監督:深川栄洋 2014年11月にワーナー・ブラザース映画から配給
トワイライトささらさやの主要登場人物
サヤ(新垣結衣)
本作の主人公。若くして夫に先立たれユウスケと二人でささらに移り住む。
ユウタロウ(大泉洋)
売れない落語家で突然事故で亡くなったために成仏できない。
ユウスケ(森蓮太郎)(加藤楷翔)
サヤとユウタロウの子ども。
佐野(中村蒼)
ささらの駅員で、サヤを気にいっている。
ユウタロウの父 (石橋凌)
ユウスケを跡取りにしようと思いサヤから奪おうとする。
トワイライトささらさや の簡単なあらすじ
夫・ユウタロウが事故で亡くなり、妻・サヤはまだ赤ん坊のユウスケと二人になってしまいました。
葬儀中にユウタロウは、自分の父親がユウスケを跡取りにと奪いに来たため、落語の師匠に乗り移り師匠の財布からサヤにお金を渡し、逃げろと伝えます。
サヤはユウスケを連れて、ささらという町に移り住み、やがてささやの人たちと馴染んでいきます。
成仏できないユウタロウは、サヤのピンチの度に誰かに乗り移りますが、サヤはそのユウタロウに気が付くのでした。
トワイライトささらさや の起承転結
【起】トワイライトささらさや のあらすじ①
売れない落語家のユウタロウは、結婚して子どもが産まれて人生これからという時に事故死してしまいます。
妻・サヤだけは話がつまらないユウタロウの落語を笑って見てくれていたのでしたが、理由は一生懸命だからでした。
サヤは、両親を早く亡くし祖母に育てられ、その祖母も亡くなりその後唯一の肉親の叔母も失い、なんでもいいから笑いたかったのだとユウタロウは思います。
サヤを好きになったユウタロウは、自分も親は居ないと言うのでした。
ユウタロウはサヤをまた独りぼっちにさせてしまったことを気にしていたら成仏できずに自分の葬儀に顔を出します。
ユウタロウは、葬儀に自分の父親が参列することに気が付き慌てます。
ユウタロウには、本当は父親が居たのでした。
ユウタロウの父は、赤ん坊を抱えてサヤがこれから生きていくことを心配してユウスケは自分が引き取り、後継ぎにすると言い出しました。
ユウタロウが父を憎む理由は自分と母を捨てたから、ユウタロウは慌てて師匠の体を借りてサヤに話しかけます。
サヤは師匠がユウスケを抱いたら泣き止んだところを見て、ユウタロウだと気が付きました。
ユウタロウは、親父に見つからないうちに逃げだそうと師匠の財布からお金を抜いてサヤに渡します。
ユウスケを取られないように慌てて誰もいないところに行けと「ユウスケを頼んだ」と送り出してくれました。
ユウスケと電車に乗って逃げたサヤは、叔母が生前住んでいた町ささらに向かいます。
ユウタロウはサヤのそばにいつもいましたが、誰かに乗り移らない限りサヤからは見えないのでした。
【承】トワイライトささらさや のあらすじ②
叔母の住んでいた家を管理してくれていた不動産屋は怪しい態度で、サヤが住むことに否定的でしたが、久代がきて不動産屋を追い払ってくれました。
一方、旅館を経営する夏は、認知症気味でぼんやりしていましたが、あくまでそれは嫁の前でだけでした。
近所に住む珠子は、ユウスケを見るなり大喜びでサヤに近寄ってきます。
夏の孫は、引っ越しのバイトでサヤの家の荷物を盗み、夏はその段ボールを返しにサヤの家に行き、サヤは、夏が急に家に入って来てビックリしますが、ユウスケを手際よく風呂に入れてくれました。
夏は、ユウタロウの気配を感じるとそのままユウタロウに乗り移られ、サヤの元でご飯を食べます。
ユウタロウが言うには、自分が見える人にしか乗り移ることが出来ず、しかもその人には1回しか乗り移れないと言うのです。
サヤは、夏に乗り移ったユウタロウに向かって父が本当は生きていたことを黙っていたことを責めます。
ユウタロウも生前のサヤの態度に言いたいことがあり、二人は久しぶりにケンカして、もっと夫婦ケンカをしたかったとサヤは言い、家族を知らないのにユウスケを育てられるのかと不安になります。
