映画「バーニング」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|イ・チャンドン

バーニング

監督:イ・チャンドン 例)2019年2月にツインから配給

バーニングの主要登場人物

イ・ジョンス(ユ・アイン)
本作の主人公、作家を目指しているフリーター。父親の逮捕をきっかけに牛の世話をするために実家に戻る。シン・ヘミに想いを寄せており、彼女の留守中に猫の世話をする。ヘミの失踪後はベンを疑い執拗に追いかける

シン・ヘミ(チョン・ジョンソ)
イ・ジョンスの幼馴染。踊りのアルバイトをしながら生計を立てており、そのアルバイト中にイ・ジョンスと再会する。情緒不安定気味。アフリカへ旅に出る間、イ・ジョンスに飼い猫の世話を頼む。アフリカからの帰国後、ベンと親しくなるがしばらくして失踪する。

ベン(スティーブン・ユァン)
アフリカでシン・ヘミと出会い共に帰国する。何故かお金を持って悠々自適に暮らしている。謎が多い人物でシン・ヘミと交際している。イ・ジョンスには好意的。シン・ヘミの失踪後、猫を飼う。ビニールハウスを燃やす趣味を持つ。

バーニング の簡単なあらすじ

小説家を目指す主人公が久々に再会した幼馴染の失踪事件を追っていくストーリーです。

大人になって再会した幼馴染に想いを寄せ始めたものの、新しい男の登場により幼馴染が変化して失踪に至ってしまう。

主人公はアフリカから共に帰国した男が失踪のきっかけを知っていると疑い、執拗に追い回し真相を解き明かそうとする。

明確な答えは導き出せなかったものの彼が幼馴染に何らかの仕打ちを与えたとし、彼の車に火を付けて葬ったところで終わります。

バーニング の起承転結

【起】バーニング のあらすじ①

再会

主人公のイ・ジョンスは作家としてのデビューを目指しながら、日々アルバイトに励んでいます。

ある日訪れたバイト先で抽選会場の女性から声をかけられます。

彼女は当たりの抽選券をジョンスに渡して当選後、女性物の時計を渡します。

そこで自身がジョンスの幼馴染のシン・ヘミであると告げます。

ヘミはアルバイトの後に飲みに行こうとジョンスを誘います。

ジョンスとヘミは久々の再会にお互いの事をいろいろ語り、ジョンスは作家を目指している事、ヘミは自分はアフリカへ旅に出る事を話します。

そしてアフリカへ行っている間、ジョンスに自分の家に来て猫の世話をして欲しいと頼みます。

後日ジョンスは実家に向かう途中でヘミの家へ寄り、猫の世話を引き受けます。

ヘミの部屋は狭くて物が多い生活感のある部屋で飼い猫の名前は拾った場所からボイラーと名付けた事を聞かされます。

しかしボイラーは姿を見せず、ヘミ曰く知らない人の前にはなかなか出てこないだと言います。

ボイラーの姿が見えないジョンスはヘミの空想の猫ではないかと疑いますが、彼女のために世話する事を約束します。

部屋の中にいるヘミはこの部屋には一瞬だけ日差しが入り込む瞬間があるとジョンスを誘い関係を持ちます。

その後、ジョンスは実家に戻り懐かしい家や牛の世話を始めたが突然電話が鳴り出します。

電話は無言電話で出た途端に切れてしまうのです。

【承】バーニング のあらすじ②

ベンと言う男

ジョンスはヘミの家に向かい猫のボイラーに餌をあげますが、気配はあるのに姿は一向に見せませないままです。

そしてジョンスはヘミの部屋のベットに寝転びヘミの事を想います。

ジョンスが家に帰るとまた無言電話が鳴り響きます。

ジョンスの父は暴行を働き裁判にかけられた為に家にいなかったのです。

ジョンスが父のために用意した書類にサインをもらいに近所を回るも近所の人との交流はほぼ無く、その荒い性格から疎まれていた事を知りました。

一ヶ月ほどしたある日ジョンスがいつもの様にヘミの部屋にいると、ヘミから帰国を知らせる国際電話がかかってきます。

ヘミが帰国するまでの間、毎日ヘミの家を訪れていましたが結局ジョンスは一度もボイラーの姿は見ていないままでした。

ジョンスは空港までヘミを迎えに行き、久々の再会を楽しみにしていましたが現れたヘミの隣にはベンと名乗る男の人がいました。

