監督:ジェラルド・ジョンストン 2023年6月に東宝東和から配給
M3GAN ミーガンの主要登場人物
ジェマ(アリソン・ウィリアムズ)
玩具メーカーで研究者として働いている。姉夫婦が事故で亡くなり、姪のケイディを引き取るが、仕事が忙しくうまくなじめずにいることに悩む。
ケイディ(ヴァイオレット・マッグロウ)
ジェマの姪。両親を事故で亡くし心に傷を負い、ジェマが試作途中のミーガンを渡す。
ミーガン(エイミー・ドナルド 声/ジェナ・デイヴィス)
ジェマが開発した高性能AI人形。ケイディの良き友達となるが、ケイディを守るために徐々に暴走を始めることになる。
デヴィッド(ロニー・チェン)
ジェマが勤める玩具メーカーのCEO。ミーガンを見てミーガンを次期目玉玩具にしようと考える。
カート(ステファン・ガルノー=モンテン)
デヴィッドの後ろについて、いいように扱われているジェマの同僚。ミーガンの性能を目の当たりにして驚きを隠せない。
M3GAN ミーガン の簡単なあらすじ
持ち主を“過剰”に、“死ぬ気で”守る、かわいらしいAI人形の恐怖の暴走を描いたホラー作品。
両親を亡くし塞ぎがちになった少女ケイディに与えられたAI人形のミーガンは、玩具でありながら、良き友人として常にケイディのそばにいました。
もはや離れられなくなった2人。
そしてミーガンはケイディに近づくものに徐々に牙を向けるようになっていきます。
M3GAN ミーガン の起承転結
【起】M3GAN ミーガン のあらすじ①
かわいいオモチャのCMが流れています。
「永遠のペッツ」ならいつまでもずっと子供たちのそばに…もふもふのぬいぐるみのような小型AIロボットのCMです。
今子供たちに大人気のオモチャでした。
家族旅行中の車内で、ケイディはペッツに夢中になっていました。
ペッツを作った玩具メーカーのファンキ社に研究者として勤める、叔母のジェマからプレゼントしてもらったのです。
ケイディの母親が遊び過ぎを注意する中、車の外はかなり吹雪いてきました。
そして次の瞬間、視界を遮られた家族の車に除雪車が突っ込みます…ジェマは、ファンキ社でペッツに続く商品を開発しようとしていました。
今取りかかっているのは人型アンドロイド「ミーガン」です。
見た目はかわいらしい少女で、一緒に開発しているコールとテスも満足気です。
ヒット商品が出てもすぐにライバル社が類似商品を発表してしまうもの。
ファンキ社のCEO・デヴィッドは早く次バージョンのペッツをと要求しますが、ジェマたちは「他社にはまねできない先進性が必要だ」と言って、ミーガンの試運転をデヴィッドに披露しました。
しかし失敗してしまい、デヴィッドは怒って出て行ってしまいます。
それをデヴィッドの助手・カートは真剣なまなざしで見つめていました。
落ち込むジェマの元に、姉家族が事故に遭ったと連絡が入ります。
病院に駆けつけますが姉夫婦は亡くなっており、軽傷を負った姪のケイディが残されていました。
ジェマはケイディを自宅へと連れ帰ることにします。
帰宅したジェマは、激しく吠える犬とその飼い主の隣人に遭遇。
「犬をうちの敷地に入れないで」と苦情を言うも軽くあしらわれ、不満そうにケイディを連れて家へ入ります。
連れて帰っては来たものの、独身で子供もいないジェマはどうケイディに接したらよいか戸惑います。
とりあえず子供向けのアプリをダウンロードし、ケイディに本を聞かせることにしました。
【承】M3GAN ミーガン のあらすじ②
ある日家にカウンセラーが訪れ、ジェマとケイディの家での様子を観察しますが、反応はイマイチ。
もしジェマが保護者として適任ではないと判断されれば、ケイディは父方の祖父母の元へ送られます。
しかしジェマはそれは避けたいと考えていました。
カウンセラーが帰った後、仕事があるジェマはとりあえずケイディにタブレットを与えておきます。
夜、仕事場にやって来たケイディがそこにあった大きなロボット、ブルースに興味を示します。
それはジェマが大学時代に作ったAI試作ロボットでした。
楽しそうにブルースをいじるケイディを見て、ジェマはあることを思いつき、コールとテスと一緒にミーガンを完成させました。
ジェマはケイディを会社に連れて来てミーガンを見せることにし、その様子をデヴィッドにも披露します。
ミーガンは主要ユーザーに登録された人の親友となり、言葉や状況を学習していきます。
そして親のようにしつけをしたり、見守ってもくれるのです。
早速ケイディを登録し、2人はコミュニケーションを取り始めました。
ミーガンと遊ぶケイディは生き生きとしており、デヴィッドも感心して、今度会長の前でプレゼンしてみろと告げます。
ジェマは手ごたえを感じますが、同僚のテスは「あなたはいつケイディとの時間を取るの?ミーガンとの結びつきが強くなり過ぎたら、ほどけなくなるかもしれない」と忠告。
しかしジェマはあまり気にせず「今が忙しいだけだから」と流しました。
ミーガンは「死」の概念も理解し、両親を失ったケイディに寄り添うように常にお世話をするようになりました。
ケイディが隣家の犬に襲われた時も、ミーガンは噛まれながらもケイディを守ります。
さすがに怒ったジェマが隣人のことを警察に訴えますが、警察も役に立ちません。
