映画「ガタカ」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|アンドリュー・ニコル

映画「ガタカ」

監督:アンドリュー・ニコル 1998年5月にソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/COLTRIから配給

例)ガタカの主要登場人物

ヴィンセント・アントン・フリーマン(イーサン・ホーク)
この物語の主人公であり、近未来の「不適正者」。宇宙飛行士になるのが夢。

アイリーン・カッシーニ(ユマ・サーマン)
この物語のヒロイン。「適正者」であるが、心臓が弱い。

ジェローム・ユージーン・モロー(ジュード・ロウ)
「適正者」であり、もともとは有望な水泳選手だった。ヴィンセントに生体IDの提供をする。

アントン・フリーマン(ローレン・ディーン)
ヴィンセントの弟であり「適正者」。

ガタカ の簡単なあらすじ

遺伝子操作による出産がポピュラーとなった近未来では、自然出産で生まれた子供は「神の子」と言われ、さまざまな差別による理不尽な人生を強いられています。

主人公であるヴィンセントも神の子です。

ヴィンセントの夢は宇宙飛行士になることですが、この職業には遺伝子操作でもって生まれた「適正者」しか就くことができません。

そこで彼は、他者になりすますことで宇宙局ガタカに侵入しました。

並大抵ならぬ努力や他者の協力により、ヴィンセントは憧れの宇宙へ飛び立ちます。

ガタカ の起承転結

【起】ガタカ のあらすじ①

 

生まれた時から不平等

近未来では生まれた赤ん坊が、「適正者」と「不適正者」に分けられるようになっていました。

「適正者」は遺伝子操作によって生まれた子供のことで、体力、容姿、知恵などが優れており、進学や就職など全ての面において有利です。

一方自然な性交によって生まれた「不適正者」は神の子などと言われ、生まれた時から不利な条件を背負わされます。

主人公ヴィンセントは「不適正者」ですが、両親はこのことを反省したようで、弟のアントンを遺伝子操作により出産させます。

子供の頃から、何をやっても弟に勝てないヴィンセントはいつの日か、この狭い地球上で暮らすことよりも、広大な宇宙へ旅立つことを夢見ます。

しかし皮肉にも、宇宙飛行士は適正者にしかなれない職業だったのです。

ヴィンセントは子供の頃から、アントンと遠泳で勝負しますが、優秀な遺伝子を持って生まれた弟になかなか勝つことができません。

しかし日々努力を重ねたヴィンセントは、ある日ついに遠泳で弟に勝利します。

これで不適正者であっても、適正者に勝つことが出来ると自信を付けたヴィンセントは、家を出ていきます。

けれども何もかもが実力でなく遺伝子で判断される社会では、ヴィンセントは圧倒的に不利であり、宇宙飛行士になるための施設ガタカに入局するのも不可能です。

結局ヴィンセントは、トイレ掃除などの仕事をして生活をします。

そんなヴィンセントにチャンスが訪れました。

闇のDNAブローカーの紹介で、「適正者」のジェロームの生体IDを使用することができるという話を聞いたのです。

ジェロームは本来とても優秀な水泳選手でしたが、事故に遭い下半身が付随となってしまったのです。

【承】ガタカ のあらすじ②

 

適正者として生きる

この契約は、ジェロームがヴィンセントに血液などを提供し、ヴィンセントが適正者であるジェロームに成りすます、という内容のものでした。

一方下半身が付随のジェロームは、ヴィンセントの収入の半分を受け取り、生活していくといくという計画です。

これはかなり危険な賭けでしたが、ヴィンセントはジェロームの名で宇宙局ガタカに就職します。

しかしヴィンセントは別人として入局しているため、フケや髪の毛、垢などをガタカの施設内に残すことが許されません。

なぜならこれらが見付かると、「不適正者」であるヴィンセントが、違法で紛れ込んでいると分かってしまうからです。

これらを隠すためのヴィンセントの努力は、並大抵のものではありませんでした。

そんな不遇な状況下、彼は実力を付け、次回発射される探査船の飛行士候補に選ばれます。

そんな中、ヴィンセントはガタカ内で秘書として働く美しい女性アイリーンと出会いました。

ヴィンセントは徐々にアイリーンに恋心を抱きますが、自分の素性がバレることを考えると、彼女と深い関係になることはできませんでした。

そんなある日ヴィンセントの上司が、何者かに殺害されました。

この上司はガタカ内で唯一、「ヴィンセントが神の子ではないか?」と疑っていた人物です。

あいにく殺害現場にはヴィンセントのまつ毛が落ちており、それが警察に押収されてしまいました。

アイリーンはガタカの局長から、局員らの捜査の協力を依頼されます。

【転】ガタカのあらすじ③

 

