「農ガール、農ライフ」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|垣谷美雨

「農ガール、農ライフ」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|柿谷美雨

【ネタバレ有り】農ガール、農ライフ のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:柿谷美雨 2019年5月に祥伝社から出版

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農ガール、農ライフの主要登場人物

水沢久美子(みずさわくみこ)
職ナシ・家ナシ・彼氏ナシのアラサー女性。農業で生きていくために奮闘します。

山藤アヤノ(やまふじあやの)
久美子の大学時代の先輩の母親。経営するアパートを貸し、久美子の良き相談相手であり母親のような存在。

飯倉富士江(いいくらふじえ)
久美子のために農地を借りてやり、農業に関することを全て教える久美子の師匠。

農ガール、農ライフ の簡単なあらすじ

いつか派遣から正社員になってやると思っていたのに派遣切りにあい、恋人だと思っていた男には結婚前提の女性がいて、恋人と住んでいたマンションからは引っ越さなければいけなくなった人生どん底の女性が、ある日農業に目覚めます。何度も人生の岐路に立つ久美子が何度も諦めずに乗り越えて、自分の力で人生を切り拓いていく再出発物語。

農ガール、農ライフ の起承転結

【起】農ガール、農ライフ のあらすじ①

どん底へ落ちる

水沢久美子は勤めていた職場で派遣切りにあったその夜、一緒に住んでいる恋人の修から大阪への転勤の話を聞かされます。

失業決定となっていた久美子は大阪に行ってもいいと答えるのですが、修からは「結婚を前提に付き合っている子がいる」と言われて慌てます。

久美子は修からのプロポーズを断ったことがあり、いざとなれば修と結婚すれば良いと考えていたからです。

でも修はプロポーズを断れた時から、久美子を信頼できなくなっていたのです。

久美子は仕事に恋人、家までも失うことになってしまいました。

引っ越し先を見つけるため何軒も不動産屋を回りますが、派遣社員で頼める保証人もいない為、なかなか貸してくれるところがありません。

そんなある日『農業女子特集』というTV番組に、久美子の目は釘付けになります。

同じ年代の女性が「会社を辞めて就農して良かった」と言っている姿をみて、自分も誰にも雇用されず農業で生きていこうと決心します。

早速パソコンで検索し、農業大学校の新規就農コースを見つけて応募しました。

残る引っ越し問題について真剣に考え始めたとき、大学時代の先輩である憩子の母親がアパート経営していることを思い出します。

憩子に頼み、なんとか憩子の母アヤノが経営するアポートを借りることができました。

コンビニでのアルバイトも決まり、いよいよ学校生活が始まります。

初めての実習では暑さや思った以上の重労働に悲鳴をあげますが、自分の手で育てた野菜は艶々と美しく、久美子は今までにない張り合いを感じていました。

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【承】農ガール、農ライフ のあらすじ②

農業女子はじめます

農業大学校での土曜7回コース・6カ月の部門別講習を無事に終え、晴れて認定就農者となった久美子は、市役所主催の就農説明会に来ていました。

そこで農業委員と呼ばれる男性から説明された事は、何から何まで初めて耳にする事ばかり。

「強靭な体力が必要で、女性で農業をやりたい人は農家に嫁ぐのが先決。

自治体では夫婦での就農を要件に挙げている。

有機農業は必要ない。」

衝撃を受ける久美子でしたが、畑を借りるために個人面談に臨みます。

そこでも「女性は農家に嫁ぐのが一番。

独身女性に田畑を貸してくれる農家はないと思う。」

と言われてしまいます。

研修の時にお世話になった家を訪ねても体よく追い返され、市役所の農政課の職員を伴って訪ねた農家では、簡単に追い返されてしまう始末。

それでも諦めきれず、自分で近くの耕作放棄地をしらみつぶしに当たっていき、貸してもいいという農家を2軒見つけます。

有頂天になる久美子でしたが、気になる点もいくつかありました。

もう一度、自分の目で確かめようとようと農地を見に行ったとき、飯倉富士江というおばあさんに話しかけられます。

50年以上農業を営んできた富士江が言うには、久美子が借りようか悩んでいる農地は、どちらもロクでもない土地だということでした。

富士江は良い土地が見つかったら連絡してあげると約束し二人は別れます。

