監督:ティム・バートン 2007年12月にワーナーから配給
スウィニートッドの主要登場人物
ベンジャミン・バーカー / スウィーニー・トッド
物語の主人公で腕の良い理髪師。美しい妻ルーシーと娘ジョアンナと共に幸せな生活を送っていたが、悪徳な判事ターピンによって妻を奪われ、オーストラリアへの流刑となる。15年後に脱獄し、フリート街に戻り、スウィーニー・トッドとして新たな生活を始め、ターピンへの復讐を果たすことを目論む。
ラヴェット夫人(英語版)
バーカーの店があった場所で売れないパイ屋を経営する女性。後に店の2階をトッドの理髪店に貸し出し、トッドとの共同事業で人肉パイで繁盛する。トビーと共に新しい生活を夢見るが、物語が進む中で悲劇に見舞われる。
スウィニートッド の簡単なあらすじ
美しい妻と幸せな生活を送る理髪師ベンジャミン・バーカーは、不正な手段で妻を奪われ流刑に。
15年後、復讐を誓いスウィーニー・トッドとして戻る。
共犯のラヴェット夫人と人肉パイ店を営み、復讐と運命に翻弄されるヴィクトリア朝のダークホラー。
トッドはターピン判事を追い詰め、愛する娘ジョアンナを救うため奮闘するが、復讐の果てに悲劇が続く。
絶望と裏切りが渦巻く中、トッドの最後の選択が物語の結末を描く。
ダークで壮絶なミュージカル映画。
スウィニートッド の起承転結
【起】スウィニートッド のあらすじ①
舞台はヴィクトリア朝中期のロンドン・フリート街。
ティム・バートン監督の特有な映像美と独創的な世界観が、彼の作品に独自の雰囲気を与えています。
『スウィーニー・トッド フリート街の悪夢』もその一環で、憂鬱で荒涼としたロンドンの舞台設定が、物語に深い陰影と独特の雰囲気をもたらしています。
バートン監督の映画はしばしばゴシックで幻想的な要素を含み、登場人物やセットデザインがその雰囲気を一層引き立てています。
彼の映画は視覚的な美しさと不気味な魅力が共存し、観る者にユニークでワクワクする幕開けです。
ベンジャミン・バーカー(ジョニー・デップ)は美しい妻ルーシーと幸福な生活を送っていたが、治安判事ターピンにより無実の罪でオーストラリアに流される。
15年後、脱獄したバーカーはスウィーニー・トッドとして帰国。
理髪店を営みながら妻と娘の消息を追う。
同じ頃、船乗りアンソニー・ホープは恋人ジョアンナとの再会を夢見ていた。
一方、バーカーの店の2階を借りていたラヴェット夫人は人肉パイ店で商売繁盛。
物語は謎めいた陰謀に覆われつつ、暗転へと向かう。
【承】スウィニートッド のあらすじ②
スウィーニー・トッドの復讐計画は曲折を迎える。
ターピン判事への失敗からくる挫折感と怒りが彼を襲う中、アンソニーはジョアンナを見つけ、トッドの理髪店で再会する。
しかし、トッドの復讐心は収まるどころか募り、彼は偽理髪師ピレリとの髭剃り競争で勝利し、更なる復讐の機会を窺う。
復讐に敗れたトッドは、激しい怒りと失意に囚われ、理髪店での生活に絶望する。
一方で、アンソニーはジョアンナを探し求めるが、彼女はターピンによって精神病院に閉じ込められてしまう。
この間、トッドの店ではラヴェットが、犠牲者の肉を利用して人肉パイを製造・販売するようになる。
彼女はトビーとともに新しい生活を夢見るが、トッドの怒りの嵐が彼女たちにも及びつつあった。
一方で、ジョアンナの窮状を知ったアンソニーは彼女を救出しようと奮闘する。
しかし、トッドの復讐心によって次第に狂気に染まるフリート街の様子は、物語に深刻な陰鬱さをもたらす。
アンソニーとジョアンナの愛も、徐々に運命への逆境に直面していく。
【転】スウィニートッド のあらすじ③
トッドの復讐劇はエスカレートし、彼の理髪店は殺人の舞台となる。
アンソニーとジョアンナの駆け落ち計画も妨害され、トビーがトッドの秘密を知ってしまう。
一触即発の状況の中、トッドはますます狂気にとらわれ、愛する者たちを次々と失いながらも、復讐への執念を貫く。
ラヴェットは人肉パイで大繁盛し、トッドとトビーとの新しい生活の夢を抱く。
しかし、トッドはその夢に乗り気ではなく、店の周りには不気味な女性が現れ、ラヴェットはトビーを使って彼女を追い払う。
アンソニーがジョアンナの居場所を突き止め、トッドにアドバイスを求めるなか、トッドはターピンへ手紙を出し、アンソニーとジョアンナの駆け落ち計画を利用して彼を引き寄せようと画策する。
一方で、トビーはラヴェットの小銭入れを見つけ、トッドがラヴェットを殺したことに気付く。
混乱するトビーに対し、ラヴェットは彼を守ろうとするが、トビーは狼狽してしまう。
そんな中、バムフォードが異臭の訴えを伝え、トッドは彼を招き入れて殺害する。
トッドは仕掛け扉を利用してバムフォードの遺体を地下に隠すが、同時にトビーはトッドの残忍な行いを知る。
一方で、アンソニーはジョアンナを救出し、トッドの店に連れて行くが、そこには未知の女性がバムフォードの後を追って現れ、ジョアンナは危険を感じて店のトランクに隠れる。
女性はトッドに話しかけようとするが、トッドは容赦なく彼女を殺し、遺体を地下に隠す。
物語はますます陰鬱な展開を迎える。
【結】スウィニートッド のあらすじ④
!【結】物語は壮絶な結末へと向かう。
再び店を訪れたターピンに対し、トッドは妻ジョアンナが後悔していたと嘘をつき、髭剃りを申し出る。
しかし、ターピンがトッドの正体を知り、彼がベンジャミン・バーカーであることを悟る。
怒りに燃えるトッドはターピンを何度も切りつけて殺害し、遺体を地下に隠す。
一方で、トランクから顔を出していたジョアンナは、トッドの手にかけられそうになるが、ラヴェットの悲鳴が彼女を救う。
悲鳴の原因を追い、地下に向かったトッドはショッキングな事実を知る。
先ほど殺した女性が、死んでいるはずの妻ルーシーであることに気付く。
ラヴェットの嘘に怒り燃え立ったトッドは、妻の亡骸をオーブン窯に放り込んで殺し、その亡骸を腕に抱く。
そして、下水道に逃げ込んでいたトビーが戻ってくる。
トビーはトッドに対し剃刀でのどを掻き切る決断を下す。
トッドは静かに受け入れ、ルーシーの亡骸を抱いたまま、首から流れる血とともに息を引き取る。
物語は血塗られた結末を迎え、陰鬱な雰囲気が最終幕を閉じる。
スウィニートッド を観た感想
「スウィーニー・トッド」は陰鬱な雰囲気と意外な展開が共存する作品で、バッドエンドに驚かされました。
ティム・バートン監督らしい独特な世界観と、ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーターらの演技が素晴らしく、不気味でありながらも引き込まれる作品です。
音楽も印象的で、悲劇的なエンディングが深い感動を与えました。
怖さと興奮が入り混じり、魅了される一作です。
ティム・バートンらしい世界観も好きな人にはたまらないのではないでしょうか。
陰鬱なロンドンという舞台もぴったりで、ミュージカル調の映画ですがとても見やすくて時間があっという間でした。
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