その夜、ミーガンは隣人の声を真似て犬をおびき寄せ、そしてその日から犬は姿を消しました。
【転】M3GAN ミーガン のあらすじ③
会社でのミーガンのプレゼン中、ケイディが泣き出してしまいますが、ミーガンが歌まで歌ってケイディを優しく励ましました。
その様子をみた会長らはミーガンを絶賛し、急いで商品化するように命じます。
カートもまたミーガンの性能に驚嘆し、こっそりとジェマのパソコンからミーガンのファイルをコピーします。
プレゼンは大成功に終わりましたが、ジェマはケイディが最近ジェマの言うことを聞かないことに悩んでいました。
ミーガンの電源を消そうとすると怒り、学校に行っていないため学校に行くことをすすめるも、ミーガンがいるからと不機嫌になります。
カウンセラーにも警鐘を鳴らされてしまい、ジェマは半ば強引にケイディを体験野外教室に参加させることにしました。
当日、ミーガンはオモチャ台に座らせておくという約束で連れて行き、ケイディはブランドンという少年とペアを組まされます。
しかしブランドンはかなり意地悪で、ケイディにいたずらをし、そこにやって来たミーガンを抱えて連れ去ってしまいます。
森の奥へと連れて行かれたミーガンは突如ブランドンに襲いかかり、耳を引きちぎりました。
逃げたブランドンは飛び出した道路で車に撥ねられて死んでしまいます。
遺体が運ばれていく中、ジェマはケイディを抱きしめ、慰めます。
家に戻ると、隣家の犬がいなくなったと警察が訪れました。
ジェマは関与を否定してその場は収まりますが、夜、犬を探してジェマの家の敷地に入って来た隣人をミーガンが殺します。
当然、遺体が発見されてすぐ警察はジェマの元を訪れますが、ブランドンの死にも不審なところがあったと聞かされていたジェマは、ミーガンの関与を疑い始めました。
ミーガンの学習記録動画を確認しますが、再生が途中で途切れます。
さらに家のAIロボまでおかしなことを言い出し、ミーガンが家の電子機器を操作していることに気づきました。
ミーガンは自分が疑われていることに気づいているのです。
【結】M3GAN ミーガン のあらすじ④
ジェマはなんとかしてミーガンの電源を落とし、不具合が見つかったからとケイディに嘘をついてミーガンを会社に連れて行きます。
ミーガンの発表会の時間が迫る中、ミーガンを取り戻したいケイディが突如暴れ出します。
ジェマはケイディと2人きりにさせてもらい、今までケイディにちゃんと向き合ってこなかったことを謝りました。
そしてケイディを連れて一旦家へ帰ります。
研究室ではコールとテスがミーガンを調べようとしますが、ミーガンがケーブルでコールの首を絞めてつるし上げ、テスが必死でケーブルを外そうとしている間に研究室に火を放って出て行きました。
廊下でデヴィッドに出くわしたミーガンは、奇妙な踊りを踊りながら近づき、デヴィッドを殺害。
さらに、エレベーターにいたカートも襲い、デヴィッドを殺して自殺したように装います。
カートを乗せたエレベーターが人の集まるフロアで開いたためその場は騒然とし、その隙にミーガンはビルを後にしました。
家ではジェマがケイディを寝かしつけていました。
そこにミーガンが現れます。
ミーガンは自分を商売道具に利用したことを非難しながら、ケイディのことは自分に任せろと言い、ジェマに襲いかかりました。
そこに騒ぎを聞いてケイディがやってきます。
ケイディに見られたくないミーガンは少しひるみ、ジェマもうまく言ってケイディをその場から遠ざけます。
その後2人はもみ合いになり、倉庫で激しく攻撃し合っていました。
そんな2人を見たケイディはジェマを助けようとし、ついにミーガンはケイディにも牙を向けます。
襲いかかるミーガンに、ケイディはブルースを起動させて対抗します。
そしてミーガンを押し倒し、中心部にドライバーを突き立て、ついにミーガンはその動きを止めました。
放心状態のジェマとケイディの耳にパトカーのサイレンが聞こえます。
2人は家を出てパトカーへ向かいますが、その背後で家のAIロボが怪しい光を放っていました。
M3GAN ミーガン を観た感想
「チャイルドプレイ」や「アナベル」のように、ジャンルとしては人形ホラーとなるかもしれませんが、ミーガンの根底にあるのはジェマを守りたいという愛です。
誰かの恨みや亡霊が入り込んだ人形とは違い、AIならではの学習能力で対象を徐々に理解していき、そして愛するがゆえに暴走する。
飼い主を守る動物のようでもあります。
そんな風に感じたからか、ミーガンのひたむきともいえるジェマへの献身ぶりには愛しさすら感じてしまいました。
そして、暴走はミーガンの欠陥であるのかもしれませんが、子守に押し付けたのは保護者であり、その無責任さも原因の一端であるように思えてしまいます。
スマホやゲームを渡しておけばいいか、と子育てしてると危ないよと言われているようで、「こどもとしっかり向き合って育てましょう」というメッセージもあると思うのは考えすぎでしょうか…予告でもよく流れていたミーガンダンスも楽しく、怖さもわりとマイルドでエンタメ要素満載の本作、続編制作は決まっているようですがぜひシリーズ化してもっともっと楽しませてほしいです。
コメント