映画「弥生、三月-君を愛した30年-」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|遊川和彦

映画「弥生、三月-君を愛した30年-」

監督:遊川和彦 2020年3月に東宝から配給

弥生、三月-君を愛した30年-の主要登場人物

結城弥生(波瑠)
本作の主人公。正義感と気が強く、凛とした女性。

山田太郎(成田凌)
サッカーが上手でJリーガーを目指す。おちゃらけた性格。

サクラ(杉咲花)
弥生の親友で、輸血のせいでAIDSになってしまいました。サンタのことが好き。

弥生、三月-君を愛した30年- の簡単なあらすじ

弥生は、輸血のせいでAIDSになってしまった親友・サクラを悪く言うクラスメイトのことが許せません。

正義感溢れる凛とした弥生にサッカー部の太郎は目を奪われます。

しかし、サクラの好きな人は太郎で3人はサクラが亡くなるまで友情を育みます。

サクラの死後、大人になった弥生と太郎。

太郎は好きではない子とできちゃった婚をするのでした。

弥生、三月-君を愛した30年- の起承転結

【起】弥生、三月-君を愛した30年- のあらすじ①

サクラのいない卒業式

曲がったことが大嫌いな正義感溢れる弥生は、サッカー部を辞めた太郎に喝を入れます。

それは、病気のサクラの生きる支えが太郎のサッカーしている姿を見ることだったためです。

ある日、教室に入ると黒板にサクラがAIDSだという誹謗中傷が書かれていました。

担任は、それを知っても少し注意するだけです。

それを見た弥生は、サクラは輸血のせいでAIDSになってしまった被害者で、傷口に唾液や血液が入らない限り感染しないと、みんなの前でサクラにキスをしてみせるのでした。

