースです。

ようやく光也はあの先生の名前が「シミズ」の次の野口隆夫だったこと、いじめの報告を受けながら問題になるのが面倒で握りつぶしていたことを思い出しました。

【転】コールドゲーム のあらすじ③

強面の刑事と野球談義に花が咲く

清水のお葬式に参列した光也と亮太を待ち伏せしていたのは、少年課の刑事で毛利という30代の男性でした。

早々と高校をドロップアウトして横浜の反社会的勢力の構成員にもかわいがられている亮太のことを、毛利刑事は清水殺害の犯人ではないかと疑っています。

清水が亡くなった日の夜に亮太は間もなく結婚する予定の女性と一緒にアパートにいてアリバイがありましたが、身内の証言には証拠能力はないそうです。

トロ吉が中学生時代の同級生を狙って出席番号順に仕返しをしているという光也の推理も、まるで相手にしてもらえません。

高校野球が大好きだという毛利刑事は、この日に神奈川予選の決勝で延長10回を投げ抜いて優勝したエースピッチャーの村越が特にお気に入りです。

光也が練習試合で村越のストレートをフェンスの手前まで飛ばしたとアピールすると、気が向いたらトロ吉の身元を洗ってみると約束します。

野球を続けたくても続けられない人間がいるとボヤく毛利刑事は、少しだけ足を引きずっていました。

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【結】コールドゲーム のあらすじ④

人生のゲームセットはまだまだ先

野中先生と最後に会った時にトロ吉の現住所をメモしておいた光也は、亮太とふたりで東京都の日野市へと向かいました。

トロ吉を説得して自首させるつもりが、父親の廣吉勝にスタンガンを押し付けられ意識を失います。

家の中の冷蔵庫には2カ月前に首をつって亡くなったというトロ吉の遺体が入っていて、一連の事件の真犯人は息子の敵討ちに燃える勝です。

ガムテープで後ろ手に縛られていた光也は携帯電話を指先で操作して、サ行の1番初めに登録してあったシャングリラのマスターに連絡しました。

マスターからの通報を受けて駆けつけてきた毛利刑事によって勝は逮捕されて、部屋の中に落ちていたのは1冊のノートです。

廣吉はクラス全員の名前と罪状を赤いインクでページの一面に記録していて、渡辺光也の欄には「見ているのに見なかった罪」と書かれています。

コールドで負けるのはもうまっぴらだと思った光也は、13対0をひっくり返すよりも難しい未来へと歩いていくのでした。

コールドゲーム を読んだ読書感想

甲子園を目指していた主人公・渡辺光也が、夢に破れて丸刈りの頭髪を伸ばし始めているのがちょっぴり切ないです。

大学進学にも就職活動にもやる気を見出だせない光也が、仲間たちと作ったパトロール隊にもモラトリアムを感じてしまいました。

中学2年生に特有のささいな悪ふざけが、積もりに積もってひとりの少年を死に追いやっていく残酷な現実には胸が痛みます。

いじめに直接的に加わった生徒たちばかりでなく、無関心を貫いた者たちにも厳しいしっぺ返しが待っていて考えさせられるでしょう。

野球の試合と違って人生にコールドゲームがないことを知るラストに、わずかな希望がありました。

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