映画「いちごの唄」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|菅原伸太郎

いちごの唄

監督:菅原伸太郎 2019年7月にファントム・フィルムから配給

いちごの唄の主要登場人物

笹沢コウタ(古館祐太郎)
本作の主人公。冷凍食品会社で働き、自分の会社の商品をとても愛している。あーちゃんが好き。

天野千日 あーちゃん(石橋静河)
コウタと伸二の中学校の同級生。

伸二(小林喜日)
コウタの親友。中学生の時に事故で亡くなる。

いちごの唄 の簡単なあらすじ

コウタは七夕の日、久しぶりに中学の同級生天野千日と再会します。

コウタにとって千日はマドンナ様な存在でした。

七夕は、コウタの親友・伸二の命日でした。

それから、コウタと千日は一年に一度七夕の日だけ、ラーメン屋で再会する約束をします。

コウタは、七夕の日が待ち遠しくてたまりません。

しかし、コウタは千日の秘密を何も知らなかったのでした。

いちごの唄 の起承転結

【起】いちごの唄 のあらすじ①

七夕の再会

コウタは、冷凍食品の会社で働く面倒見のいい優しい男子ですが、なぜか七夕を避けていました。

コウタは、可愛い女の子を陰から見つめてワイワイしている男子学生を見てバカだなと思いながら自分の学生時代を思い出しため息をつきます。

コウタは、中学時代の同級生・天野千日と再会し大興奮です。

その七夕の日は、親友・伸二の命日でした。

コウタは学生時代、密かに天野をあーちゃんと呼んでいました。

コウタは、勇気を振り絞ってあーちゃんをラーメン屋に誘い、自分のことばかりペラペラしゃべるのでした。

コウタのペースにハマったあーちゃんは、それでも楽しそうにしてくれました。

別れ際コウタは、あーちゃんに伸二の命日にまた会いたいと自信なさげにお願いします。

あーちゃんは、そうしようとまた来年あのラーメン屋で会う約束をしてくれました。

コウタは無邪気に街を駆け回り喜びます。

年は明け、コウタは7月を待ち望みそして、去年の7月を思い返してはニタついています。

あーちゃんと会ったラーメン屋の店主にも潰れないでとお願いするのでした。

【承】いちごの唄 のあらすじ②

コウタと伸二の坂

コウタはまた、中学時代を思いだします。

伸二は自転車で坂を降りながら「わー」と叫び畑に飛び込みます。

コウタはそんな伸二と仲良くなり、一緒にレタス畑に飛び込むことをとても楽しく感じていました。

同じクラスのあーちゃんは美人なのにそれをひけらかす感じではなく、コウタと伸二のアイドルでした。

伸二は、いちご園という孤児院に住んでいます。

レタス畑は、いちご園の大切な資金源でしたが、伸二はレタス畑よりいちご園だからストロベリーフィールドを植えたいと園長に訴えていました。

おとなしめのコウタと違い、伸二は明るく人気者でコウタの憧れでした。

あーちゃんもいつも伸二をそっと見つめていました。

いつものように坂道を自転車で駆け降りる伸二とコウタです。

その日は突然雨が降ってきて、軽トラックが坂でスリップします。

伸二は、軽トラックにぶつかりそうなあーちゃんを助けて自分が軽トラックにひかれ死亡したのです。

コウタは、実家に帰ると伸二の事故現場に花を供えにいきますが、いちご園の園長が事故現場に花を供えているのを見かけその場から立ち去りました。

【転】いちごの唄 のあらすじ③

あーちゃんの秘密

また、七夕がやって来ました。

様子がおかしいあーちゃんにコウタは謝ります。

何か悪いことをしたのかと。

あーちゃんは、コウタが自分の事を何も知らないのにやたらと持ち上げることに嫌悪感を抱いていました。

そしてあーちゃんは、コウタに本当のことを打ち明けます。

実はあーちゃんも8歳までいちご園で育ったのです。

伸二とあーちゃんだけ、捨て子で親を知りません。

そのせいでとても仲良しでした。

幼い伸二は、美しいかぐや姫だからいつかきっと迎えがくるとあーちゃんを励ましてくれていました。

それが本当になり、あーちゃんは天野家の養子になります。

中学であーちゃんは伸二と再会しますが、捨て子だった事実を知られたくないと伸二が察し二人が話すことはありませんでした。

あーちゃんは、捨て子であるため自己肯定感が低く、さらにあーちゃんをかばって伸二が亡くなったことや、コウタから親友を奪ったことにとらわれて幸せではありませんでした。

そしてコウタは、あーちゃんから別れを告げられてしまいます。

あーちゃんと会えなくなってしばらくして、コウタはあーちゃんが男といるところを見かけました。

コウタはその男のあとをつけ、あーちゃんを想うあまり殴りかかりますが、逆に殴られ歯が抜けてしまうのでした。

【結】いちごの唄 のあらすじ④

ストロベリーフィールド

地元に帰ったあーちゃんは、いちご園の園長を見かけ声をかけます。

園長もあーちゃんのことを覚えてくれていました。

あーちゃんは、今までの気持ちを園長に打ちあけます。

すると園長は幸せになっていいと言って、あることを教えてくれました。

普通捨て子には名前が無く園長が名付けの親になりますが、あーちゃんの場合は母らしき人から電話があり「千日といいますよろしくお願いします。」

と言われていたのです。

ずーっとずーっとという意味の千日です。

それを聞いたあーちゃんは、怖かった自転車を克服しようと事故があった坂道に行きます。

同じ頃、コウタもまた自転車に乗ってみようと思っていました。

父が自転車に乗りたがらないコウタに、自転車が伸二くんとコウタを仲良くさせてくれたと言ってくれてたからです。

コウタは、事故のあった坂道で偶然あーちゃんに出会います。

二人であの頃のコウタと伸二みたいに坂を降り畑に突っ込むと、そこはレタス畑ではなくストロベリーフィールドが植えてありました。

ストロベリーフィールドは、日本名、千日紅で花言葉は永遠の愛。

伸二はビートルズに憧れてストロベリーフィールドを植えたがっていたのではなく、千日の花だったからだとコウタは、気が付きます。

あーちゃんは、生意気な中学生だねと言いつつ伸二からの愛を感じました。

そしてコウタは、おでんと一緒に抜けた歯を飲んだ話をあーちゃんにするのでした。

いちごの唄 を観た感想

中学生役の子供たちがとても透明感の高い子ばかりで、もっと中学時代のエピソードが見たいなと思いました。

コウタの家族はとても優しく親が居なかったあーちゃんと伸二との対比になっていると思います。

特に描かれていませんでしたが、子どもの頃のコウタは弟から勉強を教わっていたので体が弱く小学校はあまり通えなかったのかな?と感じました。

だから、家族はコウタを心配し大事にし、ダイナミックな性格をしている伸二と仲良くなったことを喜んだのかと思えました。

なぜか、出演者がNHK朝ドラ「ひよっこ」に出演していた人ばかりだなと思って見てましたが脚本家が同じ人でした。

ひよっこのようにじんわりと優しい気持ちになれる作品だと思います。

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