「向日葵の咲かない夏」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|道尾秀介

「向日葵の咲かない夏」

【ネタバレ有り】向日葵の咲かない夏 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:道尾秀介 2005年11月に新潮社から出版

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向日葵の咲かない夏の主要登場人物

摩耶道夫(まやみちお)
小学校四年生。両親と妹の四人家族。母親と仲が悪く、妹と仲がいい。思いを心の中で留めて我慢するところがある。

S君(えすくん)
クラスで浮いた存在。蜘蛛になって現れてからはひょうきんで何でも話してしまう。

古瀬泰造(ふるせたいぞう)
S君の近所に住む老人。妻を先に亡くし、一人暮らし。腰が悪く、常に背中が曲がっている。

向日葵の咲かない夏 の簡単なあらすじ

ミチオは終業式の日にクラスメイトのS君が首を吊って死んでいる現場を目撃しました。ミチオはS君の死の真相を追い求めます。S君は自殺でした。しかもミチオが自殺をしてくれと頼んだからでした。蜘蛛になったS君は自殺を認められないミチオが現実逃避のために作り出した妄想だったのです。ミチオはそれらを指摘され、家に火をつけて全てを壊そうとし、家族を失います。

向日葵の咲かない夏 の起承転結

【起】向日葵の咲かない夏 のあらすじ①

終業式の日

ミチオは担任の岩村先生からの言いつけで終業式を休んだS君へプリントを届けることになりました。

S君の家に向かう道中でミチオは猫の死骸を発見します。

それは脚を折られ、口に石鹸を加えた死骸でした。

ミチオの住むN町で起こっている動物の連続殺害現場でした。

ミチオは怖くなってその場から一目散に逃げ出します。

そのままS君の家に着くと、老犬のダイキチが迎えてくれました。

しかしダイキチはミチオに威嚇の姿勢をとりました。

今までそんなことはなく、驚きつつもチャイムを鳴らします。

そこでS君が首を吊っているところをミチオは目撃してしまいました。

すぐさま学校に帰り、先生に報告をします。

岩村先生が警察と一緒にS君の家に向かいました。

ミチオは家に帰り、妹のミカと昼ご飯を食べて待ちました。

母親は仕事で疲れているのか、ミチオに興味がないのか奥で寝ていました。

そこに岩村先生が警察官と一緒に現れます。

そこで岩村先生は死体なんてなかったと説明しました。

ミチオは驚きます。

しかし死体らしきものがあった痕跡は残っていてS君が事件に巻き込まれたということは認められました。

ただ母親だけはミチオが嘘をついたと決めつけて、平手打ちをします。

ミチオは絶望しながら、この世界がおかしいと思います。

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【承】向日葵の咲かない夏 のあらすじ②

蜘蛛になったS君

ミチオは事件について分からないことだらけだったため、ミカと一緒にトコお婆さんに相談しにいきました。

トコお婆さんは呪文を唱えると何でも解決につながるヒントをくれます。

お婆さんは今回、臭いという言葉を残しました。

しかしミチオにはその意味がわかりません。

家に帰り、S君に返す予定だった作文の裏にバツ印が書いてあるのを見つけます。

しかしその暗号の意図も分かりません。

事件の解決に煮詰まったある日、窓から人の声がします。

それは蜘蛛でした。

しかしその蜘蛛から声がします。

その蜘蛛は自身をSだと名乗りました。

そこからS君を瓶に入れて一緒に生活を始めました。

事件について聞くとS君は岩村先生に殺されたと告白します。

そしてS君は身体を見つけてほしいとお願いします。

その後、S君の身体が家の庭で見つかります。

そこでS君の母親に話を聞くと、身体はダイキチが見つけてきたものでした。

しかもそこで母親からS君の危ない行動を聞きます。

そこで犬猫殺しの犯人がS君ではないかとミチオは疑います。

ミチオはS君のご近所さんである古瀬泰造も怪しいと追及します。

