「コンテイジョン」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|スティーブン・ソダーバーグ

コンテイジョン

監督:スティーブン・ソダーバーグ 2011年11月にワーナー・ブラザーズから配給

コンテイジョンの主要登場人物

ベス・エムホフ(グウィネス・パウトロー)
アルダーソン社で働く女性。香港出張後、ウイルスに感染し死亡する。

ミッチ・エムホフ(マッド・デイモン)
ミネアポリスに住むベスの夫。

エリス・チーヴァー(ローレンス・フィッシュバーン)
CDCの医師でエリン・ミアーズの上司。

アラン・クラムウィディ(ジュード・ロウ)
人気ブロガー兼フリージャーナリスト

エリン・ミアーズ(ケイト・ウィンスレット)
CDCの医師。ウイルス感染の調査をする為、ミネアポリスに派遣される。

コンテイジョン の簡単なあらすじ

アルダーソン社で働くベスは、香港出張からミネアポリスの自宅に帰宅後、風邪のような症状を訴え、昏睡状態となり急死します。

その頃、ロンドンや香港、東京でも似たような症状で変死する人達が見つかり、ウイルス感染からの死亡だと判明すると、致死率の高いウイルス感染症はみるみるうちに世界中に広まります。

どうにか感染症を食い止めようと研究と調査を進めるチームとその感染症に巻き込まれた人々の脅威とパニックを描いた作品。

コンテイジョン の起承転結

【起】コンテイジョン のあらすじ①

未知のウイルス感染のはじまり

2日目。

アルダーソン社で働くベス・エムホフは、香港出張を終えて、ミネアポリスの自宅へと帰ります。

元恋人に会う為、シカゴに立寄り、空港で飛行機を待つ間、咳と風邪のような倦怠感を感じていましたが、ただの時差ボケだと思っていました。

帰宅から2日後、風邪のような症状が治らないベスは、意識が朦朧とし突然倒れ、夫のミッチは救急病院へ連れて行きます。

昏睡状態となったベスは、そのまま原因不明のウイルス感染により帰らぬ人となりました。

その頃、香港では意識が朦朧としたまま街に出た中国人男性がトラックにはねられて死亡、ロンドンではビジネスホテルに滞在していたモデルの女性がベスと同じような症状で変死した姿で発見され、東京ではサラリーマンがバスの中で高熱を出し急死しました。

フリージャーナリストで、人気ブロガーでもあるアランは、ウイルス伝染病について国家が隠匿していると疑い、1人で調査を始めます。

ベスの死後、ベスの息子のクラークも、具合が悪いとベッドに横になったまま、変死しているのをベビーシッターが発見します。

【承】コンテイジョン のあらすじ②

WHOとCDCによる研究と調査

世界保健機関(WHO)で働くレオノーラ・オランテスは本部から香港へ渡り、ウイルスの感染源の調査を始めます。

中国広東省では、香港で車にはねられ亡くなった青年の恋人が、青年の遺骨を持ったままバスで亡くなっているのを発見されます。

そして、シカゴ在住のベスの元恋人のジョンも自宅で死亡しているのが発見されます。

ジョージア州アトランタの疾病管理予防センター(CDC)のチアーズ医師は、エリン・ミアーズ医師をミネアポリスに派遣し、感染症の調査を始めるよう指示します。

そして、感染症の拡散を防ぐ為、ミネアポリスの一部の学校は閉鎖されます。

アルダーソン社に調査に入ったミアーズ医師は、ベスと接触した人物を追跡し、ベスの帰国後に接触した男性を発見します。

急いでその男性に連絡を取るミアーズ医師でしたが、その男性もすでにウイルス感染していて直後に死亡してしまいます。

調査と研究が進むにつれて、新種のウイルスはコウモリと豚のウイルスが混在したものだと言う事が判明します。

最初の感染者はベスで、感染源は香港だと予測され、CDCの研究所では、新種ウイルスに対するワクチンの製作に取りかかります。

【転】コンテイジョン のあらすじ③

ウイルス感染の拡大と情報が混乱する世界

CDCの研究所のアリー・へクストールは、サッスマン教授にこれ以上ウイルス感染についての研究を進めるのは危険だと、研究の中止を依頼していましたが、サッスマン教授はそれを無視して、密かに研究を進めており、ついにウイルスの培養に成功します。

