映画「親切なクムジャさん」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|パク・チャヌク

映画 親切なクムジャさん

監督:パク・チャヌク 2005年11月にショウゲートから配給

親切なクムジャさんの主要登場人物

イ・クムジャ(イ・ヨンエ)無実の罪で13年間投獄される。出所した後は復讐をするために色々な手を使う。ペク先生(チェ・ミンシク)クムジャの娘を誘拐し、彼女に身代わりをさせた男。実は殺人犯。ジェニー(クォン・イェヨン)オーストラリアに養子に出されたクムジャの娘。チェ刑事(ナム・イル)クムジャに協力する刑事。伝道師(キム・ビョンオク)事件の詳細をテレビで見て、刑務所のクムジャを改心させようと面会を重ねる。出所したクムジャを迎えに来る。

親切なクムジャさん の簡単なあらすじ

イ・ヨンエ主演、パク・チャヌク監督映画。

復讐三部作の最終章。

美貌と親切を武器に仲間を増やし、13年に及ぶ復讐の準備をしてきたイ・クムジャ。

どうして天使のような顔で犯罪を冒したのか、いったいなぜ復讐を企てたのか。

悲しい秘密がそこにはあります。

【宮廷女官 チャングムの誓い】で一躍トップになった美しき女優・イ・ヨンエの美しき復讐劇です。

親切なクムジャさん の起承転結

【起】親切なクムジャさん のあらすじ①

水玉のワンピースの天使

刑務所の前。

サンタの格好をした男女が伝道師と共にある女性を待っています。

彼らはその女性の噂をします。

刑務所内では「親切なクムジャさん」と呼ばれていた彼女。

出所した姿は13年前に収監された時の水玉のワンピースで出てきました。

それに対し伝道師は舌打ちをします。

冬服を差し入れしていたためです。

韓国特有の、出所時に豆腐を食べ、罪を清める習慣をさせるため、伝道師は差し出します。

13年前、イ・クムジャはウォンモ君誘拐・殺人事件の犯人として逮捕されます。

20歳の若さと美しさに世間は魅了されますが、それと同時にあまりにも残忍な犯行に世間は沸き立ちます。

伝道師はその姿をテレビで見て彼女に会いに行きます。

そうして道標となってきたつもりでした。

しかしクムジャはその豆腐を落とします。

彼女は伝道師が見てきた善良で美しいクムジャではありません。

「余計なお世話」と告げ、彼女はある美容室へと向かいます。

そこには先に出所した女性、キム・ヤンヒがいました。

彼女は売春組織の元締めを殺した罪で収監されました。

そこで優しくしてくれた唯一の受刑者がクムジャでした。

クムジャは変わるきっかけを教えてくれました。

ヤンヒは以前自分が住んでいた暗いアパートを紹介します。

彼女に片思いしているヤンヒ。

変化したクムジャに戸惑います。

しかしその変化によってヤンヒは「もう作戦開始?」と問います。

しかし作戦は元々始まっていたのです。

誰もいない部屋で煙草を片手に笑うクムジャ。

外見は派手にしても、未だに続けていることがあります。

それはウォンモへの祈りでした。

夢の中でクムジャは頭のみ人間、体が獣の生き物に銃を向け、撃ち殺す夢を見ます。

そうして復讐するのが彼女の夢です。

赤いヒールを履き、クムジャはウォンモ君の両親に愛に行きます。

そこで突然自身の指を切断します。

13年の刑務作業のお金は手術に消えました。

【承】親切なクムジャさん のあらすじ②

娘との再会

クムジャはあるケーキ店で働くことになります。

そこにはまだ子供らしい青年、クンシクがいました。

再び刑務所の仲間に逢いに行くクムジャ。

彼女はウ・ソヨン。

銀行強盗の罪で収監されました。

夫も同じです。

そんな中刑務所内でクムジャに腎臓を提供されます。

そうして自身の命を伸ばした彼女はクムジャに頼まれ、夫と共に銃の作成を担います。

そんな中伝道師がクムジャの前に現れます。

しかしクムジャは彼に「改宗した」と告げるのでした。

オ・スヒは姦通罪で収監されました。

彼女は当時女子刑務所内に君臨していた【魔女】に目をつけられてしまいます。

スヒが貫通した女を許せないという理由だけでです。

魔女からスヒを救ってくれたクムジャ。

彼女は出所後、芸術家として活躍していました。

そうして銃の細工を依頼しました。

ケーキ店でクムジャはある男性と出会います。

彼は刑事のチェでした。

ウォンモ君の担当刑事でした。

彼はクムジャが犯人ではないことに気づいていました。

しかし真犯人を上げることができず、結局はクムジャを犯人にしたのでした。

その後クムジャは13年前に生き別れた娘を探すことにします。

福祉局へ出向き、養子に出されたかどうかを知りたいと告げますが、教えて貰えません。