市役所からも富士江からも連絡はなく、半ばあきらめかけたころ「いい畑が見つかったよ」と富士江から電話が入ります。

感激した久美子は、このチャンスを逃さず頑張ろうと心に誓ったのでした。

【転】農ガール、農ライフ のあらすじ③

理想と現実のギャップ

畑を三反借りることができた久美子は、富士江に教わりながら色々な野菜を作っていきます。

出来上がった野菜はどれも色が良く、大きく育った立派なものでした。

しかし農協や道の駅では一円でも安くなければ売れないし、生産過剰で置いてもらえそうにありません。

公園で直売をしたり、アルバイト先のスーパーに置いてもらったり、ホームページを作成して通販を始めたりと販路を模索します。

契約数は少ないものの農家としての一歩を歩み始めますが、種苗代などを引くと大赤字でした。

恥をしのんで元カレに頼んだり、軽トラで近くの団地に売りに出かけたり、休む間もなく働いても総売り上げは50万円・利益は四割にも届きません。

今更ながら自分が描いていた理想は現実離れしていたかもしれない、こんな生活を続けていたら気づいた時には貧困な老後を迎えているに違いないと弱気になります。

そんな事を考えていた久美子に、富士江は「農業男子との婚活パーティー申込書」を渡します。

「何事も経験。

女の友達もできるかもしれないし」という富士江の後押しで、久美子はパーティーに参加することにしました。

パーティーでは37歳の男性を気に入り、相手も久美子を気に入ってくれたと思いカップル成立を期待するのですが、彼は着物で参加していた21歳の女性を選びます。

やはり自分は旬を過ぎてしまったと感じる久美子でしたが、バツイチで一人農業をしている37歳のヒトミ、29歳でシングルマザーの静代という二人の女性と知り合うことができました。

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【結】農ガール、農ライフ のあらすじ④

フェリーチェ

お見合いパーティーが終わって少ししたころ、久美子はアヤノに呼びだされます。

アヤノの話は、家を売ってバリアフリーのマンションに引っ越したいので、久美子もアパートを出て欲しいというものでした。

その話を聞いた富士江は、自分の家に住むよう久美子を誘いますが、富士江の子供たちの反対にあい、この話も無くなってしまいます。

久美子は安住の地を一生得ることが出来ない運命なのかと悲嘆にくれます。

しかし、まだ諦めきれない久美子はヒトミが誘ってくれた直販会に参加することにします。

その直販会で知り合った養蜂家の青年・星川に出会い、自分の作った野菜と星川の蜂蜜をセットで売ることを思いつきます。

家がなくなってしまう久美子を心配するアヤノと富士江は、格安の古い木造家屋を見つけて来てくれ、久美子は250万円で家の購入を決めます。

ヒトミは養蜂家の星川と、静江は婚活パーティーで久美子にふられてしまった太田という男性と結婚しました。

相変わらず独身の久美子ですが、憩子と同じく大学の先輩である瑞希のブログに載せてもらったおかげで通販の売り上げも伸びてきています。

そして、大口の顧客である田宮から小さいサイズの大根や人参が欲しいと言われ、新たなアイディアが浮かび宅配では順番待ちができるようになりました。

田宮は都内でフェリーチェというイタリアンレストランを経営する青年で、久美子は会う前から好感を持っていました。

今までは結婚して優雅な暮らしをする女性を羨ましく思っていた久美子ですが、今は自分の力で暮らしを切り拓いてきた自分に自信を持っています。

そんな久美子は田宮に招かれてフェリーチェに向かっています。

「フェリーチェ」とはイタリア語で「幸福」を意味するのだと思いながら。

農ガール、農ライフ を読んだ読書感想

農業が軸となっている話ですが、この本は女性がどんな生き方をしていけばよいかの指南書になっていると思いました。

公務員や会社員として勤めても良いし、結婚してお金の心配のない暮らしをするのもよし。

企業に雇われるのが嫌なら起業しても良いのです。

久美子は農業という職業を選び、一から挑戦していきます。

ただでさえ女性が一人で初めてのことに挑戦するには苦労がついて回ると思いますが、それが農業となればなおさらです。

後継者不足で新規就農は案外うまくいくのではないかと思ったのは、やはり甘い考えで全然うまくいきません。

それでも挑戦し続ければ、自分の足で立って生活していくことが出来る。

時には周りの人に甘えて助けてもらっても構わない。

次は自分が助けてあげる人になればよいのだから。

そんな事を教えてくれた作品でした。

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