監督:ニマ・ヌリザデ 2016年1月にKADOKAWAから配給
エージェント・ウルトラの主要登場人物
マイク・ハウエル(ジェシー・アイゼンバーグ)
主人公。フリーター生活が長くワンオペに慣れている。これまでの人生をぼんやりとしか覚えていない。
フィービー・ラーソン(クリステン・スチュワート)
マイクの彼女。ダメ男に尽くしてかいがいしく世話を焼く。
ローズ(ジョン・レグイザモ)
マイクの友人。全身にイレズミがあり素行が悪い。
ビクトリア・ラセター(コニー・ブリットン)
CIAのエージェント。優秀だが組織の非情さに疑問を抱いている。
エイドリアン・イェーツ(トファー・グレイス)
ビクトリアの同僚。ライバルたちを蹴落として昇進してきた。
エージェント・ウルトラ の簡単なあらすじ
アメリカ東部に在住のマイク・ハウエルは普段は臆病でひ弱な青年でしたが、車上荒らしの被害に遭った際に闘争本能が目覚めます。
国家的なプロジェクトによって産み出された殺人マシーンであることに気がついたマイク、暴走が止まりません。
恋人のフィービー・ラーソンの体を張った活躍によって、マイクは理性を取り戻し婚約者と仕事を手に入れるのでした。
エージェント・ウルトラ の起承転結
【起】エージェント・ウルトラ のあらすじ①
マイク・ハウエルはウェストバージニア州リマンで、恋人のフィービー・ラーソンと暮らしていました。
彼女と出会えた時のことは鮮明に焼き付いていましたが、それ以外の記憶はすっぽりと抜け落ちています。
この幸せが永遠に続くようにとエンゲージリングを用意してオアフ島へのチケットを用意しましたが、直前になってパニック発作を起こして飛行機に搭乗できないのはいつものことです。
旅行をキャンセルしたマイクが車で向かうのは、アルバイト先のコンビニエンスストア「キャッシュ・N・キャリー。」
清掃から商品の補充、発注業務までをひとりでこなしていましたが夜間はお客さんがそれほど多くありません。
いつものようにマイクがレジ番をしているとサングラスにコートの女性客が、「マンデルブロ集合」などと話し掛けてきますが何のことやら見当もつきません。
丁重にお引き取りをお願いしてそろそろ閉店しようかとしていたところ、駐車場でマイクの車に細工をしているふたりの男が。
慌てて止めにいくと拳銃とナイフで襲いかかってきましたが、マイクの体の内側からはとてつもないパワーが湧いてきました。
カップラーメン用のスプーンでふたり組を返り討ちにしたマイク、駆け付けた警察官に身柄を拘束されます。
【承】エージェント・ウルトラ のあらすじ②
22歳の時から違法な薬物を使用しては保護監察官にお世話になっているマイク、警察署に勾留されるのも毎度のことです。
突如として留置場が停電に、無線、インターネット、電話も不通になったと思ったらライフル銃を構えた一団がなだれ込んできました。
機能が不全となった署内をマイクはフィービーを守りながら脱出しますが、疾病予防管理センターがスーパーチフス菌を確認したと発表したために町の外には出られません。
ニュースで映し出されているのは2枚の顔写真、1枚目はマイクで2枚目は例の女性客で名前はビクトリア・ラセター。
とりあえずは裏社会とのつながりが太く、武器にも詳しいローズの家にかくまってもらうことに。
会った途端に地下室に閉じ込められてしまったのは、テレビがマイクのことを「極めて感染力の高い保菌者」と報道したからでしょう。
まさにその数分後に追跡者がやってきてローズとその悪友たちは全滅、地下に隠れていたマイクとフィービーだけは無事です。
【転】エージェント・ウルトラ のあらすじ③
ライオフロキシン、N350SC、MIエイブラムス… 学んだこともないはずの知識や軍関係者しか知りえない専門用語を、ハンドルを握りながら自然と口にしているフィービー。
不審に思って問い詰めてみると、5年前にマイクの「担当」に任命されたことを打ち明けました。
これまでの時間が交際期間ではなく潜入期間だったことにショックを受けたマイク、車内のムードは一気に険悪に。
もともとこの車もフィービーがお金を出して購入しているために、マイクが降りるしかありません。
ひとりで自宅に帰るとビクトリア・ラセターが待ち構えていて、彼女こそがマイクを「起動」させた張本人です。
アメリカ中央情報局の生体工学で作られた「ウルトラ計画」、成功すれば人間の脳内容量がギガバイトまで増えて殺人空手も使えるようになるとのこと。
バージニア州ラングレーにある情報局本部では、エイドリアン・イェーツが一部始終を監視しています。
人体実験のデータが明るみに出る前にマイクの存在そのものを消してしまい、ビクトリアも失脚させるつもりです。
【結】エージェント・ウルトラ のあらすじ④
プログラムのインストールを見届けたら本部に戻るはずでしたが、フィービーは命令に背いてこの町に留まっていました。
出世を捨ててまで自分を選んでくれたことを悟ったマイク、フィービーを人質にして誘き寄せようとしているエイドリアン。
近所のホームセンター「マックス」でそれぞれが望むものを交換するはずでしたが、銃撃戦が勃発してしまい話し合う余地はありません。
両手の自由を奪われていたフィービーは、文房具コーナーでくすねたクリップを使って手錠を解除しました。
戦いの中でコントロールが利かなくなっていたマイクも、彼女と再会をしたことによって感情を取り戻します。
血まみれのままで抱き合ったふたり、フィービーの左手の薬指には渡せずじまいになっていた指輪が。
一連の騒ぎの首謀者としてエイドリアンは射殺、ビクトリアには挽回のチャンスが与えられます。
正式なエージェントとなったマイクは半年後、妻のフィービーとともにチャイニーズ・マフィアを一掃するため赴任地のマニラへと向かうのでした。
エージェント・ウルトラ を観た感想
大好きなフィービー・ラーソンのために練りに練ったプロポーズ作戦があっさりと撃沈してしまう、なんとも情けないオープニングです。
お口直しに得意料理のオムレツでもをごちそうしようかと思えば、焦がして火事になりかけるのはご愛敬ですね。
およそヒーローとはかけ離れたさえない田舎のお兄さん、マイク・ハウエル役にジェシー・アイゼンバーグを起用したのは大正解でした。
秘めたるエネルギーを解放していくかのような、映画後半での変身はまさにウルトラ戦士。
愛する人のために一騎当千で立ち向かっていく姿には、男女を問わずときめいてしまうことでしょう。
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