父親が母が病気になったのに会いにもこないで母が亡くなったことを恨んでいたことをサヤに話し、その後体のかゆみと共に離脱してしまいました。
夏が、もう一度孫の件で謝りに来て、久代も不動産屋に騙されてサヤの家をまた貸しされていたことを謝りにきて、近所の珠子は面白がってサヤの家に来ました。
この三人の老婆は腐れ縁の同級生で、ユウスケの面倒を見てくれるようになります。
【転】トワイライトささらさや のあらすじ③
サヤはユウスケの健診で出会ったエリカと仲良くなり、佐野を紹介されますが、ユウタロウが乗り移って出てくるからと断ります。
エリカは最初信じてくれませんでしたが、息子のダイヤにユウタロウが乗り移り、ダイヤが言葉を発しない理由を教えてくれて、エリカはユウタロウの存在を信じてくれるのでした。
ユウスケがお座りできるほど育ったある日、ユウタロウの父から電話が入りましたが、義父からは逃げられないとささらにとどまるサヤです。
ある日、家に見知らぬ男が入り込み、慌てて佐野に乗り移ったユウタロウが助けにきてくれましたが、その男性は久代の息子で大事に至りませんでした。
久代と息子のことをきっかけに、サヤは義父に会おうと決め、幽霊のユウタロウと義父を仲直りさせようとします。
立派になったサヤを見たユウタロウはそろそろ成仏すると言いだし、そんなユウタロウに向かって自分勝手だと怒り泣き出します。
ユウタロウは乗り移れる相手がもういないからとサヤに別れを切り出し、ずっと三人で暮らしたかったと後悔の言葉を言うとサヤは幸せだったと感謝します。
そして、ユウタロウは消えてしまうのでした。
【結】トワイライトささらさや のあらすじ④
その後、ユウタロウの父がサヤの家に来てユウスケをだまって連れ去ってしまうのでした。
義父からの変なメールのメッセージに気づいたサヤは、義父に電話をするとユウスケの声が聞こえ、病院にいると気が付きサヤは慌てて向います。
義父はユウスケを連れ出す途中、ユウスケが高熱を出し病院に寄ったのでした。
衝動的にユウスケを連れ出したことを義父は詫び、サヤは義父にユウスケを奪わないでとお願いします。
本当のところ、もう一遍親父に抱かれたくなったユウタロウは、ユウスケに乗り移り、変なメールのメッセージは、ユウスケに乗り移ったユウタロウが打ったのでした。
しかし、そのことで父が、母のことを大切に想っていたこと、ユウスケにも愛情があること、ユウタロウが亡くなったことを悲しんでいることを知るのです。
父が寄席で笑っていたことが噺家を目指す原点だったことを、ユウタロウは思い出しました。
ユウタロウは、父と母と自分の家族の歴史を走馬灯のように見て涙を流し、実は父が噺家の自分を応援していたことに気づきます。
すると隣にサヤが居て笑っていて、その理由が一生懸命だったからと聞いて「ばかだねえ」といいながら一番自分がバカだったと気が付くのでした。
ユウタロウは、ユウスケを心配するあまり自分に気が付かなかったサヤを母として成長したと感じたのでした。
最初は、サヤを見守るために成仏できないと思っていましたが、この時間は自分のためにあったと気が付きます。
つかまり立ちし1歳になったユウスケは「パパ」とつぶやき、ユウタロウは成仏するのでした。
トワイライトささらさや を観た感想
頼りなさそうで芯の強いサヤが母親として成長していく姿をユウタロウと共に見守る映画だと思います。
サヤが住んでる古い家や、ユウスケの籐のベビーカーなどがなんだか懐かしくて昭和感があります。
「トワイライトささらさや」は昔の映画を意識しているような懐かしさを感じます。
ジオラマのように見える撮影方法が不思議で、ファンタジーに相応しいと思いました。
また、新垣結衣さんのおさな妻っぷりが堪能できます。
大切な人に先に逝かれてしまった人には、実は誰かに乗り移ってそばに居てくれるんだと思うと心強くなれる映画だと思います。
エンディングではささらの仲間達のその後がフォトグラフで見れるので最後まで見のがせません。
コメント