「ホーンテッド・キャンパス」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|櫛木理宇

櫛木理宇「ホーンテッド・キャンパス」

【ネタバレ有り】ホーンテッド・キャンパス のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:櫛木理宇 2012年10月に角川ホラー文庫から出版

ホーンテッド・キャンパスの主要登場人物

八神森司(やがみしんじ)
主人公。霊感を持つが、幽霊は苦手。

灘こよみ(なだこよみ)
ヒロイン。幽霊を惹き付ける体質を持つ。

黒沼部長(くろぬまぶちょう)
オカ研部長。オカルト知識は豊富だが、本人に霊感はない。

黒沼泉水(くろぬまいずみ)
部長のいとこ。霊感があり、荒事に対応できるガタイの良さが特徴。

三田村藍(みたむらあい)
オカ研副部長。見た目は美女だが、姉御肌な性格。

ホーンテッド・キャンパス の簡単なあらすじ

八神森司は高校時代に後輩だった灘こよみに片想いをしていて、同じ大学で同学年として再開したことをきっかけに、彼女が所属するオカルト研究会に入って彼女と距離を縮めようとします。霊感がありながらも幽霊が怖い森司は、オカ研に持ち寄られるオカルトな依頼に戦々恐々としますが、幽霊を引き付けやすい体質のこよみを守るため、心を奮い立たせて奮闘するのでした。

ホーンテッド・キャンパス の起承転結

【起】ホーンテッド・キャンパス のあらすじ①

森司とこよみとオカ研

八神森司は霊感があるものの、除霊などの力を持っているわけではないため、只々見えてしまう幽霊に恐怖を感じていました。

高校時代、幽霊に襲われそうになっていた一学年下の灘こよみを人知れず救った森司は、その折にこよみと知り合い、彼女に恋をします。

しかし、在学中に関係が進展することはなく、森司は留年。

翌年進学した雪越大学にて同学年としてこよみと再開した森司は、彼女がオカルト研究会に入っていることを知り、彼女のことが心配で自身もオカルト研究会へ入会しました。

オカ研のメンバーは部長の黒沼、その従妹の黒沼泉水、副部長の三田村藍、そしてこよみと森司の計5人です。

その活動内容は、オカルトに関する悩み相談を請け負うことでした。

ある日、同大学の学生である江藤から、壁に染み出た女性の顔についての相談が舞い込みます。

それは引っ越しを繰り返してもその先々で浮かび上がるということでした。

江藤の部屋へ向かうオカ研メンバー一同。

霊感のある泉水と森司は嫌な気配は感じるものの、その特定にまでには至りません。

状況が変わるまで部屋で待機することにしたオカ研メンバーですが、日付が変わる頃に顔の染みが部屋に広がり始め、危険を感じて部屋をすぐに離れます。

霊感のない部長や江藤にすら見えたその染みですが、藍やこよみはその変化に気付かなかったといいます。

翌朝、江藤が元カノから貰ったというブリキのおもちゃが怪現象の原因であると突き止めたオカ研一同。

部屋に足を踏み入れた元カノ舞美の母親が、染みの女性が自身の亡くなった従妹であると告白します。

おもちゃは彼女の形見であり、男性嫌いであったために怪現象が発生していたのでした。

おもちゃの回収により無事悩みは解決。

怪現象からこよみを守る活躍をした森司ですが、奥手な森司は中々彼女との距離は縮めることが出来ないのでした。

【承】ホーンテッド・キャンパス のあらすじ②

幽霊物件

オカ研に相談にやってきた璃子と結花は、二人でルームシェアしている物件で起こる怪現象に悩んでいました。

条件が良いにも関わらず、破格の値段であることから、事故物件なのではないかと疑っていた二人でしたが、住み始めてからしばらく何も起こることは無く、生活を楽しんでいました。

しかし、ある時から部屋のものが無くなっていたり、荒らされるようになり、果てには鏡に血の手形がついていたことをきっかけに、オカ研に相談を持ち掛けたのでした。

二人の部屋へ入った森司は、そこに近寄りがたい気配を放つ何かがいることを察知します。

偶然通りがかった隣人に話を聞くと、その部屋は霊が出るともっぱらの噂で、入居者はすぐに引っ越してしまうとのことでした。

相談の結果、まずはカメラを部屋に仕掛けて様子を見るということになり、女性の部屋ということもあって、藍とこよみが録画を確認することになりました。

その間、ご飯でも食べに行こうと部室を後にする男子メンバー。

その時、森司は泉水に尋ねます。

こよみへオカ研への入部を勧めたのは泉水ではないかと。

こよみには霊を惹き付けてしまう何かがあり、昔から彼女と知り合いである部長と泉水はそれを心配したのではないかと。

それを認めた泉水は、森司へこよみを守ってやるようアドバイスします。

録画の確認が終わり、騒動はすぐに解決を見ました。

部屋にいたのは女性には無害の霊であり、男性であるためにその霊に魅了されたアパートの管理人の息子が、二人の居ない間に部屋に侵入し、霊との逢瀬を楽しむために二人を追い出すための嫌がらせをしていたのでした。

