映画「青くて痛くて脆い」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|刈山俊輔

映画「青くて痛くて脆い」

監督:刈山俊輔 2020年8月に東宝から配給

青くて痛くて脆いの主要登場人物

田端楓(吉沢亮)
傷つくことを恐れ、人に近づきすぎないように生きてきた大学生。

秋好寿乃(杉咲花)
理想論をかざして周りに引かれる。モアイを結成。

前川董介(岡山天音)
楓の親友。

脇坂(柄本佑)
秋好の彼氏。

青くて痛くて脆い の簡単なあらすじ

周りに引かれるイタイ女子・秋好に気に入られ付きまとわれる楓。

最初は嫌だった楓でしたが、いつの間にか秋好が居心地の良い存在になっていきます。

秘密結社モアイというサークルを立ち上げ、二人は世界平和のために活動していきますが、そのモアイに脇坂が入り、秋好と脇坂が付き合いだして楓と秋好の関係は終わってしまいます。

楓は親友の董介に一緒にモアイを立ち上げた死んだ友達のために、本当のモアイを取り戻したいと話を持ち掛けるのでした。

青くて痛くて脆い の起承転結

【起】青くて痛くて脆い のあらすじ①

今はいない秋好

人を不快にさせないため傷つけないために、人に近づきすぎず、人の意見を否定しないそんなことを生きるテーマにしてきた田端楓は、自分と真逆な秋好寿乃をはじめて見た時心の中でバカにしていました。

楓からみた秋好は、理想論を主張し自信過剰で愚かで鈍い人物に見えました。

しかし、みんなの中で浮いて傷ついている秋好に楓は興味を持ちました。

秋好はそれから楓に近づき、あまりに距離を詰めてくる秋好に楓は最初は引いていました。

コミュニケーション能力が高い秋好は、自分のことなどすぐに忘れると感じていたからです。

しかし、次の日も秋好は楓に声をかけ、あまりにも理想論をかざす秋好をイタイ奴というよりヤバイ人だと感じましたが、結局秋好に憑りつかれたように仲良くなり楓も周りから同類扱いを受け始めました。

サークルに入れてもらえない秋好に自分でサークルを立ち上げることを提案した楓は、なりたい自分になると目標を掲げた秋好のペースに巻き込まれ、引かれるのを覚悟で自分の生きるテーマを話すとすんなり秋好は受け入れてくれました。

そして、秋好は秘密結社「モアイ」というサークルをたちあげます。

楓は、この世界にいない彼女の笑顔を思い出すのでした。

【承】青くて痛くて脆い のあらすじ②

就活サークルモアイ

秋好の立ち上げたモアイは最初、周りからイタイサークルだと思われていましたが、三年後就活生が企業と交流するサークルへと変わっていきました。

楓は、就活を終えて内定をもらっています。

楓と前川董介が内定祝いを居酒屋でしているとモアイのメンバーが店に入ってきました。

董介が、意識高い系サークルのモアイをクソサークルだと言ったのをきっかけに、楓はモアイをぶっ潰すと董介に宣言し、実はモアイは自分ともういない友達と作ったサークルだと話します。