その頃、全世界でのMEV-1のウイルスの感染者は800万人以上になるだろうと推測されていました。

ウイルス培養に成功したサッスマン教授が聖人のように扱われていると知ったアランは、製薬会社の株が上がり、これから一斉にウイルス培養が始まると予測します。

ウイルス陰謀説を流していたアランは、いつしかネット上で人々からの人気を集めていました。

そして植物のレンギョウが感染症の治癒に効果があるという情報を高値で売り、ネット上ではその情報が瞬く間に拡散され、アランは時の人となり、町中レンギョウを買う人で溢れパニックが起きます。

しかし、その情報はアランがお金儲けの為に作った偽情報で、投資家と組んで仕掛けた詐欺でした。

【結】コンテイジョン のあらすじ④

ウイルス感染の発端と終息への希望

香港で中国政府の高官・ファンと共に調査を進めるWHOのオランテスは、マカオのカジノの監視カメラでベスと日本人のサラリーマンが接触しているところを発見します。

しばらく隔離されていたミッチは、数週間症状が出なかった為、抗体を持っている事が判明し、前妻との娘のジェリーと一緒に帰宅します。

ミネアポリスで順調に調査を進めていたミアーズ教授でしたが、ある夜、滞在先のホテルで具合が悪くなり、自分がウイルスに感染してしまったと察し、チーヴァーに涙ながらに連絡をし、別の調査官を派遣するよう頼みます。

オランテスは、引き続きカジノの監視カメラで、ベスがロンドンで死亡した女性と、香港で死亡した男性はウェイターと接触している姿を発見。

オランテスは、ベスが最初の患者であり、感染発生地はカジノであると確信します。

そんな中、CDCのヘクストール医師が、ワクチン開発に成功します。

ただちに世界中でワクチンが作られ始め、人々の混乱を避ける為に、接種は抽選で決められました。

最初のワクチン摂取が始まったのは、感染症発生から135日目でした。

世界ではすでに2600万人以上の死者が出ていました。

アランは詐欺容疑で逮捕され、ようやく世界にウイルス終息の希望が見え始めました。

そして舞台は、ウイルス発症の1日目に戻ります。

香港の森では、夜中にアルダーソン社のブルドーザーがバナナの木の伐採をしていました。

バナナをくわえたコウモリはその森から逃げるように飛び立ちます。

そしてくわえていたバナナの欠片を養豚施設の上で落とします。

そのバナナの欠片を食べた豚が、業者によって飲食店に運ばれ、豚の下ごしらえをしていたシェフは、仕事中に客に写真撮影を頼まれ、エプロンで手を拭い、手を洗わずに店内へと向かいます。

そしてにこやかに握手をするシェフとベスの写真、ウイルス感染発端の真実が明かされた所で、物語は幕を閉じるのでした。

コンテイジョン を読んだ読書感想

「恐怖は、ウイルスより早く感染する。」

というキャッチフレーズの通り、とてもリアルに作られていて最後まで引き込まれました。

いま実際に起きている感染症と、状況があまりにも酷似していて、鳥肌が立ちました。

2日目から始まり、最後に1日目のウイルス感染の発端の真実が明かされていく構成もおもしろかったです。

目に見えないウイルスが広がっていく様子を、つり革や手すりなどアップで表現しているところも、さすがの演出だと思いました。

映画の発表から9年経った今、コロナ禍で再注目されている映画という事もあり、ウイルス感染症の恐怖についてとても勉強になりました。

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