事態の解決後、璃子から好意を寄せられた森司でしたが、こよみへの一途さから、きっぱりと連絡先の交換を断ってみせるのでした。

【転】ホーンテッド・キャンパス のあらすじ③

ドッペルゲンガーの正体

自身と同じ姿をしたドッペルゲンガーを目撃した桑山保は、知り合いである泉水の伝手でオカ研へ相談を持ち掛けました。

彼は人込みの中で自分へ背を向けるドッペルゲンガーを計5回は目撃したとのことでした。

ドッペルゲンガーは決まってすぐ居なくなってしまうため、その正体を確かめるためにオカ研に手伝ってほしいというのが桑山の依頼でした。

人の多い場所ということで、秋祭りへと足を運ぶ桑山とオカ研一同。

偶然こよみと二人きりになり祭りを楽しむ森司ですが、藍からドッペルゲンガーを発見したとの連絡を受けます。

ドッペルゲンガーを見つけた桑山は、その正体が自身によく似た容姿である、無くなった実の父親であることに気が付きます。

桑山はその父親の不倫により生まれた子供であり、既婚者であることを知らなかった母親はすぐに別れを選んだのです。

実の息子に会いたいと熱望していた父親。

その想いが、死後に霊となって表れたのでした。

父子の再開により無事に悩みは解決されたものの、霊との邂逅による余波で気分が優れない森司。

やはり霊と関わるのは止めようかと迷いますが、こよみからの初メールを受け取り、思い切って電話を掛けてみます。

なんてことのない会話を交わして電話を切る森司ですが、やはりこよみのためにもオカ研に残ることを決意するのでした。

【結】ホーンテッド・キャンパス のあらすじ④

降霊会の結末

竹村静香がオカ研に持ち掛けてきた相談は、降霊会を開くことでした。

静香の妹の巴絵は、同級生の樹里子の自殺をきっかけにふさぎこんでしまい、不登校になっていました。

しばらくはそっとしておくつもりだったのですが、久しぶりに部屋から出てきた巴絵は別人のようになっており、樹里子のことばかりを話す様子から、静香は形だけでも降霊会を行って、巴絵の樹里子に対する未練を断ち切りたいと思っていたのでした。

依頼を受け、ウイジャ盤を用いて降霊会を行うオカ研ですが、霊が現れることも無く、巴絵に樹里子のことを尋ねてみることにします。

話が樹里子が好きであった高崎という男子のことになった途端、巴絵の様子が豹変します。

そこに居たのは最早別人で、実は自殺した樹里子の霊が巴絵に乗り移っていたのです。

高崎は巴絵のことが好きだった為、樹里子は自殺して巴絵に乗り移ることで、高崎の気を引こうとしたのです。

しかし、待つばかりの樹里子の元へ高崎が現れることもなく、引きこもりによって巴絵の容姿も醜くなっていました。

樹里子はならばとその場にいたこよみに乗り移ります。

騒然とする一同ですが、その中で森司は女子が苦手とする粘着質な男性を演じることで樹里子をこよみから引き離し、ウイジャ盤の力で何とか霊を撃退するのでした。

こよみをまたも助けることが出来たものの、相変わらず距離を縮めることが出来ない森司。

でも、こよみの傍に居れば自分は幾らでも頑張ることが出来る。

そのことを自覚することが出来た森司なのでした。

ホーンテッド・キャンパス を読んだ読書感想

この作品の魅力は、主に二つあると思います。

一つは、お悩み解決ものとしての面白さです。

オカ研のメンバーは、森司や泉水が霊感を持ちつつも、除霊を行う特別な力を持っているわけではありません。

そんな中で、部長の持つオカルトに対する豊富な知識・うんちくを元に、怪現象の謎を論理的に紐解き、事態の解決を図るという少し珍しい物語の形式が特徴となっています。

そして、もう一つは何といっても森司とこよみの恋愛模様を描いた青春ものとしての面白さです。

主人公である森司は奥手で中々こよみとの関係が進展しないのですが、こよみはこよみで彼のことを悪く思っているわけではなく、そんな二人のじれったい様に思わず引き込まれてしまうのです。

シリーズ1巻目ということもあり、今後に期待を持てる内容に仕上がっています。

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