映画「名探偵コナン 漆黒の追跡者」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|山本泰一郎

映画「名探偵コナン 漆黒の追跡者」

監督:山本泰一郎 2009年4月に東宝から配給

名探偵コナン 漆黒の追跡者の主要登場人物

江戸川コナン(演:高山みなみ)
本作の主人公で、本来の姿は高校生探偵の工藤新一です。黒の組織に飲まされた薬の副作用で、小学生の姿になっています。

毛利蘭(演:山崎和佳奈)
本作のヒロインで、新一の幼馴染です。空手の関東大会で優勝する腕前です。

毛利小五郎(演:神谷明)
蘭の父親兼コナンの保護者で、「眠りの小五郎」の異名を持つ私立探偵です。元は刑事で、広域連続殺人事件の特別顧問として警視庁に招かれます。

灰原哀(演:林原めぐみ)
元黒の組織の一員で、コナンが飲まされた薬の開発者です。コナンの正体を知っています。

アイリッシュ(演: 幹本雄之)
本作のキーパーソンで、ジンと同格の黒の組織の幹部です。金髪の男で、ピスコを父親のように慕っていました。

名探偵コナン 漆黒の追跡者 の簡単なあらすじ

東京近県を中心に広域連続殺人事件が発生します。

手掛かりは、縦線とアルファベットが書かれた麻雀牌と6人目の被害者が残した「七夕、きょう」という言葉のみです。

さらに、捜査線上に組織の影が浮かび上がり、コナンの正体に気づかれます。

誰が敵で誰が味方か、疑心暗鬼に駆られながら、コナンVS黒の組織の宿命のバトルが始まります。

名探偵コナン 漆黒の追跡者 の起承転結

【起】名探偵コナン 漆黒の追跡者 のあらすじ①

組織の影とコードネーム「アイリッシュ」

東京・神奈川・静岡・長野で計6人が殺害される事件が起こりました。

どの現場にも縦線とアルファベットが書かれた麻雀牌が残されていたことから、同一犯もしくは同一組織による広域連続殺人事件と認定されます。

警視庁で各県警の刑事を集めて合同捜査会議が開かれ、特別顧問として小五郎も参加する事になりました。

事件のうち5件はスタンガンを使って拉致され、別の場所へ移してから刺殺されたもので、6人目の犠牲者は死の前に「七夕、きょう」という言葉を言い残していました。

麻雀牌は1つが一筒、ほかは七筒で、それぞれ別の位置の丸が1つずつ赤く塗られており、被害者は所持品が1つずつ持ち去られています。

会議終了後、コナンは山村警部がトイレで童謡「七つの子」に聞こえるプッシュ音を耳にしたことを聞きます。

これは黒ずくめの組織のボスのメールアドレスを示すもので、それを打った刑事がジンの車である黒のポルシェ356Aで去ったことから、コナンは捜査会議に組織の人物、おそらく変装の達人であるベルモットが紛れ込んでいたことを確信します。

七夕前日の7月6日、米花町に現れた容疑者の1人が逮捕されますが、その現場には変装したベルモットもおり、それを見抜いたコナンは彼女を追い、組織が今回の殺人事件を追う理由を追求します。

ベルモットによると、被害者の中に一般人を装った組織の工作員がおり、犯人に持ち去られた所持品の中に工作員のリストが収められたメモリーカードが入っていたため、組織は警察より早く犯人を押さえてそれを取り戻すのが目的だと言います。

それを聞いたコナンは事件の捜査員の中に別の組織の一員を潜入させていると気付き、ベルモットからはコードネームが「アイリッシュ」であると教えられます。

捜査会議には、警視庁や各県の顔見知りの警察官たちや、埼玉県警の荻野彩実警部らが居り、誰に変装しているのか分かりません。

【承】名探偵コナン 漆黒の追跡者 のあらすじ②

七夕と京都

ある人物から「犯人に心当たりがある」という通報が警察に入りますが、その人物は組織や警察が到着する前に犯人に拉致されてしまいました。

犯行現場を見た佐藤刑事は、現場へ向かう途中に自動車の両輪が同時にパンクしたこともあり、犯人以外になんらかの組織が動いていることや、内通者の存在を懸念します。

一方、捜査員の中に潜入したアイリッシュは、先の「七つの子」やポルシェに反応したコナンの行動に疑問を持ちます。

そして、コナンと新一の指紋を照合し、彼らが同一人物であるという確信を得ます。

コナンもまた自身の正体が露見したことに気づき、学校を休んで人との関わりを最低限にして行動します。

通報した人物が7人目の犠牲者として発見される中、「きょう」が「京都」と言いかけたものである可能性に気付いたコナンは平次の協力で、被害者たちが一昨年の七夕に京都のホテルで火事に遭ったことを突き止めます。