泰造は全てを告白します。

犬猫殺しはS君で、泰造は脚を折っていたことを認めます。

ミチオは家に帰ってS君をさらに追及しました。

そこでS君が観念し、全てを離そうとしたところで、蜘蛛のS君を潰し、ミカに食べさせました。

【転】向日葵の咲かない夏 のあらすじ③

ミチオが決めた物語

泰造は全てをミチオに話した後、仕事にために百葉箱のある森の中へと向かっていました。

警察への自首はその後に行こうと決めていました。

仕事を終え、戻ろうとする道の先にミチオの姿がありました。

ミチオは先の泰造の自白に嘘があると追及します。

犬猫の死体が生き返るのが怖いという理由で脚を折ったというのは嘘で、泰造はただ脚を折りたいという欲求からの行動でした。

それを目撃したS君が泰造に死体をプレゼントしていた、これが一連の犬猫殺しの真相でした。

地図にバツ印を付け、そこに向かうと犬猫が死んでいて、泰造が脚を折っていたのでした。

しかし最後のバツ印はS君の家にあり、泰造が向かうとS君が自殺していた。

今までの犬猫殺しがバレると思い泰造は死体を隠します。

しかし泰造は足が折れないという欲求不満から、懐いていた野良猫を殺し、脚を折ります。

それがミチオの大切なトコお婆さんでした。

トコお婆さんの生まれ変わりが猫になっていて、ミチオはその猫と会話をしていました。

泰造はミチオが手に持つ瓶にトカゲがいることを指摘します。

しかしミチオはトカゲではなく、ミカだと激怒します。

ミチオは包丁を持って泰造に襲いかかります。

一連のS君に関わる事件を全て泰造の罪にして終わらせようとします。

泰造は必死に逃げますが、あえなく捕まり、ミチオに殺されました。

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【結】向日葵の咲かない夏 のあらすじ④

ずっとみんなと一緒

ミチオはミカの餌を手に家へと帰ります。

S君の蜘蛛がいた瓶の中にカマドウマがいます。

それは泰造でした。

泰造は生まれ変わっていました。

テレビはS君の事件の続報を流していた。

一連の犯人は泰造ということになっています。

犬猫殺しも泰造、S君の事件も関与していて、最後は自殺をしたということになっていました。

泰造も全ての罪を認め、自殺という結果も受け入れていました。

そして終戦記念日の夜にミチオは全ての真相を泰造に語ります。

S君は自殺でした。

ただそれはミチオがお願いしてさせたことでした。

これまでの紆余曲折はミチオが自身の罪を認められないがために起こしたことでした。

泰造は母親のミチオへの態度も聞きました。

それはミチオが悪戯をしたせいで母親は階段から落ち、お腹の中の子も死んだからでした。

それ以来、母親はミチオに厳しい態度を取るようになったのです。

ミチオは全てを受け入れて、全てを壊すために家に火をつけました。

母親と父親に見られながら炎に包まれています。

しかしミチオは軽い火傷ですみました。

父親と母親もミチオとミカが無事だったことに安堵しています。

焼けた家の前で家族四人で会話をしています。

しかしそこにはミチオの人影しかありませんでした。

向日葵の咲かない夏 を読んだ読書感想

子供が主人公の話なのに描写は基本的にエグいです。

S君の首吊り場面は本当の出来事のような描かれ方でした。

主人公のミチオの周りにいるおかしな人たちや昆虫に振り回される形で物語は進んでいきます。

しかし最後になると一番狂っているのはミチオだと分かります。

それも現実逃避のためというのが子供っぽいですが、やっていることは残酷です。

この作品でいくつもの考察があるのはラストシーンですよね。

影が一つしかなくて、他の家族の影はないというのは焼け死んだというのが正しいと思います。

親戚に引き取られるというのもミチオだけが生き残ったということだと思います。

あの燃え盛る炎の中でどうやって生き残ったのかは分かりませんが、ミステリーとしてはかなりの面白い作品だと思いました。

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