「菊葉荘の幽霊たち」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|角田光代

「菊葉荘の幽霊たち」

【ネタバレ有り】菊葉荘の幽霊たち のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:角田光代 2003年5月に角川春樹事務所から出版

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菊葉荘の幽霊たちの主要登場人物

本田典子(ほんだのりこ)
ヒロイン。25歳。仕事を馘になって現在では無職。

吉元(よしもと)
典子の高校時代のクラスメイト。フリーター。

石渡(いしわたり)
菊葉荘の4号室の住人。サラリーマン。

蓼科友典(たでしなとものり)
菊葉荘の5号室の住人。大学生。

四十女(よんじゅうおんな)
菊葉荘の6号室の住人。OL。

菊葉荘の幽霊たち の簡単なあらすじ

無職の本田典子は高校時代からの知人・吉元の部屋探しを手伝っていましたが、一向に引っ越し先が決まりません。ようやくふたりは郊外の駅の小さな商店街の外れにある平屋建てアパート、菊葉荘を見つけますが既に6つの部屋は埋まっています。諦めきれない吉元は典子を巻き込んで、住人を追い出すための奇妙な行動に打って出るのでした。

菊葉荘の幽霊たち の起承転結

【起】菊葉荘の幽霊たち のあらすじ①

ぶらり物件先探しの旅

勤め先を解雇されて時間が有り余っている本田典子は、 高校の頃の同級生・吉元の部屋探しに付き合っていました。

夏に大家から退去を迫られた吉元は不動産まわりを続けていましたが、引っ越しシーズンの9月が過ぎた現在でも希望物件は見つかりません。

いつものようにふたりで電車に乗って、窓から景色を眺めて降りたい駅で下車します。

その日典子たちが歩いたのは、各駅停車しか止まらない小さな駅です。

ロータリーからは「大学通り」と看板が出た商店街が広がっていました。

吉元は豆腐屋の角を曲がった先に佇む、「菊葉荘」という名前の木造平屋アパートが気に入ったようです。

入り口に入って右側の1号室には「P」、 その向かいの2号室には「?」、奥に進んだ右手の3号室に「小松」、 向かい4号室に「石渡」、 一番奥の右端5号室が「蓼科」、 左端6号室が「四十女。」

6つの部屋は既に表札が設置されていて満室でしたが、吉元は誰かひとりを追い出してここに入居すると宣言します。

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【承】菊葉荘の幽霊たち のあらすじ②

5号室に転がり込む典子と吉元の幽霊作戦

アパートの敷地内にある駐車場に停められていたシビックの影に隠れて、典子は菊葉荘にどんな人が住んでいるのか見張っていました。

午前9時過ぎに5号室「蓼科」から若い男性が出てきたので、典子はコッソリと跡をつけてみます。

彼が向かった先は住宅街を抜けたところにある、無名の私立大学です。

キャンパス内に侵入した典子は1日中男を追いかけた末に、学生たちの飲み会に参加することが出来ました。

隣りの席でお酒を飲んでフルネーム「蓼科友典」を聞き出した典子は、そのまま5号室までお持ち帰りされてしまいます。

なし崩し的に蓼科と同棲することになった典子は、それと無く彼に引っ越しを薦めてみましたがまるで相手にされません。

吉元が思い付いたのは祖母から借りた白装束を身に纏って、「幽霊」になって菊葉荘の廊下を徘徊することです。

幽霊にもお隣さんにも興味を示すことのない蓼科は、大家が居ないため自由気ままなこの部屋がお気に入りのようです。

【転】菊葉荘の幽霊たち のあらすじ③

下着泥棒に手を染める典子と無関心な菊葉荘の人々

蓼科が朝から大学へ行った後に典子が見たのは、1番奥の6号室「四十女」から出勤した女性の姿です。

女の部屋の洗濯ハンガーには、細々とした衣類や小物が干してありました。

典子は黒地にひまわりがプリントされたショーツを洗濯バサミから外して、5号室の造り付けの棚の中に突っ込んでおきます。

四十女が下着がなくなったと騒ぎ立てて警察が菊葉荘をしつこく調べ始めたら、流石の蓼科もここを引っ越していくでしょう。

午後8時前に彼女は帰宅して洗濯物を取り込んでいましたが、一向に騒ぎが起きることはありません。

蓼科の話では、四十女は3号室「石渡」と深い仲のようです。

石渡とは典子も廊下で挨拶する機会があり、40歳前後でスーツ姿の小ざっぱりとした男性でした。

ある時に3号室の前で見知らぬ若い女性が立っていたために、典子は出まかせを言って彼女を挑発します。

部屋の前で修羅場を演じてみましたが、住人は自室に引きこもったままで誰ひとり出てくることはありません。

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【結】菊葉荘の幽霊たち のあらすじ④

消えた吉元と幽霊の中に溶け込んでいく典子

言い出しっぺの吉元とは最近になって連絡が取れない状態が続いていて、典子の電話にも出ることなくアルバイト先のCDショップにも出勤していません。

不安になった典子は、立ち退きを迫られているという彼のアパートを訪ねてみます。

高齢の大家を説得して合い鍵で中に入りましたが、部屋はもぬけの殻です。

典子は僅かに残った吉元のレコードコレクションや衣類を段ボールの中に詰め込んで、カートに乗せて運びながら菊葉荘を目指しました。

このアパートに来て以来1度も家主の姿を見たことがない2号室に、典子はカートを引きずりながら勝手に足を踏み入れます。

誰もいない部屋の中に響き渡ったのは、長いこと典子を待ちわびていたかのようなミシミシとした小さな音です。

平日の午後2時、廊下は静かで住人たちの気配は微塵もありません。

6つに区切られた場所に姿のない幽霊を住まわせているような菊葉荘の中で、典子は大きく息を吸い込んで畳の匂いを嗅ぐのでした。

菊葉荘の幽霊たち を読んだ読書感想

ある日突然に降り立った縁もゆかりもない土地のノスタルジックなアパートへ、住民を追い出してまで引っ越しをしようとする吉元の決意には驚かされました。

白ずくめの服装で幽霊のふりをして、廊下を延々と歩き回るシーンには笑わされます。

大して好きでもない男のために、大学生のふりをしてまでアパートの一室に転がり込むヒロインの本田典子の胸の内はサッパリ理解できません。

全編を通して突拍子もない行動をとるキャラクターたちと、一向に進展することのないストーリーが不思議な味わいです。

それぞれの部屋で自分だけの世界に閉じこもる、6人の謎多き人々が心に残りました。

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