映画「日日是好日」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|大森立嗣

日日是好日 映画

監督:大森立嗣 2018年10月に東京テアトル ヨアケから配給

日日是好日の主要登場人物

典子(黒木華)
本作の主人公。真面目で不器用な性格だが、お茶を通して毎日を良い日にすることとはどういうことか知っていく。

武田(樹木希林)
典子と美智子のお茶の先生。

美智子(多部未華子)
典子のイトコ。竹を割ったような性格。

日日是好日 の簡単なあらすじ

大学生の典子とイトコの美智子は、近所に住むお茶の先生・武田から茶道を習い始めます。

最初は戸惑いサボりたいと思う典子でしたが、なぜだか通ってしまうのでした。

美智子は結婚し、今までのように会えなくなり、典子の浮き沈みがある人生にはいつも茶道が共にあったのです。

そして、習いはじめて24年が経ち、続けることで気が付くことがあると典子は思うのでした。

日日是好日 の起承転結

【起】日日是好日 のあらすじ①

茶道との出会い

生真面目で理屈っぽくあまのじゃくな大学生の典子は、一生かけて出来ることを探していました。

ある日、典子の母は近所に住むお茶の先生・武田に会った時にお辞儀が人とは違い只者ではないと感じます。

そして、典子にお茶を習うことを勧めるのでした。

あまり気乗りしない典子でしたが、イトコの美智子が一緒にやろうと言うので渋々習いに行きます。

イトコの美智子は、典子と同じ年でしたが素直で要領が良く行動力があり、典子とは真逆な性格です。

けれど二人はとても仲よしでした。

典子と美智子は何も分からずお茶を習い始めます。

茶室には「日日是好日」という書が飾ってありました。

所作が多いお茶の作法にとまどい、美智子は武田先生に何度も疑問を投げかけますが、武田先生もどうしてそのような所作なのかはわかっていません。

茶道は頭で考えるより、体に染み込ませることが大切だと武田先生は言います。

典子はお茶の稽古をサボりたいと思っていても、結局通ってしまうのでした。

そのかいもあり、考えずに手が進むようになり典子は感動を覚えます。

しかし、それは夏のお茶の作法で、典子と美智子はまた一から今度は冬のお茶の作法を習うことになりガッカリしました。

二人は、お茶のお稽古のあと海に行き悩み相談をするのでした。

今後、美智子は商社に就職したいといい、書く仕事をしたい典子は就職が決まらず諦めていました。

典子は、子供の頃見た映画を大人になってから見直してみたら感動したことを美智子に話します。

その話を聞いた美智子はお茶もそういうものなのではないかと典子にいい「お茶好きでしょ?」と典子に言うとあまのじゃくの典子は「好きじゃない。」

と答えるのでした。

【承】日日是好日 のあらすじ②

焦り

お正月になり初釜が行われます。

先生の所作を改めて見ると丸みがあり心地が良く、頭がさっぱりする感覚に典子はなるのでした。

二人は大学を卒業し美智子は商社に就職し、典子は出版社でアルバイト。

土曜日のお茶のお稽古も新しい仲間が入り、賑やかになっていました。

典子は掛け軸を頭で考えて読むものでは無くて、絵のように眺めるものだと気付き感動します。

さらに典子は、お湯をすくう時とお水をすくう時とで音が違うことに気が付きます。

典子は、結局就職をしないまま3年が経ちました。

一緒にお茶のお稽古をしていた人たちはいろんな事情でお茶のお稽古を辞めていきます。

そして美智子も仕事を辞めて田舎にある実家へ帰り、お見合いをすると言うのでした。

美智子が自分より先へ先へと言ってしまうことに焦りや不安を感じる典子でした。

就職試験前の典子はお茶のお稽古を休みますが、やはり落ち着かず先生のところに向かいます。

先生も典子を想って、掛け軸を縁起の良いだるまに変えていました。

【転】日日是好日 のあらすじ③

父との距離感

典子は、結局就職出来ませんでしたが、フリーライターという言葉が生まれ、特に焦らなくても良い状況になり食べていけました。

美智子は開業医とお見合いし子どもが産まれ幸せに過ごしていました。

30歳になった典子は、変わらずお茶のお稽古を続けていました。

お茶の稽古には、自分よりも若い新人さんがたくさん入り頼りにされますが、思うほど成長していない典子に武田先生は所作について厳し目に指摘します。

自分の不器用さと機転の利かなさに落ち込む典子でしたが、さらに典子には結婚の約束をした人が居て挙式も迫っていたある日、彼氏の裏切りが発覚。

どうしても許せなかった典子は結婚を破断にしました。

それから気分がすぐれなくなり、武田先生も事情を理解し3か月お茶の稽古をお休みします。

ご飯もろくに食べずに寝込む典子を、両親も心配していました。

しかし、だんだん典子は復活しお茶の稽古を再開しました。

そして新しい彼氏ができ、典子は幸せでした。

実家から引っ越しし、それでも土曜日はお茶のお稽古があるので実家に顔を出して両親を安心させましたが、彼との付き合いもあるので実家に長居はしません。

そんな典子をとくに父は寂しく思いました。

ある日、父から電話が入り近くに来たから会いたいと言われますが用事があるからと典子は断ります。

夜気になって電話してみると、父はもう寝てしまっていました。

その後、父は倒れ典子は家族で過ごす時間が少なくなっていたことを後悔します。

父は帰らぬ人となりました。

【結】日日是好日 のあらすじ④

まだまだ人生は続く

典子は父の葬儀のあと武田先生のところに寄り、自分を責めないでとなぐさめてもらい縁側で泣くのでした。

武田先生は桜が散る中、典子にそっと寄り添ってくれました。

典子は父が亡くなった悲しみに、時間をかけて慣れるしかないと思っていました。

外は雨、お点前を頂きながら強くなっていく雨音を聞きながら、典子は海にいる父を想像し感謝を伝えるのでした。

雨の日には雨を、雪の日には雪を、暑い日には暑さ、寒い日には寒さと五感を研ぎ澄ませることが大切だと典子は思います。

そして、「日日是好日」毎日良い日とはどういうことか、やっと身も持って感じることができるのでした。

それから12年が経ち典子がお茶を習い始めて24年。

今でも土曜日にお茶を習いにいっていました。

初釜で武田先生は、毎年同じことができることを幸せに感じると生徒たちに伝えます。

すぐ分からないものには長い時間かけてわかってくることがあると典子はわかるのでした。

武田先生は教えることで教わることがあると、典子にも教えることを勧めました。

ここからが本当のはじまりだと思う典子でした。

日日是好日 を観た感想

最初、お茶を習うことが就活に有利に働いていくサクセスストーリーかと期待して見ていましたが、典子は一度も就職しません。

フリーライターとして食べていけているのでそれはいいのですが、お茶を習うことで人生がわかりやすく好転する映画ではありませんでした。

しかし、お茶を24年習うことでじわじわと見えてくることがあり、それは体験した人しか知りうることのない感動。

一見地味な人生に見える典子ですが、お茶の奥深さを知っている典子は人が気が付かない幸せを感じて生きていくのだろうなと思いました。

スローライフな雰囲気がこの映画の魅力です。

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