映画「THE LEGEND &BUTTERFLY レジェンド&バタフライ」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|大友啓史

映画「THE LEGEND &BUTTERFLY

監督:大友啓史 2023年1月に東映から配給

THE LEGEND &BUTTERFLY レジェンド&バタフライの主要登場人物

織田信長(木村拓哉)
本作の主人公。通称は「尾張のうつけ殿」。

濃姫(綾瀬はるか)
美濃のマムシこと斎藤道三の娘で、信長の正室。パンフレットには「(帰蝶)」と補足されている。

明智光秀(宮沢氷魚)
織田家の家臣で、幹部クラス。

森蘭丸(市川染五郎)
信長の近習。

木下藤吉郎(音尾琢真)
織田家の家臣。農民から侍大将になった男。

THE LEGEND &BUTTERFLY レジェンド&バタフライ の簡単なあらすじ

織田信長と濃姫は政略結婚で結ばれたので、結婚当初は形ばかりの夫婦でした。

信長は美濃を手中に入れることを望み、濃姫は信長の暗殺を試みていました。

信長は父である信秀が亡くなったことで、織田家の家督を継ぎます。

美濃では内乱が起き、斎藤道三が殺されます。

濃姫は生きる意味を見失い、自暴自棄になりますが、信長は濃姫を鼓舞します。

一方、信長は桶狭間の戦いの直前に濃姫に弱音を吐きます。

濃姫は信長を鼓舞し、勝利へと導きます。

いつしか、天下統一が二人の夢になります。

その過程で信長は比叡山の焼き討ちを行うなど人の心を失っていきます。

信長は周りから「魔王」と恐れられるようになり、運命は「本能寺」へと向かっていきます。

THE LEGEND &BUTTERFLY レジェンド&バタフライ の起承転結

【起】THE LEGEND &BUTTERFLY レジェンド&バタフライ のあらすじ①

「水と油」の二人

織田信長はまだ若く、奇妙な服装をして遊び歩くような青年時代から話が始まります。

一方、濃姫は過去に二度、結婚しており、夫に先立たれるという経験をしています。

美濃の斎藤道三と尾張の織田信秀の間で和睦が成立します。

その結果、信長と濃姫の政略結婚が決まります。

濃姫は美濃の稲葉山城から尾張の那古野城に嫁ぎます。

夜になり、夫婦対面の席が設けられます。

信長はお酒を飲みますが、お酒に弱く、蒸せて吐き出してしまいます。

濃姫はそんな信長をじっくりと観察します。

就寝時間になり、信長は部下を引き連れて、濃姫が待つ寝床へ向かいます。

信長は濃姫に肩や足を揉むように命じますが、濃姫は「長旅で疲れているのはこっちだからそっちが肩を揉め」と反論します。

口論になった後、二人は取っ組み合いの喧嘩を始めます。

部屋の外にいる部下は各々、驚きます。

最終的に各務野(濃姫付の女性で、養育係のような存在)が喧嘩を止めます。

また、後日、狩りで「どちらが大物を捕まえることができるか」を競うことになり、狩りでも濃姫が優位になります。

信長は一発逆転を狙い、鹿を追いかけますが、足元をしっかりと見ていなかったため、崖から落ちかけます。

異変に気づいた濃姫は信長の元へ行き、助けようとします。

信長は「女性に助けられるくらいなら死んだほうがマシ」と言ったので、濃姫はその場を立ち去ろうとします。

そこで、信長は素直になり、助けるようにお願します。

それを聞いた濃姫は信長を助けます。

最初は「水と油」でしたが、徐々に二人の距離が近くなってゆきます。

【承】THE LEGEND &BUTTERFLY レジェンド&バタフライ のあらすじ②

徐々に理解しあう二人

濃姫は侍女から「信長が美濃に攻め込む」と聞き、怒ります。

怒りながら信長を探します。

戦の準備をしていた信長を見つけると全力で止めようとします。

慌てて周りが、濃姫の父である道三が亡くなったことを濃姫に告げると濃姫は信長に敵討ちに行くようにいいます。

信長が渋ると「濃姫は自分一人でも行く」と言いますが、周りがそれを止めます。

父を失った濃姫は生きる意味を見失い、自暴自棄になります。

濃姫は自害しようとしますが、信長が慌ててそれを止めます。

「生きる意味がない」という濃姫に対し、信長は「そなたはわしの妻じゃ」と言い、「二人で生きて行こう」という気持ちを濃姫に伝えます。

それから数年がたち、1560年になります。

信長は家臣団と軍議をしています。

「攻めてくる今川勢にどう対応するか」を考えていますが、一向に良い案が出てきません。

各務野や侍女から「信長達が軍議をしている」と聞いた濃姫は「何も決まらないだろう」とつぶやきます。

逃げる準備をしている各務野や侍女をよそに濃姫は信長の元へ向かいます。

軍議が終わった部屋に行くと信長が一人で悩んでいました。

悩んでいる信長に濃姫は今川勢を討つ策を話します。