仕方なく彼女はビルに忍び込み、娘の行方を知ることに。

オーストラリアへと養子に出された娘に逢いに行くため、ケーキ店の店主に前借りをお願いしましたが、受け入れられませんでした。

しかし彼女の美しく作るケーキに魅了され、了承してします。

そんな中、クムジャはクンシクと関係を持ちます。

そして彼にウォンモの話を聞かせます。

そして娘がいなかった日のことを。

18歳で身ごもり、仕方なしに教育自習で出会った【彼】に頼ったのでした。

オーストラリアで娘と再会、両親とも打ち解けます。

彼女たちは娘のジェニーをとても可愛がっており、手放すつもりはありそうにありません。

【転】親切なクムジャさん のあらすじ③

ジェニーとの日々

しかしジェ二ーも韓国へ着いてくると言い出し、連れていかないと自殺するとまで言います。

仕方なしにジェニーを連れて帰国し、銃を受取に行きます。

美しく出来上がった銃に魅了されます。

翌日、市場で犬を買いピクニックへ出かけます。

山奥へと進んだ先、廃校の中で子犬に銃を向けます。

その頃、ペクは子供向けの英語教室を営んでいました。

妻もいますがいますが、実は彼女はクムジャの仲間でした。

先に出所したパク・イジョンが美貌を武器に彼に取り入ったのでした。

しかしペクはクムジャと妻が知り合いであることを伝道師から聞くことになります。

一枚上手の彼、クムジャを亡き者にしようと、男二人を派遣します。

しかし返り討ちに。

その頃イジョンは暴力を振るわれていました。

しかし夕飯には眠剤が仕込んであったため、彼は眠りについていました。

イジョンに運転をさせ、以前来た山奥の廃校へ来ます。

そこでペクにジェニーへ通訳をさせます。

そうして彼女に謝罪を終え、イジョンと共に帰宅させます。

そんな中でペクの携帯のアラームが鳴り、見るとウォンモの失くした大魔王のビー玉があります。

しかしよく見るとまだ他にもキーホルダーが。

犠牲者は一人では無かったのです。

チェ刑事に連絡を取り、調査を依頼します。

そんな中ジェニーの養父たちがケーキ店に来ていました。

ジェニーを迎えに来たのです。

【結】親切なクムジャさん のあらすじ④

復讐は最終章へ

廃校に4人の犠牲者の保護者が集められます。

クムジャは隠してあった犯行ビデオを彼らに見せます。

あまりの残酷さに涙を流してその様を見ます。

ビデオを撮ってすぐ殺害されていた子供たち。

あまりの悲惨さに彼らは復讐することを選びます。

その声はペクの部屋にも届いていました。

復讐を遂げていく保護者たち。

ペクに会うと躊躇いは消えていました。

次々と復讐を遂げている保護者たち。

必死で人に痛みを与えるのですから、出てきた頃は満身創痍です。

最後に入ったウンジュの祖母は返り血を気にせず出てきました。

ペクの首筋には鋏が突き刺さっていました。

あと片付けの後、写真を取りペクを山中へ埋葬します。

するとクムジャは最後に銃を打ち込みます。

そして一緒に穴の中へ。

帰宅した保護者たちに、クムジャはケーキを振る舞います。

クムジャは真っ赤なアイシャドウを落としました。

復讐を終えたからです。

しかし彼女の前に突然彼が現れました。

大人になったウォンモです。

しかし彼は謝罪を受け入れることなくいなくなりました。

その頃ジェニーはクムジャのベッドで両親の間で目を覚まします。

クムジャは帰宅の徒に着いています。

彼女の後ろをクンシクがついてきます。

すると目の前に裸足のジェニーが。

クムジャの救いはジェニーだったのです。

沢山の人を巻き込み、親切にし、間違いも沢山冒したクムジャ。

むなしさだけが残りましたが、ジェニーがいます。

そしてジェニーの前で豆腐に顔を押し付けます。

そんなクムジャをジェニーは優しく抱くのでした。

親切なクムジャさん を観た感想

なんとも悲しい作品であり、復讐は意味がないことを教えてくれる映画でした。

復讐は遂げてしまえばどこか空虚になる様でした。

そしてこの映画で一番すごいと感じたのは、クムジャを演じたイ・ヨンエの迫真の演技です。

ジェニーが謝ってあげようか、と言ったシーンでの泣いているのか、喜んでいるのか分からないシーン。

気持ちが伝わるシーンでした。

複雑な表情がとても上手く、引き込まれました。

他にもペクに関しては人としては嫌な人間でしたし、ペクを演じたチェ・ミンシクの演技も上手く、陰鬱とした映画に溶け込んだ人物でした。

かなり暗くはなりますが、イ・ヨンエの美しさが際立つ映画で良かったです。

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