一緒につくった友達のためにモアイをぶっ潰して本来のモアイにするというと董介は手伝ってくれると言ってくれました。

楓は秋好の理想を本当にしようと考えていました。

三年前、秋好が立ち上げたモアイを楓は結局手伝っていました。

二人で、世界平和のためにゴミを拾ったり「なりたい自分になる」ために子ども食堂のボランティアをしたりしました。

秋好は自分に何かあったら楓が自分の意志を引き継いでと頼んでいたのです。

現在、楓は就活サークルに変わったモアイの交流会に董介と潜入し、悪い噂を掴んでばらまこうと考えます。

まずは、董介が交流会に行き、モアイのカリスマであるテンを追跡しました。

携帯通話を楓につないだまま控室に潜入し、テンに近づき連絡先を交換します。

カフェで董介をモニタリングしていた楓は、脇坂に交流会に顔を出してと声をかけられますが、脇坂を避けカフェを出ました。

【転】青くて痛くて脆い のあらすじ③

秋好は生きていた

三年前、フリースクールの畑仕事を手伝う楓と秋好は、中学の担任と上手く行かずここにきた西山瑞希と出会い、楓は数学を教えます。

最初、自分達をウザがっていた瑞希に変化が表れて、自分たちの活動が世界平和の第一歩につながると確信しはじめました。

そんな頃、楓と秋好は大学院で社会福祉の研究している脇坂と出会い、脇坂もモアイの理念に賛同してくれました。

脇坂は、モアイを大きな組織にしようと秋好に提案し、モアイはだんだんと人数が増えていきました。

脇坂とどんどん仲良くなる秋好を見て落ち込む楓。

秋好は、モアイが楓の望んだものになっているのか気遣ってくれますが、楓は秋好がいいならいいと言ってしまいます。

その後、脇坂と秋好が付き合いはじめ、楓は秋好をさりげなく避け、秋好と話すのが最後となりました。

現在、楓はモアイのバーベキュー交流会をテンが女漁りの場にしているという噂を聞き、自分も参加し証拠を掴もうとします。

テンは楓と連絡先を交換しコミュニケーション能力の高さに圧倒されました。

女と消えたテンを追いかけ告白しているところを盗撮しますが、盗撮がバレたと思いきやテンは女にしつこく暴走する自分を最低だといい、自分は遊び人だと思われているけど好きな人には空かれないと悩みを打ち明けます。

そのバーベキューにモアイの代表でテンのアイドルが登場します。

それは、秋好でした。

【結】青くて痛くて脆い のあらすじ④

少しのゆがみから最悪な結果に

周りに死んだと言っていた秋好は、今もモアイの代表です。

変わってしまった秋好を楓は、自分を騙した嘘つきだと思っていて昔の秋好は死んだと言ってたのでした。

その後楓は、大学中にモアイを誹謗中傷するビラを撒きます。

さらに楓は董介に迷惑メールが増え始め、それはテンが個人情報を流出していると考え、証拠を掴みます。

楓は、テンの個人情報流出をネットに投下すると、予想以上の反響があり秋好がネットでさらされ驚きます。

そして、楓は秋好と初めてあった場所で秋好と再会します。

楓はいい機会だからちゃんとしたモアイを作り直した方がいいと提案し、自分がやったと暴露しました。

秋好は、結局のところ楓は自分の事が好きでこんなことをしたと気づいて「気持ち悪い」と言い放ちました。

楓はサークルにも入れてもらえなかった秋好を受け入れなければよかったと暴言をはき、お前なんか居ない方がいいといい出て行きました。

その後秋好は、サークルのメンバーにモアイは友達と遊ぶ口実で作った大切な場所だったと伝え、モアイは解散すると発表します。

それを知った楓は、秋好に謝ろうと探し、脇坂を訪ねます。

秋好にその場しのぎに使われたと思っていたことに傷つきネットにさらした楓は、間に合わせでもその時は必要とされたと考えればいいと脇坂に慰められます。

その後、自分がモアイを解散に追い込んだと顔写真をネットでさらし「大切な人を傷つけて大切な人の大切なものを踏みにじった。

こんな人間になりたくなった。

なりたい自分に僕はなれませんでした。」

と投稿しました。

楓はなりたい自分を想像していました。

一年が経ち、楓は就職した施設で子どもから師匠と呼ばれています。

モアイは、メンバーたちが引き継ぎ、秋好が最初に目指していたものに近づきました。

楓は、秋好と偶然再会し、拒絶されてもいいと今度は自分から声をかけようと追いかけて、ちゃんと傷つこうとするのでした。

青くて痛くて脆い を観た感想

最初に見た時は、傷つきやすいこじらせ男子が闇落ちした話だと思いましたが、もう一回みた時にもっと深い話なのだと思い直しました。

憧れと嫌悪は紙一重なのだと思います。

ちょっとこじれたことを放っておくと、ものすごいことに発展してしまうわけで、最初から秋好が言われていた戦争はどうしたってなくならないという話に通ずるのだと感じました。

しかし、最後は秋好も楓も大切なことに気が付きます。

ラストの楓のなりたかった自分のイメージは普通の大学生活で、これが出来ずに苦しんでいる楓の気持ちをくんであげなくてはならないと感じさせます。

しかし、そんな楓にも共感したり寄り添ってくれる人物がこの映画にはたくさん出てきているのに、楓はそれに気づけない残念な人でした。

ハラハラさせる要素とミスリードに翻弄され、いろんな側面がある映画だと思います。

ラストは、もう一度楓と秋好に友情が芽生えても、芽生えなくても楓は成長できると確信できます。

コメント