映画「大奥<男女逆転>」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|金子文紀

監督:金子文紀 2010年10月に松竹、アスミック・エースから配給

大奥の主要登場人物

水野裕之進/町人・進吉(二宮和也)
貧乏旗本の息子。武芸が達者。幼馴染みのお信への想いがありながら、母親への恩返しとして大奥へと上がる。

徳川吉宗/信(柴咲コウ)
八代将軍。質素倹約を信条とし、大幅な財政改革をしていく。

お信(堀北真希)
薬問屋の娘。裕之進と幼馴染みで、想いを寄せている。

藤波(佐々木蔵之介)
大奥総取締役。お気に入りの松島を御代にしたいと企む。

大奥 の簡単なあらすじ

よしながふみ原作の「大奥」を元にして製作された映画です。

江戸時代、男のみが掛かる赤面疱瘡でたくさんの男が亡くなっていました。

武芸の達者な裕之進が、大切に育ててくれた母親への恩返しとして大奥に上がります。

様々な隠謀渦巻く大奥で裕之進は、上様のご内証の方となることが決まってしまう。

死の道しか残されていない裕之進は、どうなってしまうのでしょうか。

大奥 の起承転結

【起】大奥<男女逆転> のあらすじ①

裕之進の恩返し

江戸時代、男しか掛からない赤面疱瘡という病が大流行。

男女の人口は、女が圧倒的に多くなっていました。

こんな時代だからこそ、家に男子が産まれると大切に育てられていたのでした。

そんな大切に育てられた男子の1人が旗本の息子である水野裕之進。

武芸に秀でている上に、見目は大変美しい男子でした。

ある日、裕之進は母親に縁談の話を持ち掛けられますが断ります。

厳しい台所事情でも裕之進を売らずにいてくれた恩返しがしたいと、大奥へ上がることを伝えます。

この時すでに、根回しは済んでいたのでした。

裕之進には薬問屋の娘でお信という幼馴染みがいました。

お信は強くて誰にでも優しい裕之進が好きだと言っていましたが、裕之進は貧乏旗本の息子である自分と夫婦になっても幸せにはなれないとお信のことを想って気持ちを受け取れずにいました。

大奥に上がる当日、裕之進はお信に本当の想いを伝えにいきます。

裕之進は、お信の声を背にし堪えて大奥へと上がって行きました。

【承】大奥<男女逆転> のあらすじ②

大奥は怖い世界

大奥へと上がった裕之進は、水野と名を改めます。

配属されたのは、お目見え以下の御三の間。

入った日に早速、脛毛を剃る決まりがあると大奥の洗礼を受けます。

しかし、それが冗談であると杉下という同僚が種明かししてくれました。

この一件以来、水野は杉下から大奥の様々な事を教わるのでした。

様々なイジメに耐える水野は、深夜に同部屋の男たちに襲われます。

見目の美しい男である水野は、女の代わりとして襲われたのです。

しかし、抵抗をしているうちに見廻りが来たために助かります。

ある日、お庭の掃除をしていると道場を発見して見入ってしまった水野。

大奥総取締の藤波が近くに来たことも気付かないほどに集中していたのです。

そんな姿を見た藤波は、剣術の腕前を見たいと言い道場に通します。

その道場で一番腕の立つ鶴岡と対戦して、勝利を納めたのでした。

その頃、表では七代家継が亡くなり、八代吉宗が誕生していました。

水野は剣術の一件で、藤波の取立てにより御中臈へと出世していました。

呉服の間で無くなった針を探すのを手伝うなど、水野のはたくさんの人の憧れの存在となっていきました。

【転】大奥<男女逆転> のあらすじ③

夜伽の相手探し

吉宗の初の大奥総触れの時、水野も真っ黒の裃で御鈴廊下に並んでいました。

吉宗が渡ってくるが、お掻取りに失敗すると笑い声がしたのです。

吉宗は今笑ったのは誰かと尋ね、御鈴廊下には緊張が走りました。

そこで水野が返事をします。

吉宗は水野の前へと進み、顔を見せるよう命じます。

そして、名も尋ねられる。

大奥ではこの場で名を尋ねられた場合、それが夜伽の合図であるという暗黙の了解がありました。

総触れの後、藤波に呼ばれた水野はご内証の方について説明を受けます。

ご内証の方とは、上様に夜伽の手解きをする名誉な役目であると同時に上様の未通女(おぼこ)を侵す大罪人であるために死なねばならない。

水野は実家には自分の死がどのように伝えられ、実家がどのような扱いを受けるのかを心配して藤波に尋ねます。

藤波は、実家に不都合が一切ないように計らうことを約束しました。

それを聞いて安心した水野は覚悟を決めて、お役目を引き受けます。

藤波が水野を御中臈にしたのは、松島がご内証の方にならないようにするという企みだったのです。

そんなことを知らない水野は、夜伽の準備が進められていました。

【結】大奥<男女逆転> のあらすじ④

いまわの際の願い

表の仕事を終えた吉宗が奥へと渡ってきました。

水野と顔を合わせるなり、ご内証の方のことについて何も知らなかったことを謝罪します。

水野は願いが一つだけあることを言うと、吉宗は何なりと申せと言います。

その願いとは、夜伽の際に「お信」と呼ばせて欲しいというものでした。

控えていた藤波や御伽坊主らが皆、驚きます。

吉宗は迫力のある声で、控えの者たちに本来御法度であるねだり事を許可する旨を伝える。

夜伽の最中、吉宗の女の名も信であると水野にこっそり伝えると水野は大変驚いたのでした。

夜伽が順調に終わり、吉宗はお庭番に何かを調べるように命じていました。

数日後、水野は罪人として処刑される日がきました。

首を穴に差し出しいよいよ斬首かという時、面紙だけがハラリと落ちたところに吉宗が現れました。

吉宗はお庭番にお信について調べさせていたのでした。

水野は吉宗の計らいにより、町人・進吉としてお信との新たな人生を歩むことになったのでした。

実家へは、急な病で亡くなったとだけ伝えられた。

大奥 を観た感想

よしながふみさんの原作があるのを知らず「男女逆転さた大奥ってどんな世界になっているのだろう?」という興味だけで観ました。

お互いの想いを知りながらの別れがあったり、ご内証の方は死なねばならないという話があったり、吉宗の計らいで想い人の元に行ける結末だったりと、涙なしにはこの映画を語ることは出来ません。

偶然にも吉宗の女の名も信だったというのは、表で男として振る舞っている吉宗が女に戻れる束の間の時間だったのではないかと思いました。

原作にも映画にも描かれていませんが、吉宗も紀州に想い人を残してきたのではないかと想像させるほどの柴咲コウさんの演技でした。

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