映画「僕のワンダフル・ライフ」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|ラッセ・ハルストレム

僕のワンダフル・ライフ

監督:ラッセ・ハルストレム 2017年9月に東宝東和から配給

僕のワンダフル・ライフの主要登場人物

イーサン・モンゴメリー(デニス・クエイド)
主人公。農場経営者。10代の頃はアメフト選手を目指していた。年齢を重ねるにつれて人嫌いになる。

ハンナ(ペギー・リプトン)
高校時代からイーサンと交際。大学進学後は音信不通に。

エリザベス・モンゴメリー(ジュリエット・ライランス)
イーサンの母。アルコールに溺れる夫・ジムに悩まされる。

カルロス・ルイス(ジョン・オーティス)
シカゴ警察に勤める。生真面目すぎて結婚生活に失敗。

マヤ(カービー・ハウエル=バプティスト)
女子大学生。常に何かを食べていて運動が苦手

僕のワンダフル・ライフ の簡単なあらすじ

イーサン・モンゴメリーに命を救われたレトリバーは、「ベイリー」と名付けられて心を通わせていきました。

寿命が尽きた後も幾度となく転生を繰り返しながら、年を取って孤独に生きていたイーサンのもとへと駆け付けます。

ラグビーボールがきっかけで子どもの頃の楽しかった思い出を取り戻したイーサンは、昔のようにベイリーを抱きしめるのでした。

僕のワンダフル・ライフ の起承転結

【起】僕のワンダフル・ライフ のあらすじ①

1回目はレトリバーで遊び回る

8歳の男の子・イーサンが母親のエリザベスに連れられて買い物している時に発見したのは、車の中に置き去りにされて脱水状態になっていた1匹の子犬です。

犬種はレッドのレトリバーで、父親のジムの承諾を得て「ベイリー」と名付けて飼うことにしました。

イーサンの祖父の家に遊びに行った時に、ベイリーは物置小屋から空気が抜けたラグビーボールをくわえてきます。

イーサンがボールに回転をかけて円盤のように投げる、ベイリーがイーサンの背中をジャンプ台にしてキャッチ。

この時の楽しい遊びは、イーサンとベイリーの胸の奥底に深く焼き付きました。

スローイングの才能を生かしてラグビーを始めたイーサンには強豪のミシガン州立大学からスカウトがきていましたが、ケガでプロを断念しなければなりません。

農業学校に進路を変更して、ガールフレンドのハンナとも別れてしまいました。

腎臓が弱ってきて治療が不可能となったベイリーは、イーサンに見守られながら安楽死の処置を受けます。

【承】僕のワンダフル・ライフ のあらすじ②

2回目はシェパードで真面目にお仕事

意識を取り戻したベイリーはメスのジャーマンシェパードドッグ、「エリー」へと姿と名前が変化していました。

警察犬としての厳しいトレーニングと試験をクリアして、シカゴ警察の警察犬部隊・Kー27班への配属が決まります。

エリーとコンビを組むことになったのは、同僚たちからも優秀な警官として評価が高いカルロス・ルイスです。

プライベートではパートナーと別れてから心を閉ざしていて、アパートで孤独なひとり暮らしを送っていました。

勤務時間外でもエリーの面倒を見ているうちに、カルロスも少しずつ気持ちが晴れていきます。

そんな最中にカルロスが担当するパトロール地区で発生したのが、別れ話がこじれた男性が元交際相手の娘を連れ去る事件です。

ブルーのトヨタで逃走中の犯人をパトカーで追いかけたカルロスは、人質になっていた少女の救出に成功します。

エリーは犯人が撃った銃弾を腹部に食らってしまい、涙を流すカルロスの腕の中で殉職しました。

【転】僕のワンダフル・ライフ のあらすじ③

3回目は大勢に囲まれて大満足

次の「犬生」はコーギー犬の「ティノ」で、飼い主のマヤとはどこへ行く時にもリードで結ばれています。

常に何かを食べているマヤの側にいるために、ティノもドッグフードではなくアイスクリームやピザなど人間の食べ物を与えられて空腹を知りません。

出不精なマヤはなかなか外に散歩に連れていってくれないために、体重の増加だけには悩まされてばかりでした。

奥手なマヤにはなかなか異性の友だちができませんでしたが、ある時に大学の勉強会で知り合ったのが愛犬家のアルです。

隣の席で講義を受けることが多くなったマヤとアルは、不器用ながらも少しずつお互いの距離感を縮めていきます。

ふたりはキャンパスの外でも会う機会が増えていき、順調に交際を続けた末にめでたくゴールインです。

チャペルで挙げた結婚式にはそれぞれの両親が出席して、記念撮影ではティノとアルの飼い犬も一緒に写真の隅っこでじゃれ合っています。

マヤとアルは3人の子供に恵まれて、大家族に囲まれたティノにとって今回は文句なしで幸せな「犬生」でした。

【結】僕のワンダフル・ライフ のあらすじ④

4回目にして悲願達成

セントバーナードに生まれ変わったベイリーでしたが、責任感のない若いカップルにあっさりと捨てられてしまいました。

行く当てもなく野良犬としてさ迷っていたところを、中年期から初老に差し掛かっていたイーサンに保護されます。

以前のベイリーの風貌とは似ても似つかないために、イーサンが首輪のネームプレートに刻んだ名前は「バディ」名前です。

夫と死別して落ち込んでいたハンナともベイリーのおかげで素直に打ち解けることができたイーサンは、ようやく若き日の過ちを謝って彼女にプロポーズをします。

祖父から農場を受け継いでいたイーサンがいつものように農作業をしていると、ベイリーがくわえてきたのは空気が抜けてボロボロになったラグビーボールです。

試しにイーサンがボールを投げると、イーサンの背中に飛び乗ったベイリーが見事にキャッチ。

この技を1発で成功させた数日後、首のプレートは「バディ」から「ベイリー」へと変更されているのでした。

僕のワンダフル・ライフ を観た感想

困っている人を見たらすぐに助ける、いつまでも過去を悲しまない、ただ今を精一杯に生きる。

「人生」ならぬ「犬生」の教訓として、いついかなる時もベイリーが心に秘めている3つのお約束は現代社会に求められているのかもしれません。

スペイン系移民のカルロス・ルイスやアフリカ系女性のマヤなど、マイノリティーの人たちが飼い主に選ばれているのも納得できました。

野犬捕獲業者から売り上げ第1主義を掲げるペットショップ、悪質なブリーダーや無責任な飼い主についても考えさせられます。

ベイリーと相棒のイーサン・モンゴメリーが時をこえて巡り合えたように、人間と動物の縁や不思議な絆が感動的です。

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