殺人事件のせいで「不適正者」の侵入がバレる

警察はヴィンセントという不適正者がガタカ内に紛れ込んでいるとし、その人物が局員を殺害したのだろうと推測します。

どんどん立場が危うくなり、追い詰められていくヴィンセント。

なぜならジョロームに成りすまし入局していたことがバレると、一貫の終わりだからです。

警察の捜査は続き、ついにはガタカ内に適正者ではない部外者がいたということが分かります。

その後、ヴィンセントの顔写真が不適正者である容疑者として、拡散されました。

慌てたヴィンセントはジェロームの元へ行き、逃げようと言います。

しかしジェロームは、一度はじめたことを途中で投げ出すことに反対しました。

また警察は、ヴィンセントとアイリーンが食事をしているところに現れ、グラスなどを調べます。

逃げている際に警察が彼を「ヴィンセント!」と呼んだことから、アイリーンはこの名前に疑問を抱きますが、それでも黙ってヴィンセントにキスをします。

後日ガタカの建物の中には捜査官が来ていて、ジェローム、すなわちヴィンセントの座席を調べはじめました。

アイリーンはそれを知り、ヴィンセントに帰宅するよう誘導しました。

さらに捜査官には、ヴィンセントは体調が悪く帰宅したと伝えます。

ところが捜査官がジェロームを見舞いすると言い出し、それを知ったヴィンセントは、ジェロームに慌てて連絡しその旨を伝えます。

ジェロームは下半身が付随なので普段は車いすで生活していますが、それを捜査官に知られるとマズイので、足が不自由であることがばれないように椅子に座り直しました。

その後捜査官はアイリーンと共に、ジェローム宅を訪問します。

ジェローム本人と、さも親しいかのように振る舞うアイリーン。

ヴィンセントも、見えない場所からこのやりとりを見守ります。

【結】ガタカ のあらすじ④

 

憧れの宇宙へ…

間一髪の所で、殺人の真犯人が自供したとの報告が入り、ヴィンセントに対しての殺人容疑は晴れました。

犯人は何と局長のジョセフだったのです。

一方アイリーンはヴィンセントがジェロームになりすましていることや、彼が「神の子」であったことを知り動揺します。

ヴィンセントはとにかく、「自分は殺人を犯していない」と伝えます。

またヴィンセントは宇宙へ旅立つ前に弟と再び遠泳で勝負し、今回も勝利しました。

アイリーンとも出発前に和解し、共に一夜を過ごします。

そしてジェロームに、別れのあいさつをしました。

ジェロームはヴィンセントが宇宙から戻ってきた時に困らないようにと、大量の血液などの見本を用意していました。

「DNAを提供することで、夢をもらうことができた」とお礼を言うジェローム。

そしていよいよ当日、宇宙船に乗り込む前に突如、抜き打ちのテストが行われました。

ジェロームの生体IDを持ち合わせていなかったヴィンセントは、今度こそは見つかってしまうのではと、身構えます。

しかしレイマー医師の協力により、このテストをスルーすることができました。

レイマーの子供は、神の子であり「息子が君のファンだ」と打ち明けました。

ヴィンセントは急に地球が名残惜しくなりますが、宇宙船に乗り込み旅立ちます。

ジェロームは自らの存在を消すことで、完全にヴィンセントのなりすましの証拠を隠滅しようと考え、焼却炉に入り自殺します。

ヴィンセントは、船内でジェロームからの手紙を開きました。

そこにジェロームの遺髪が入っていたことから、全てを悟ります。

ガタカ を観た感想

前半では、弟のアントンなどあらかじめ決められた人々にとって有利な世界が描かれてます。

よって、これがいかにアンフェアで納得のいかない世界であるか、をいやおうなしに見せ付けられるといった印象です。

また後半はスリリングな展開となっており、ルール違反をした主人公の立場が危うくなりハラハラさせられます。

しかしその後、主人公がこれらを上手に乗りこえていく様子すなわちリベンジが描かれていて、そこが清々しいです。

しっかりとしたテーマに沿った人間ドラマも魅力です。

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