「明るい夜に出かけて」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|佐藤多佳子

「明るい夜に出かけて」

【ネタバレ有り】明るい夜に出かけて のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:佐藤多佳子 2016年5月に新潮文庫から出版

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明るい夜に出かけての主要登場人物

富山一志(とみやま かずし)
主人公。人間不信に陥ったため、大学を休学してコンビニでフリーター生活を送っている。ラジオ番組が好きで、昔はハガキ職人をしていた。

佐古田(さこだ)
女子高生。「虹色ギャランドゥ」というペンネームでラジオ番組に投稿している。

鹿沢(かざわ)
富山と同じコンビニでフリーターをしている歌い手。プロではないものの、ファンが多い。

永川(ながかわ)
富山の高校の同級生。ラジオが好きだが、高校時代に富山のペンネームを騙ってトラブルを起こす。

明るい夜に出かけて の簡単なあらすじ

人間不信の富山は、人と接触するのが苦手で頻繁にトラブルを起こしてしまいます。そんな富山の唯一の趣味が、ラジオを聞くことです。ある日、富山が働くコンビニに、ラジオのリスナーでハガキ職人の佐古田が来店します。佐古田との出会いが、富山を少しずつ変えていくのです。

明るい夜に出かけて の起承転結

【起】明るい夜に出かけて のあらすじ①

富山の絶望

心の病で大学を休学している富山は、一年間休学してコンビニで働いています。

まだ新人ですが、先輩の鹿沢は優しくしてくれて、業務内容も少しずつ慣れてきました。

しかし、接客で人と接触するのに抵抗感を持つ富山は、時折トラブルを起こしてしまいます。

おつりを渡す動作がうまくできなかったり、人の目を見れなかったり、挙句の果てには、富山に軽くボディータッチをした女性客を思わず突き飛ばしてしまうのです。

そんな自分にもうんざりしている富山は、人生に絶望していました。

そんな富山の唯一の支えは、ラジオ番組「アルコアンドピースのオールナイトニッポン」でした。

この番組は、リスナーからのメール投稿とお笑い芸人アルコアンドピースの絶妙な掛け合いで進行していきます。

以前、富山は有名なハガキ職人として活躍していましたが、トラブルにより現在は活動中止中。

しかし、やはりラジオの面白さに我慢ができず、ペンネームを以前とは変えて、少しずつ投稿を再開しているのでした。

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【承】明るい夜に出かけて のあらすじ②

佐古田との出会い

ある日、富山が働くコンビニに、女子高生がやってきます。

漫画雑誌をひたすら立ち読みする彼女に苛立ちを覚える富山ですが、特に女性を苦手とするために声をかけることができません。

しかし、レジにやってきた彼女の手に、漫画本を止めていた輪ゴムが止まっていたことから、注意せざるを得なくなったとき、富山は彼女のリュックについた缶バッチに気が付きます。

その缶バッチは、アルコアンドピースのラジオで最高ランクの投稿をした人に贈られるものだったのです。

しかも、彼女は二つもそれを持っていました。

あまりの予想外のことに、富山は声をあげてしまいます。

このことがきっかけで、富山と彼女は親しくなります。

彼女は、佐古田という名前で、「虹色ギャランドゥ」というペンネームでハガキ職人をしているのでした。

佐古田は常に金欠で、身なりにも気を使わないので、富山は服を買ってあげたり、美容師を紹介したりと、何かと世話を焼いてしまうのでした。

【転】明るい夜に出かけて のあらすじ③

友情

佐古田が頻繁にコンビニにやってくるようになると、コンビニの先輩の鹿沢も佐古田にかまうようになります。

富山と違って、女性と自然に交流できる鹿沢を見て、富山は少しの嫉妬を覚えます。

またそのころ、富山の同級生である永川もコンビニに遊びにきます。

富山は、以前は有名なハガキ職人でしたが、トラブルに巻き込まれた際に本名や写真などをネットに拡散されるという過去を持っているので、最低限の人間にしか自分の本名を教えていませんでした。

もちろん、佐古田にも。

しかし、永川は佐古田に富山の本名を教えてしまいます。

佐古田は、富山の本名を知っていました。

佐古田は昔、富山がハガキ職人を熱心に行っていたとき、富山にあこがれていたのです。

富山がトラブルに巻き込まれ、活動をやめてから、佐古田はいつか富山に会いたいと思いながらハガキ職人の活動をしていたのでした。

思いもかけず、偶然出会った人が自分の憧れの人だったことを知り、佐古田は驚愕します。

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【結】明るい夜に出かけて のあらすじ④

別れの時

富山、佐古田、鹿沢、永川は次第に距離を深めていき、人間不信だった富山もこのメンバーの中でなら自分の居場所を見つけられるようになっていきます。

しかし、富山がコンビニで働けるのは一年間だけ。

富山の復学の時期が迫ってきました。

そしてちょうどそのころ、富山たちが大好きなアルコアンドピースのラジオが改変の時期を迎えます。

もしかすると、このラジオは打ち切りになってしまうかもしれない、そんな噂がネット上に出てきました。

それに加えて、アルコアンドピースの二人も、ツイッターなどでネガティブな投稿をするようになります。

富山たちリスナーはどんどんネガティブになっていきました。

そんな時も、鹿沢はみんなを優しく励ましてくれました。

そしてラジオの編成の結果は、時間帯変更と放送時間の縮小でした。

降格というかたちになったものの、打ち切りにならずみすんで、富山たちはほっとします。

富山は、この騒動のなかで、ラジオに関わる仕事に就きたい、という思いを強め、将来に向けて少し前向きになれたのでした。

明るい夜に出かけて を読んだ読書感想

主人公は鬱々とした性格ではありますが、周りのぶっ飛んだキャラクターに引っ張られて、コメディのような後味のある物語でした。

加えて、アルコアンドピースのオールナイトニッポンという、実在するコンビや番組を扱っているので、ラジオリスナーであればかなり楽しめると思います。

私はラジオは全く聞かないので、わからないネタもたくさんありましたが、興味は沸いたので、今度聞いてみようと思います。

登場人物は、うざったいキャラクターが多いので、感情移入はしづらいかと思いますが、さらっと読める青春物語です。

難しく考えなくていいので楽に読めました。

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