その火事では本上なな子という人物が死亡しており、なな子がそのホテルの7人乗りのエレベータから追い出されたために逃げ遅れたことが原因です。

そしてこのホテルにはもう一人、彼女の恋人であり、同じくホテルに泊まっていたものの外出していたため難を逃れた水谷浩介がいました。

この事実から、コナンは彼が復讐企ててこの連続殺人事件を起こし、麻雀牌の縦線はエレベータの扉、印はエレベータ内の人物配置を意味すると推理します。

その後、なな子の実家を訪ねたコナンは、彼女の兄の和樹から、水谷が「許せない者が8人、まだ1人残ってます」と言っていたことを聞きます。

また、水谷となな子に星を見る趣味があったことから、犯行現場が北極星と北斗七星を描いていることに気付いたコナンは最後の現場になる東都タワーを訪れ、小五郎も一歩遅れてそのことに気づき、警察もそちらへ向かいます。

【転】名探偵コナン 漆黒の追跡者 のあらすじ③

真犯人とアイリッシュ

コナンは東都タワーで水谷と相対し、自殺しようとする水谷を止めます。

なな子と水谷が好きだった星の位置を犯行現場に当てはめる理由が理解できなかったことや性格の違いから、犯人は彼ではなくタワーに来ていた、和樹だということを見抜いていました。

なな子は自発的にエレベータを譲ったのですが、和樹はそれでも火事の生還者たちや、駆け落ちした水谷を許せませんでした。

そこで水谷になな子がエレベータから追い出されたと嘘を吐き、なな子を救えなかった自責の念に駆られていた彼に対し、自分が殺害を実行する代わりに罪を被ったうえで自殺するよう要求しました。

水谷もその計画に同意していましたが、コナンに諭されて身代わりになることをやめ、和樹に自首を促しますが、和樹は逆上してコナンに襲いかかります。

そこに松本警視が現れ、コナンは彼が和樹を掴んだところに時計型麻酔銃を向けますが、針は外れて水谷に刺さってしまいます。

タワーに来た警察たちは、松本敬氏に気絶させられます。

この松本警視こそがアイリッシュの変装であり、体格が違いすぎるベルモットが変装できない人物が彼以外居ないことから、コナンは彼が偽物であると見当をつけていました。

アイリッシュはコナンと新一が同一人物であることを掴んでいましたが、ジンに対する恨みから、コナンをボスのところへ連れていきジンを失脚させるために、まだ誰にも話していませんでした。

そこへ、テレビに中継に移ったコナンを心配した蘭が駆け付けますが、アイリッシュに気絶させられます。

コナンは逃げながらアイリッシュと戦い、タワーの外縁部に出ますが、そこへジンら組織のメンバーがAH-64攻撃ヘリコプターに乗ってやって来ます。

【結】名探偵コナン 漆黒の追跡者 のあらすじ④

黒の組織VSコナン

アイリッシュはメモリーカードを取り戻したことを彼らに示しますが、タワー周辺に警察が集結し逃げ切れないと判断したジンの命令で、キャンティによってメモリーカードともども胸を撃ち抜かれ重傷を負います。

コナンはアイリッシュを救命しようとしますが、その存在に気付いたジンの命令でキャンティの狙撃を受けてしまいます。

しかしコナンのその行動に感じ入ったアイリッシュが致命傷を負う代わりにコナンを庇い、コナンに「いつまでも追い続けるがいい」と言い残して死亡します。

組織はコナンを始末するべくヘリに搭載されたM230チェーンガンで銃撃しながらタワーの上の方へと追い詰め、姿を確認しようとします。

しかし、コナンは以前阿笠博士から貰った、100メートルまで自在に伸ばせるサスペンダーを使って飛び降り、自身は落下の勢いを殺しながら破損したライトを反動で射出することで、組織のヘリを撃墜します。

そのままヘリは墜落しますが、ヘリからは遺体は発見されず、全員が脱出したものと思われました。

また、監禁されていた松本警視は、彼のSOSに気づいた少年探偵団と阿笠の通報で佐藤刑事と高木刑事によって救出されましたが、組織に繋がる情報は得られませんでした。

今後組織と戦ううえで武器になると考えていたリストを入手できず、組織もコナンの正体を掴めないままの幕引きとなりました。

しかし、コナンはアイリッシュが死に際に残した「いつまでも追い続けるがいい」という言葉を思い返し、組織と戦い続ける決意を新たにするのでした。

名探偵コナン 漆黒の追跡者 を観た感想

この映画は名探偵コナンの劇場版シリーズの第13作目の作品で、13の忌数とかけて黒の組織とコナンの対決がメインの内容となっています。

それに合わせて今作では、アニメ176話〜178話に登場する黒の組織の幹部「ピスコ」を父の親のように慕っていたオリジナルキャラクターのアイリッシュが登場しています。

映画オリジナルの展開で、本編とは違ったピスコとアイリッシュの関りが知れて楽しめました。

また、警視庁の刑事だけでなく、他県の刑事や警部たちが登場し、協力して事件解決に奔走している姿がカッコよく、誰に変装しているのか推理をしながら見るのはとても楽しかったです。

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