監督:勝手な女十和子
「彼女がその名を知らない鳥たち」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|白石和弥(実際は旧字体のやです。)
十和子は、同棲相手の陣治に仕事も家事もさせておいて自分は勝手気ままに自堕落な生活をしていました。
しかし、陣治はそんな十和子を愛し、一回り以上歳下の可愛い十和子は、いてくれるだけでいいと思っています。
十和子は、陣治と同棲しておきながら昔の恋人黒崎を忘れられず、その恋人と旅行した時に撮ったビデオを陣治に隠すことなく見返しています。
十和子は、不潔な陣治に体を触れられるだけでキレますが、ちゃっかりマッサージだけはしてもらうのでした。
十和子は、壊れた腕時計をめぐりメーカーに対してクレーマーのように高圧的な態度で電話をかけ続けていました。
その時計は十和子の大切な思い出の時計でした。
メーカーの担当者・水島は、十和子の家までお詫びに伺うといいます。
急に来るなんて失礼だと電話ではキレた十和子でしたが、こっそりその担当者の顔を確認しにいきました。
担当者・水島は背が高いイケメンでした。
十和子は慌てて部屋を片し、水島を待ちます。
しかし、水島は壊れた腕時計を直す部品がないために似たような腕時計を持ってきました。
十和子は、大切な腕時計は代わりがきかないと泣きだします。
泣いてる十和子にキスをする水島。
水島は「来週またきます。
それまでに考えといてください。」
と言って帰っていきました。
【承】彼女がその名を知らない鳥たち のあらすじ②
そんな思わせぶりな水島の行動に十和子は体が熱くなり眠れません。
陣治はそんな十和子に気づき優しく指だけで愛します。
そういう時は拒まない十和子でした。
水島は、わざわざ別のメーカーの似た腕時計を買って来てくれました。
その後、十和子と水島は不倫関係になります。
自堕落な生活をしている十和子ですが、水島と会う時はキチンとした格好をして出かけて行くのでした。
少しクセの強い水島ですが、十和子はのめり込んでいきました。
十和子の姉は、陣治をむげにする十和子を見てまだ黒崎と繋がっているのかと心配しています。
しかし、黒崎だけは絶対無いと自信あり気に陣治は答えるのでした。
ある日、刑事が十和子を訪ねてきます。
かつての恋人黒崎が、失踪していたのです。
刑事とバッタリあった陣治は、焦ります。
そして、陣治は引き留めてもまだ水島と会い続ける十和子に「恐ろしいこと起きるで。」
と脅すのでした。
十和子と付き合っていた頃、黒崎は事業が傾き、借金をします。
金を借りる代わりに十和子を男に差し出していました。
十和子は黒崎を愛していたのでどんな頼みも受け入れます。
しかし、黒崎は、そのお金を借りた人の姪と結婚するから別れてくれと十和子に切り出します。
今までのこと全部言ってやるとキレる十和子に対し、尋常じゃないほど殴るのでした。
【転】彼女がその名を知らない鳥たち のあらすじ③
黒崎の失踪を知っていたかのような陣治の態度を不審に思う十和子です。
職場でケンカし、鼻血を出した陣治は、風呂場で血のついた洋服を洗っていました。
それを見た十和子は前にもそんな事があったような気がします。
水島から電話が入り、家にイタズラでおとなのおもちゃが届き妻が不倫を疑っているといいます。
さらに、水島は顧客データを盗まれたといい、水島は陣治を疑っていました。
水島は十和子に、しばらく距離を置いた方がいいと言うのでした。
自分の立場が危うくなると十和子の気持ちはお構いなく保身にはしる水島です。
そんな時、十和子は水島が壊れた腕時計の代わりに持ってきてくれた新しい腕時計が安物だと知ります。
それでも、会いにくる十和子に結局関係を断ち切らない水島でした。
陣治は、十和子が心配であとをつけてきます。
そして陣治は、水島に騙されてると心配します。
陣治のせいで水島と上手くいかなくなったと思い十和子は怒りますが、陣治に「今のうちに手を切らないとまた大変なことになるで、」と言われ、またと言ったことに十和子は、ひっかかります。
十和子は黒崎の失踪の理由に陣治が関わっていると思います。
そして、陣治は黒崎を土に埋めたと白状しました。
陣治のせいで、一生黒崎に会えなくなったと十和子はなじり、あんたが死ねば良かったといい泣きます。
しかし、二人は何もなかったかのように家でステーキを食べるのでした。
【結】彼女がその名を知らない鳥たち のあらすじ④
十和子は、ナイフを買いに出かけます。
十和子は水島にどうしても会いたいと電話でお願いしました。
そして、十和子は水島が言っていたことは本の受け売りだと気が付きます。
さらに、無くなった顧客データは、陣治のせいではなく水島のミスでした。
顧客データも見つかり余裕が出た水島は、「今日はゆっくりできるよ。」
と十和子に甘くささやきますが、十和子には、その水島と黒崎の姿と重なって見えました。
そして十和子は、とっさに水島をナイフで刺しました。
十和子を付けてきた陣治は「お前を刺したんは俺や。」
と水島にいい十和子をかばうのでした。
黒崎を殺したのも実は十和子だったのです。
水島を刺したことで十和子は、思い出しました。
陣治は、十和子に助けを求められて黒崎の遺体を処分しただけでした。
十和子は陣治に抱きしめられながら、黒崎との過去を思い出していきます。
陣治は、そんな事があっても十和子の全てを受け止めてきたのです。
十和子は、黒崎を殺した後に心身喪失状態となりその記憶だけ無くしていました。
陣治は、十和子との全てが夢の様だったといいます。
「これからは思い出したこと全て抱えて生きていくんや。」
と十和子にいい、そして、「十和子が思いだしたことを全部持ってたる。」
さらに「子どもを産め、十和子の腹の中に入る。
俺を産んでくれ。」
といい、昔を思い出します。
陣治と十和子の出会いは、仕事場でした。
黒崎に暴力を振るわれ、包帯姿の十和子でしたが、陣治は気に入ります。
ケガが治ったあとも、陣治は十和子を笑わそうと友達になりたいと頑張ります。
陣治は十和子のためにマンションも買い、一生懸命働き続けました。
そしてラスト、陣治は崖から落ち自殺しました。
空には鳥の大群。
十和子は陣治を失い、初めて自分の恋人は陣治だけだったと気づくのでした。
彼女がその名を知らない鳥たち を観た感想
十和子は自堕落でクズで男にだらしがない女ですが、見終わってから考えると陣治と同棲しはじめてから黒崎を殺すまでは、幸せそうに見えます。
黒崎と再会し殺してしまうことが無かったら、無償の愛をくれる陣治と暮らし十和子は良い人生になっていったのかなと思いました。
十和子はあれからずっと、心神喪失状態だったのだと思います。
しかし、十和子がナイフを買った時は陣治を刺すものとばかり思っていたので、すっかり騙されてしまいました。
黒崎を自分のものだけにしたくて殺す十和子と、十和子に返せないくらいの貸しを作り十和子の子供に生まれ変わるという陣治は似たもの同士だったのだと思います。
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