それをみた太郎は、目を奪われ他のクラスなのに立ち尽くしてしまいます。

その後太郎はサッカー部に戻り活躍します。

サクラは卒業を前に入院してしまい、弥生は太郎に告白するようにとサクラの病室に太郎を呼ぶと、太郎はサッカー選手になった時のためのサインを考えてきました。

そのサインはサンタという自分で作ったあだ名で弥生はバカにします。

サクラは結局告白はしないで、弥生とサンタには今のままで居て変わらないで欲しいとお願いします。

代わりに弥生は卒業式に出席することを約束してとお願いしましたが、卒業式にサクラの姿はなく、代わりに両親が卒業証書を受け取りました。

そして、サクラが好きだった「見上げてごらん夜の星を」を流すと、サクラをイジメていたクラスの女子や理解のない担任が号泣し、弥生とサンタは呆れるのでした。

卒業式のあと、サンタはプロのサッカーリーグを目指し、弥生は教師を目指すことを話して2人は別の道を進みます。

別れ際に、サンタは40過ぎても独身だったら俺が結婚してやると弥生に言って去りました。

【承】弥生、三月-君を愛した30年- のあらすじ②

サンタの離婚と弥生の結婚

26歳になったサンタはできちゃった婚をし、弥生は結婚式に招待されていました。

サンタはまだサッカーの入団テストに受かっていません。

弥生はサンタに自分はもう一生結婚しないと思うと言います。

時は少し戻り弥生はサクラのお墓参りに行き、やっと教員免許を取ったことを報告し、サンタのことが好きだけど許してくれる?と聞きました。

一方、サンタは子どもができた彼女にずっと好きな人がいると言って揉めているところに弥生から電話が入ります。

弥生はサンタにも教員免許を取った報告をしますが、彼女がいることに気づき電話を切ります。

サンタは、バスに乗った弥生を追いかけますが、弥生は気が付きません。

この時代はまだ携帯電話がありませんでした。

太郎の子どもは4歳になり、公園でサッカーをしていた時、サンタはクラブから契約切れの連絡が入り動揺します。

ボールを追いかけ道路に飛び出た息子をかばいサンタは足を悪くするのでした。

息子は、無事でしたが結局サンタは離婚してしまいます。

2001年サンタはそんな現状をサクラのお墓に報告していると、あとから弥生が男の人と一緒にお墓にきました。

弥生はサクラの墓に結婚の報告をします。

サンタは弥生に会う事が出来ずに影に隠れますが、弥生はサンタが来ていたことに気が付きました。

【転】弥生、三月-君を愛した30年- のあらすじ③

弥生の罪と罰

弥生の父に介護が必要になり、優しい夫に促され渋々宮城に帰ることにしました。

久しぶりにサンタの実家を訪ね、サンタが離婚し足を悪くしていることを知りサンタの住んでいる所を訪ねます。

サンタは部屋を締め切り、仕事もロクにせずウダウダと暮していましたが、弥生はそんなサンタを叱りました。

弥生はサンタの息子の通う高校へ連れて行き、親子でサッカーのパスをするように仕向けて親子の溝を埋めてくれました。

別れ際、サンタは弥生を抱きしめ高校の時からずっとこうしたかったといい、一夜を共にしてしまいます。

2011年3月11日の朝、ずっと一緒に居たいというサンタを振り切り弥生は学校へ行きました。

地震が起きて、生徒を高台に避難させた弥生は、夫を心配し帰宅しました。

サンタは、避難所を周り弥生を探し回りますが弥生の消息を知る人は居ませんでした。

その後、サンタの母が弥生の消息を知り連絡をくれます。

弥生は、遺体が安置されている場所に座り込んでいました。

サンタが、弥生の側に駆けつけると弥生はバチが当たったといい、サンタとはもう会わないというのでした。

その後弥生は、教師を辞め「自分の言う通りにしていれば」と言い続ける父親を看病します。

弥生の父は昔事業に失敗し、借金を肩代わりしてもらうことを目論み、銀行員のもとに弥生を嫁がせることにしました。

反発していた弥生でしたが、母や妹の為に結婚することにしました。

結婚式の当日手違いでサクラの好きだった曲「見上げてごらん夜の星を」が流れ我に返り弥生は結婚を辞めました。

父はそのことをずっと恨んでいたのです。

父が亡くなり、弥生は東京に戻りますが、ただ息をしているようなそんな生活でした。

【結】弥生、三月-君を愛した30年- のあらすじ④

運命の2人

ある日、サンタの元にサクラの父が訪ねてきました。

サクラの父は生前サクラが録音したテープをサンタに渡しに来たのでした。

そのテープを弥生に渡したいサンタは、サクラの父に住所を聞いて東京に行きますが、引っ越した後でした。

管理人さんに引っ越し先の最寄り駅を聞いて、その駅の近くにある弥生が行きそうな古本屋に行くと偶然弥生が来たのでした。

しかし、サンタに気が付いた弥生は逃げてしまいます。

追いかけたサンタを拒否した弥生でしたが、またその時に「見上げてごらん夜の星を」がかかって弥生はサンタからテープを貰うのでした。

そのテープには、弥生とサンタが結婚した時のためにサクラが録音したお祝いメッセージでした。

それを聞いた弥生は昔の凛とした自分を思い出し宮城に行きます。

駅でサンタを見つけた弥生は、サンタの乗っていたバスを追いかけサンタが息子の勤めている高校に行くのに同行します。

サンタの息子は、不登校の子とイジメの問題で保護者から責められて教師を辞めさせられそうになっていました。

辞めろと生徒に言われるサンタの息子でしたが、そこで弥生が生徒に向かって「こんないい先生はいない」と昔の様に啖呵を切るのでした。

その後、弥生とサンタはサクラのお墓参りに行き、弥生がサクラをかばうためにキスをした時に弥生のことを好きになったと告白。

あの時から30年が過ぎていました。

時は、弥生とサンタが産まれた時にさかのぼり、同じ年の同じ日に生まれた2人は、同じ産院の隣のベットで寝ていたのでした。

弥生、三月-君を愛した30年- を観た感想

お互い好きなのに、タイミングが合わない2人のラブストーリーです。

サクラの死が恋愛の妨げになるのかと思いきやむしろ、何度もサクラの存在に励まされて軌道修正していく弥生とサンタ。

サクラの存在は天使のようでした。

それにしても不幸が続いていくと思っていたら、脚本と監督が遊川和彦さんで納得です。

弥生が一度目の結婚を辞めた時にサンタはもう少し弥生の側にいてあげればよかったのにと感じました。

50歳近くになった弥生とサンタは今まで幸せでなかった分幸せになって欲しいと思います。

波瑠さんのアラフィフメイクが自然で、少しちゃんとしたらもっとキレイなのにと思わせるおばさんに仕上がっていてお見事でした。

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