「号泣する準備はできていた」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|江國香織

「号泣する準備はできていた」

【ネタバレ有り】号泣する準備はできていた のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:江國香織 2003年11月に新潮社から出版

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号泣する準備はできていたの主要登場人物

ユキムラ文乃(ゆきむら あやの)※苗字漢字不明
各国旅することに情熱をかける。お金が底をついたら日本に帰国し、ウェイトレスや工事現場の車の誘導係などの肉体労働で稼ぎ、また日本を飛び出していく生活を送っている。

隆志(たかし)
旅先のノーフォークのパブで出会い恋に落ちる。二人で日本に帰国してからも付き合っていたが、半年前に他の女と関係を持ち、同棲していたアパートから出ていく。

なつき(なつき)
文乃の七歳の姪。土曜日も仕事がある文乃の妹に代わり、文乃がなつきの習い事の付き添いをしている。近眼。

号泣する準備はできていた の簡単なあらすじ

大学を中退してからの十数年、アルバイトをしながら世界各国を旅することに情熱を注いできた文乃は、旅先のノーフォークで、運命の出会いをします。当時ノーフォークに住み着いてた隆志と意気投合し、すぐに恋愛関係に発展。一緒に日本に帰国し同棲をはじめますが、半年前、隆志は他に女を作り、家を出て行ってしまいました。悲しみのどん底に突き落とされた文乃でしたが、隆志との関係は今でも続いていて……。

号泣する準備はできていた の起承転結

【起】号泣する準備はできていた のあらすじ①

放浪

文乃は大学を中退してからの十数年、世界各国を旅することだけに情熱を注いできました。

日本でウェイトレスや工事現場の車の誘導、デリバリーなどの肉体労働で手っ取り早くお金を貯めて、自分で土地を選び旅に出るのです。

とは言っても、一人旅はけして楽しいものではありません。

暑さや寒さにうんざりし、孤独を苦痛に思い、滞在している間すっかり打ちのめされてしまうのが常です。

こんな場所には二度と来るまいと思いながら帰国して、しばらくするとまた旅に出たくなり、肉体労働をして資金を貯めるという生活を送っていました。

文乃は絶えず恋人はいましたが、縛られることが好きではないので未だに独身で、半年前に同棲していたアパートを恋人が出て行ってしまっても、変わらず同じアパートに一人住み続けています。

文乃にとって、恋人が他の女と関係を持ち、部屋を出て行ってしまったことは、とても悲しいことなのですが、それをおくびにも出しません。

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【承】号泣する準備はできていた のあらすじ②

隆志

半年前まで一緒に住んでいた隆志とは、旅先のノーフォークのパブで出会いました。

乱れた黒く豊かな髪に、がっしりとした体躯の隆志は、ノーフォークに住み着いていました。

二人は意気投合し、肉体関係を持ちます。

そして体の相性の良さに愕然とします。

隆志と体を重ねることは、文乃の人生の最大の驚きで幸福でした。

どん欲に貪り、もっともっと欲しくなり、きりもなく貪りたいと思う時には、自分は満ち足りているのだと気が付きます。

隆志にピタッと寄り添いながら、同胞に巡り合った喜びに胸がいっぱいでした。

一緒に日本に帰国して、すぐに同棲をした文乃たちでしたが、一緒に暮らしはじめると、あんなにあった恋愛感情が突然なりをひそめてしまいます。

そして隆志は、他の女と肉体関係を持ってしまい、その事実を正直に文乃に打ち明けると、アパートを出て行ってしまいました。

【転】号泣する準備はできていた のあらすじ③

恋の終わり

隆志の告白は文乃を打ちのめします。

しかし、実際文乃も隆志同様、他の男と寝ていました。

隆志が正直に打ち明けたとき、文乃は責め立てることはできませんでした。

『知ってるわ』とだけ言い、そんな文乃に隆志は『やっぱりな、そうだと思った』と弱弱しく笑い、『文乃には、なんでもわかられてしまう』と言います。

その時、文乃の心臓はさみしさのあまりねじれて、一部分死んでいくのをはっきりと感じました。

心も体も依然そこにあり存在し続けていて、隆志を前にするとめためたに弱くなってしまう自分自身に途方にくれる文乃。

隆志以外の男と寝ると、余計に隆志が恋しくなり、彼の代わりはいないのだと痛感します。

隆志は隆志で文乃のことは「特別な存在」として扱い、アパートを出て行った後も、ちょくちょく会い続けています。

こうする以外の方法が思いつかないのです。

今日は土曜日で、姪のなつきのバイオリン教室の付き添い後も、隆志と会う約束をしています。

毎週付き添いをしている文乃になつきも懐いており、今日は家に遊びに来てくれるのか聞いてきます。

なつきの住む家は、かつて文乃が妹や祖母と暮らしていた家で、現在祖母は亡くなり、妹となつき、旦那の三人で住んでいます。

なつきの母親(文乃の妹)は、歯科衛生士をしており土曜日でも仕事がある為、代わりに文乃が、バイオリン教室の付き添いをしているのでした。

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【結】号泣する準備はできていた のあらすじ④

フィッシュスープ

なつきは七歳ながらすでに近眼で、なつきには大きすぎる眼鏡をかけています。

バイオリン教室は電車に乗って向かいます。

なつきは文乃がするお話が好きで、よくせがんできますが、妹によると、文乃のお話は怖いものが多いので怯えているとのこと。

それでも文乃はその日も死神のお話をきかせました。

神妙な顔で聞いているので、怖がっているのか感情が読み取れません。

なつきがレッスンを受けている間、文乃は本を読んで時間を潰し、終わると二人で恒例のフルーツパーラーにピーチメルバを食べに行きます。

文乃はなつきに、なつきは弱虫か聞いてみます。

なつきは真剣な顔で考え、良いとも悪いとも思っていない様子で『ときどきは泣く』と答えます。

もっと強くなりたいか聞くと、なつきは『わかんない』と言い、そして『文乃ちゃんはつよいもんねえ』と返します。

文乃はいつか、なつきをパリに連れていきたいと思っています。

寒い冬に、熱く濃いフィッシュスープをなつきにのませたいと考えています。

海の底にいる動物たちの生命そのものみたいな味のするそれをのめば、悲しいことがあっても、動物たちに護られているから大丈夫だと思えるように。

なつきももう少ししたら恋をして打ちのめされる日がくるであろうことを、文乃は考えます。

そんな時、フィッシュスープをのんだことがある人は強いのだと自分に言い聞かせられるように。

隆志の残酷な誠実さを前にした時、自分は泣きだすべきだったのだと文乃は思います。

しかし、そんな時でも正気を保っていられた(ように見える)自分をほめてやりたいとも思うのです。

号泣する準備はできていた を読んだ読書感想

表題作の『号泣する準備はできていた』はじめ、順風満帆な結婚生活に疑問を持ってしまった主婦を描く『前進、もしくは前進のように思われるもの』や、離婚を決めた夫婦が、その事実を隠して夫の実家で団らんをする『溝』、幸せな家庭をもったことで、かつての自由な自分を手放した『こまつま』、もう愛しても愛されてもいない旦那の母親とする旅行する『洋一来られればよかったのにね』などが収録された短編集です。

どの女も気高く優雅でいて孤独です。

そして、フィッシュスープやフルーツパーラーのピーチメルバなど美味しそうな食べ物が登場するのも魅力の一つ。

文乃のように強くならなくてもいいから、フィッシュスープを一度食べてみたいと思う私です。

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