映画「静かなるドン THE MOVIE」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|鹿島勤

映画「静かなるドン THE MOVIE」

監督:鹿島勤 2000年3月にケイエスエスから配給

静かなるドン THE MOVIEの主要登場人物

近藤静也(香川照之)
主人公。サラリーマンとヤクザの2足のわらじを履く。引退してごく普通の結婚生活を送るのが夢。

秋野明美(喜多嶋舞)
静也の同僚。チーフデザイナーとして会社を支える。他人を肩書で判断しない。

海腐雄二(池田成志)
静也のライバル。志半ばで亡くなった前組長の意志を継いで鬼州組の5代に就任。

新大久保打蔵(ばってん荒川)
静也の後見人。若い頃はフェンシングの達人だった。

川西(笹野高史)
静也の上司。面倒見はいいがファッションセンスはない。

静かなるドン THE MOVIE の簡単なあらすじ

普段は下着デザイナーの近藤静也、真の姿は関東最大の暴力団のトップ。

正体を隠しながら「新鮮」として秋野明美との付き合いを続けていた近藤静也は、勤め先に降りかかったリストラのピンチと敵対勢力との抗争を乗りこえていきます。

秋野はふたりが同一人物だと見破りますが、その秘密を心の奥底に閉まってこれまで通り接することを選ぶのでした。

静かなるドン THE MOVIE の起承転結

【起】静かなるドン THE MOVIE のあらすじ①

サングラス越しの恋人

近藤静也は日中は下着会社「プリティ」で働いて、同じデザイン課の秋野明美にひそかに恋心を寄せていました。

仕事が終わってオフィスを出ると静也はサングラスと白いスーツに着替えて、新鮮組の本部ビルへと向かいます。

新鮮組は全国に下部組織を持つ反社会的勢力ですが、唯一近畿エリアだけには近寄ることができません。

大阪を支配下に治めているのは鬼州組という武闘派集団で、全国制覇を目指していた4代目組長が7年前に亡くなって跡目を継いだのは海腐雄二です。

総長の静也は鬼州組の動向を探りつつ、「新鮮」という偽名を使って秋野とお付き合いをしています。

秋野も新鮮のことが好きでしたが、その正体がプリティの静也だとは気がついていません。

翌朝静也が出社すると、部長の川西がデザイン課が解散するかもしれないと大騒ぎをしていました。

前々から自社デザインの商品は返品が多く、外注のランジェリーの方が売れ行きが良かったのが原因です。

課のメンバーが取り引き先を回って再就職のお願いをする中でも、秋野と静也だけは諦めていません。

【承】静かなるドン THE MOVIE のあらすじ②

逃げずに戦わずに守り抜く

新鮮組の幹部の中でも前々からトラブルメーカーだった生倉新八が、勝手にヒットマンを放って海腐を狙いますがあっさりと返り討ちにされてしまいました。

末端の組織は次々と鬼州組へ寝返り一気に形勢が逆転して、これをチャンスと判断した海腐は精鋭部隊に声をかけて東京への侵攻を準備します。

ひそかに鬼州組内部に隠密を潜入させていた新鮮組のナンバー2・鳴戸竜次が考えたのは、静也の替え玉を犠牲にして手打ちに持ち込む策です。

自分のために命を犠牲にしてはいけないという静也は、戦うつもりも逃げるつもりもありません。

父親と死別した静也のことを実の我が子のように見守ってきた新大久保打蔵は、関東地方の親分衆にも顔が広く頼りにされていました。

新大久保の懸命の説得によって数人のボディガードにガードされながら、ようやく静也は新鮮組の本部を脱出します。

過去に鬼州組の構成員に誘拐されて人質として利用されたこともあるために、秋野を都内に置き去りにする訳にはいきません。

【転】静かなるドン THE MOVIE のあらすじ③

西のドンと東のドンがぶつかり合う

長野県のたでしな高原にある廃業したリゾートホテルへと避難してきた静也と秋野は、つかの間のひと時を過ごしていました。

こんな非常時にもスケッチブックを持ってきてデザインを描きためている秋野を見て、自分がいつか新鮮組にとって必要でなくなった時に結婚してほしいと静也は告白をします。

舎弟たちを引き連れてホテルにまで殴り込みにやってきた海腐は、静也に向かって日本刀を放り投げて一対一で決着をつけるつもりです。

先代の夢をかなえるためだけにここまで来たと振りかぶる海腐、夢なんて必要ないからただ生きてみろと切り返す静也。

つばぜり合いが続く中で海腐が隠し持っていたピストルを取り出して秋野に向けたために、やむを得ず静也は刀で海腐の心臓を貫きます。

血まみれになりながらもふたりは少しのあいだしっかりと抱き合い、かろうじて意識のある海腐は病院へと搬送されていきました。

援軍が駆け付けた新鮮組は息を吹き返し、指揮系統を失って弱体化した鬼州組は関東地方から撤退するしかありません。

【結】静かなるドン THE MOVIE のあらすじ④

これからも静かなるドンのままでいて

東京に平和が戻ったために安心して静也が出社すると、張り切って試作品を作っていたのは日頃は「デザインが苦手なのに管理職」などと陰口をたたかれている川西です。

相変わら女性の身につけるものに無関心で世の中の流行も理解できていない川西でしたが、鮮やかな色合いと斬新な機能性は悪くありません。

川西のアイデアをもとに秋野が改良を重ねて販売された新作のブラジャーとショーツは、プリティーの自社製品としては久しぶりの大ヒット商品となりました。

デザイン課の存続を祝う打ち上げが終わってふたりっきりになった時に、秋野は静也に昼となく夜となく今まで見守ってくれたことを感謝します。

たでしなでの壮絶なバトルの最中に秋野の身代わりになって銃撃を受けた「新鮮」、サングラスが外れて一瞬だけ露になったその素顔はまさしく「近藤静也。」

秋野はこれからも気付いていないふりをして、ふたつの顔を持つ静かなるドンと向き合いながら生きていくことを決意するのでした。

静かなるドン THE MOVIE を観た感想

主人公の近藤静也役を演じている香川照之が、着ていたコートを空へと放り投げてサングラスをかけるオープニングが格好いいです。

昼間のパッとしない会社員姿とは似ても似つかない、危険なムードを漂わせた「静かなるドン」と一気に変身していきます。

静也にとって心のより所となる、ヒロインの秋野明美役に起用されている喜多嶋舞も美しい立ち振舞でした。

拳と拳をぶつけ合い銃弾が絶え間なく飛び交い、剣と剣が火花を散らす後半の激しい格闘シーンからも目が離せません。

昼間における表向きの仕事であれ夜の裏家業であれ、誇りを持って取り組むことを考えさせられるでしょう。

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