濃姫の策は見事にはまり、信長は無事に桶狭間から戻ってきます。

濃姫も喜びます。

【転】THE LEGEND &BUTTERFLY レジェンド&バタフライ のあらすじ③

「魔王」になった信長

信長は天下統一に向けて突き進みます。

足利義昭を奉じて、上洛を試みます。

美濃から京へ行くためには近江を通る必要があるので、近江の領主、浅井長政にお市の方(信長の妹)を嫁がせて同盟を結びます。

無事、上洛を果たした信長は身分を偽り、濃姫と二人で城外へ出かけます。

異国の民を見たり、買い物をします。

二人が異国の民のダンスを見ていると異国の民は二人をダンスの輪に招き入れます。

二人は戸惑いながらも一緒に踊り、異国へ興味を持つようになります。

買ったのは濃姫が気に入った物(何かわかりませんが、重要アイテムなので、以下、「置き物」と表記します)と金平糖です。

スリに会った信長達は犯人を追っかけて、貧民街に行きます。

貧民達が濃姫を襲ったため、濃姫は小刀を奪って、貧民を刺してしまいます。

それを見た貧民達が襲ってくるので、信長も刀を抜き、濃姫を助けて城へ戻ります。

また、敵対する朝倉義景を討伐するために敦賀へ進軍します。

その後、足利義昭と仲が悪くなった信長は朝倉軍と戦うことになります。

朝倉軍と交戦中に浅井長政が裏切り、挟み撃ちにあいます。

信長は明智光秀と木下藤吉郎に殿を任せて、美濃に戻ります。

信長は裏切った長政に対して怒り、攻撃します。

さらに朝倉・浅井の両軍と繋がっている比叡山延暦寺に対して、焼き討ちを行うことを決定します。

丹羽長秀などからそれを聞いた濃姫はそれを止めようとします。

濃姫は「人でなくなる」と信長に言いますが、信長は「人であることなど既に捨てている」と答えます。

信長から心が離れた濃姫は自ら離縁を願い出て、安土城を出ます。

【結】THE LEGEND &BUTTERFLY レジェンド&バタフライ のあらすじ④

悲しき最期

長篠の戦いが終わった後、信長は安土城で家臣たちと話をしている場面が描かれます。

家臣たちが何か提案をしたようですが、信長はぼーっとして聞いていません。

家臣の中にも会議中にあくびをする者がいます。

改めて家臣が「徳川家康を饗応する件です」というと信長は細かい内容を聞かず、「そちに任す」とだけ言います。

かつて、「魔王」と恐れられていた信長の様子を変に感じた明智光秀は自分が饗応役を務めたいと名乗り出て、「弛んでいる家臣や家康が信長を畏怖するような演出にすべきである」と言います。

実際に家康を饗応する場面になり、信長は「魚が臭う」という理由で光秀を足蹴にしますが、家康にはそれが芝居であることがばれてしまいます。

また、信長自身も芝居がうまくできなかったことを感じていました。

一方、濃姫は安土城を出た後、病にかかり、床に臥せっていました。

その知らせを聞いた信長は濃姫を迎えに行き、安土城へ招き入れます。

信長は南蛮の薬を煎じるなど、濃姫の世話をします。

信長が遠征に出る前に濃姫の元を訪れて「遠征に出ること」を伝えます。

濃姫は信長に「置き物」を渡し、「無事に帰ってきて返してほしい」というおまじないをします。

信長も持ってきた南蛮の楽器を濃姫に渡して、「無事に帰ってくるからそれまでにこの楽器を弾けるようになっておけ」と言います。

本能寺の変当日になり、「『魔王』らしさのない信長は不要」という理由で謀反を起こします。

信長は周囲の音で目覚めます。

森蘭丸が光秀が攻めてきていることを信長に伝え、信長を導きます。

信長は必死に応戦しますが、寺の奥に逃げるのがやっとです。

信長は「本能寺を出て、安土城へ行き、濃姫と二人で異国の船に乗る」という想像をしますが、現状を打開することは難しいです。

信長は「是非もなし」と言った後、敦盛を舞い、首を切って自害します。

同じころ、安土城で濃姫も病のため、亡くなります。

THE LEGEND &BUTTERFLY レジェンド&バタフライ を観た感想

信長のイメージが変わりました。

劇中にも出てくるように信長は「魔王」と恐れられていますが、この作品では妻に頭が上がらない男性です。

いくら相手が「マムシの娘」だからと言って寝所でねじ伏せられているのは情けないです。

ただ、濃姫に関する資料があまりないので、妻なら「魔王」に遠慮せず、いろいろ言えたかもしれません。

「信長と濃姫が出会ってから本成寺の変まで」なので、話の中の時間軸が飛んでしまいます。

所々で話が切れてしまうのは残念です。

本能寺で信長が異国の船に乗ることを想像した場面は「まさかの生存ルート?」と思いました。

「生存ルートもありかな」と思ったら史実どおりでした。

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