映画「新聞記者」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|藤井道人

新聞記者 映画

監督:藤井道人 2019年6月にスターサンズ イオンエンターテイメントから配給

新聞記者の主要登場人物

吉岡エリカ(シム・ウンギョン)
本作の主人公 東都新聞・社会部所属、同じく新聞社で働いていた父の信念を受け継いで働いている。

杉原拓海 (松坂桃李)
外務省から出向し内調こと内閣情報調査室に勤めているが、内調の仕事に疑問を持っている。

杉原奈津美 (本田翼)現在妊娠中の杉原の妻 杉原の一番の理解者。

新聞記者 の簡単なあらすじ

東都新聞・社会部の吉岡エリカは新聞社に届いた新設の大学院大学の計画資料の真相に迫ります。

一方、外務省から出向し内調こと内閣情報調査室に勤めているエリート・杉原拓海もお世話になった元上司・神崎が自殺をしたことで、新設の大学院大学と絡んでいるのではと感じています。

二人は手を組み、証拠をつかむのですが…。

新聞記者 の起承転結

【起】新聞記者 のあらすじ①

内閣の国を守る大事な仕事

東都新聞・社会部に勤める吉岡エリカ。

同じく新聞記者だった父が誤報を書いたと叩かれ自殺した過去があり、父を信じ信念のあるジャーナリストになろうと日々努力していました。

新聞社に新設の大学院大学の計画資料FAXが届きその資料の表紙には、羊の絵が描かれています。

吉岡ら記者は、その大学の認可先が内閣府になっているのに経営は民間だと気が付き、お金の出どころが怪しいと感じます。

吉岡は、上司の陣野にFAXの出どころを調べろと言われ取材を始めます。

杉原拓海は、外務省から出向し内調こと内閣情報調査室に勤めているエリートでした。

しかし、内調は国に不利益をもたらすことを排除するため、スキャンダルを新聞社にリークすることが主な仕事で、杉原は疲弊していました。

さらに杉原は、総理と懇意にしていた記者がレイプ事件を起こした事件を官邸がもみ消したという記事が週刊誌に出たため、レイプされた一般女性の弁護士が野党がらみだという相関図を作り、ハニートラップによりハメられたという印象操作をする仕事を任されます。

杉原は多田からそれも国を守る大事な仕事だと言われ、だんだん心がすり減っていきます。

【承】新聞記者 のあらすじ②

神崎の闇

ある日杉原は、久しぶりに 元の上司・神崎から連絡が入りご飯に誘われ、久しぶりに楽しい気分になります。

しかしその気持ちも一転、ハニートラップだというネタを新聞社に流したはずが、逆に内調が印象操作していると週刊誌のネタになってしまい、その記事が間違っているとさらなる印象操作をするため多田に嘘を拡散しろと指示されてしまうのでした。

杉原は久しぶりに神崎と飲み、外務省にいた頃とは仕事の質が違い、神崎の部下だった頃はやりがいしか感じていなかったと愚痴をこぼすと、神崎も今の仕事にはやりがいを感じていない様子に杉原は胸を痛めます。

神崎は、5年前上司から先の面倒を見るという約束と引き換えに、文章改ざんを任され、国と家族のために1人責任を取らされたのでした。

吉岡は医療系の大学院大学の件の取材を続けていると、内閣府に出向している人間がリークしている可能性があると分かってきました。

ある日、杉原は内閣府に出向している都築に久しぶりに会い、内閣府の大学の申請の仕事を神崎から引きついだと聞きます。

杉原はどの事実を知らされていませんでした。

【転】新聞記者 のあらすじ③

神崎の信念

神崎を心配した杉原は自宅に向かいます。

やっと神崎から連絡が入りましたが、神崎は謝り、声が途中で途切れてしまうのでした。

吉岡は、神崎に取材をしようと連絡している途中だったため、飛び降り自殺したニュースを見て神崎の身に何が起きていたのか、取材を続けます。

さらに、父親の死と重ねてしまうのでした。

杉原は、神崎は自殺するような人じゃないと多田を責めますが、子どもが産まれる杉原を暗黙の了解でねじ伏せます。

吉岡は、お通夜でマスコミに囲まれた神崎の妻と子どもをかばいます。

それを見た杉原は新聞記者なのにと不思議に思い問いただすと、吉岡は神崎さんの亡くなった本当の理由を知りたいと言い、どうして亡くなったと思いますか?と涙を流すのでした。

吉岡は、内閣府が作る大学の計画書を送ってきたのは神崎ではないかと杉原に言い、連絡をくださいと名刺を渡します。

その後杉原は、吉岡に神崎は情報漏洩で内調からリークされていたことを伝えます。

吉岡のジャーナリストとしての信念に心動かされた杉原は、神崎は大学の計画を中止させたかったのではないか、申請される前になんとかしないと神崎の死が無駄になると言うのでした。

【結】新聞記者 のあらすじ④

杉原の裏切り

吉岡は、神崎の死の理由を知るため自宅を訪ねます。

吉岡は、神崎の妻・伸子から渡された机の鍵を開け、新聞社に送られてきたものと同じ資料とダグウェイの本を確認します。

ダグウェイはアメリカにある生物兵器の実験場です。

内閣府がかかわる病院設立の本当の理由は、生物兵器を作るためのもので、神崎はそれを阻止したかったのだと杉原と吉岡は確信を持ちました。

裏を取るために、吉岡が都築を突撃取材し時間を稼ぎ、その間に杉原が都築の職場を訪問し資料をあさり証拠写真を撮るのでした。

さらに、確固たる証拠となる神崎からの遺書が杉原に届きました。

事実を東都新聞がスクープしましたが、すぐに誤報だと週刊誌のネタにされてしまいます。

しかし、他社の新聞もその事実を追い始めたのです。

杉原は実名を出してもいいと言っていたので、東都新聞は、杉原の実名を出し続報を発行する決断をします。

しかしその頃多田が、外務省に戻りたい杉原を優しく脅し、情報を忘れるように促すのでした。

さらに、多田は吉岡に父の記事は誤報ではなかったと電話で伝えます。

それを受け、吉岡は杉原に会いに行きますが、やつれた杉原は遠くから吉岡に向かい謝っているように見えました。

新聞記者 を観た感想

杉原は、妻と子を守るため、そして自身の保身のために吉岡を裏切りますが、ラストの顔色を見るといずれ神崎と同じ末路をたどるような予感がしました。

そして、吉岡も真実を追求するジャーナリストとしてがんばってきたのに、結局父親と同じ運命をたどってしまうという悲しい結末にやるせなさを感じます。

悪魔のように見える多田も、もしかするとさらに上からの命令に背けないだけなのかもしれません。

この映画は、ノンフィクションをベースにしたフィクションなのでどこまでが事実なのか知るのが怖いと感じます。

これから、ニュースの見方が変わってしまいそうです。

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