ベンとヘミはアフリカに居合わせた事で知り合い共に帰国していました。

ジョンスとヘミはベンが贔屓にしている韓国料理屋へ向かいジョンスは2人からアフリカの話を聞きます。

途中ベンの知人が車を用意したので、寝ているヘミを起こして帰宅する事にしました。

ヘミを送り届けるつもりのジョンスでしたが、ベンがおり届けると申し出たため身を引く事にします。

【転】バーニング のあらすじ③

疑念

突然ヘミから電話がかかってきたジョンスは喜びながら会いに行きます。

ヘミ以前の彼女なら訪れない様な閑静な住宅街の中にあるカカフェにおり、彼女の前のテーブルにはコーヒーカップが2つ置いてあったのです。

ヘミはベンが居ると答えます。

ヘミとベンは明らかに以前より親密度が増しており、ヘミに想いを寄せるジョンスは気になりますが2人に誘われるままベンの家を訪れます。

ベンの家は洗礼されていてとても金を持っている様でした。

ジョンスにはベンが謎に包まれていて怪しいように思ったのです。

ベンの家のトイレに入った時、ジョンスは覗いた棚の中に女性物の化粧品やアクセサリーがある事を発見します。

ジョンスはベンがヘミに対して誠実なのか疑いを持ちます。

しかしベンに想いを寄せているヘミの前ではベンに対する疑惑を伝える事は到底できず、ただ2人の光景を眺めていました。

ジョンスを連れてベンやベンの仲間達と合流した所でヘミはアフリカで見た光景や踊りを披露します。

仲間達は見下している様にも見えましたがヘミの話に耳を傾けてていましたが、ベンはヘミの話に感心が無いような態度を隠さずあくびまでしています。

その光景に違和感を覚えたジョンスはその場を離れます。

【結】バーニング のあらすじ④

疑念は確信へ

ある時、ジョンスが牛の世話をしているとヘミからのベンとジョンスの実家に向かっていると連絡が入ります。

ベンとヘミは幼い頃ヘミが住んでいた家の近くを見て回ってきた様で、ヘミは幼い頃の話を始めます。

子供の頃、家の隣の井戸に落ちて誰も見つけてくれないと悲観に暮れていた所、ジョンスに見つけてもらったと言いますが、ジョンス自身その出来事を覚えていなかったのです。

ベンとヘミは大麻を取り出して吸い始めます。

2人とも常習的に吸っていてジョンスにも勧め、ジョンスも吸い始めます。

ヘミは突如服を脱ぎ捨て踊り出し寝てしまいます。

2人になるとベンはジョンスに自分はビニールハウスを燃やすのが好きだと言い出します。

2ヶ月に1度程ならビニールハウスを燃やされても誰も関心を持たず、今日この場所に訪れたのもその下見だと言います。

ヘミとベンが帰ってからジョンスは近所のビニールハウスに気を向ける様になります。

そして、その日を境にヘミからの連絡は途絶えます。

しばらくヘミと連絡が取れないため、ベンに聞くとベンも連絡が取れないと言っていましたが彼の隣には新しい女性がいました。

その女性にも何故かヘミの様な雰囲気を感じる所があったのです。

ベンの家に訪問するとトイレの棚にはジョンスがヘミにあげた時計が入っておりジョンスはベンへの疑念が一層強くなります。

そしてベンが名のない猫を飼いその猫が玄関を開けた途端に逃げ出してしてしまいます。

猫の捜索時、ヘミの飼っていた猫だと疑いを持ったジョンスがボイラーと呼びかけると反応を示した所で疑念は確信に変わります。

確信を持ったジョンスはベンを呼び出し刺し殺し、車ごと燃やして終わります。

バーニング を観た感想

本作は最後まで考えさせられるミステリームービーで、見終わった後にも考えてしまいます。

主人公が自分が想いを寄せる1人の女性がお金を持った男性と出会い、謎の失踪をする。

話の全ては主人公目線から描かれており、最後まで解決する事のない謎に包まれた作品でした。

彼女の失踪にどんな理由があったのか結末についても観る人が想像して完結する作品なんだと言い感想です。

人によってはベンがヘミを殺した、ヘミは自ら命を絶ったと言うかもしれませんがヘミは裏社会に売り飛ばされたのかも知れないとも多くの想像を掻き立てる作品です。

コメント