「アップグレード」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|リー・ワネル

映画 アップグレード

監督:リー・ワネル 2019年10月にパルコから配給

アップグレードの主要登場人物

グレイ(ローガン・マーシャル=グリーン)
本作の主人公。妻を奪われ、人工知能の力を借り復讐を果たそうとする。

コルテス(ベティ・ガブリエル)
グレイと妻が襲われた事件の担当刑事。

エロン(ハリソン・ギルバートソン)
STEMを開発した天才エンジニア。

フィスク(ベネディクト・ハーディ)
グレイを襲撃した犯人。自身もナノボット。

アップグレード の簡単なあらすじ

謎の組織に愛する妻を殺害され、自身も半身不随となった主人公グレイが、脊髄にAIを埋め込み、犯人に復讐していくストーリー。

グレイは、AI「STEM」の力を借り、体の自由を取り戻し、さらには、超人的な能力を得ることとなります。

「STEM」と協力して、妻を殺害した犯人、その組織を暴き出し、復讐を果たしていきます。

そしてついには、その組織の実態を知ることとなるのです。

アップグレード の起承転結

【起】アップグレード のあらすじ①

愛する妻を失い、そして

近未来、人類がコンピュータと共存する社会。

グレイはアナログな車の整備士をし、ハイテク産業コボルト社に勤める妻のアシャと仲睦まじく暮らしていました。

納車のため、グレイは妻を伴い、客であるエロンの家を訪れます。

コボルト社を凌ぐ企業を経営し、天才エンジニアとして有名なエロンは、2人に、自身が開発した人工知能STEMの説明をしました。

エロンの家から帰る2人は、アシャのハイテク車のシステムエラーにより事故を起こしてしまいます。

そこに一台の車が現れ、2人を車から引きずり出します。

緊急通報を受けたドローンが出動しますが、アシャが撃たれてしまいます。

グレイも刺されて動けなくなり、目の前で妻を亡くしてしまいます。

3か月後、グレイは四肢麻痺となる重傷を負い、母に看護され、コンピュータの助けを受ける生活となっていました。

警察のコルテス刑事を訪ねるも、捜査は遅々として進まず、グレイは薬を過剰摂取して自殺を図ろうとするまでに絶望していました。

入院したグレイを、エロンが訪ね、STEMで脳と神経を繋ぎ、身体の回復が可能だと言います。

初めは拒絶しましたが、犯人を見つけたいグレイは、脊椎にSTEMを埋め込みました。

手術はエロンの家で行われ、医師は青く光る眼をしていました。

身体の機能が回復したグレイに、エロンは他言しないようよう釘を刺します。

【承】アップグレード のあらすじ②

復讐のための反撃

自宅に戻ったグレイが、事故当時のドローン映像を確認していると、「指摘してもいいか?」と声がしました。

STEMが脳内で話しかけていたのです。

グレイは困惑しますが、自分も話すことで、STEMと会話ができることが分かります。

STEMの指摘により、犯人の一人が絞り込まれました。

犯人の一人、サークの家に忍び込み、地元のバーの情報を得ますが、その時、帰ってきたサークと格闘になります。

STEMは「助けが必要なら許可を」と言い、グレイが許可すると、身体は勝手に動き、瞬く間に反撃を開始。

グレイが狼狽する間に、STEMはサークを殺してしまいました。

サークを司法解剖した検死官は、コルテス刑事に、サークの体内にはコンピュータシステムが埋め込まれ、腕には銃が仕込まれていたと話します。

一方、エロンはグレンに、STEMを追跡していると言い、開発の秘密が漏れることを恐れ、刑事のまねはするなと強要します。

しかしグレイは、サークの家で得た手掛かりのバーへ行き、もう一人の犯人を突き止めます。

STEMがグレイに代わって拷問し、雇い主のフィスクの名を吐かせることに成功しました。

それ以上聞き出す前に男は死んでしまいましたが、男の体内にはコボルト社のコンピュータシステムが埋め込まれていました。

【転】アップグレード のあらすじ③

STEMの暴走

STEMは、エロンがシステムをシャットダウンしようとしていると言い、すぐにハッカーの元へ行くよう指示します。

徐々に手足の自由が利かなくなる中、ハッカーのジェイミーを訪ね、STEMの指示でシステムを書き換えます。

一方その頃、バーへ来たフィスクは、その眼を青く光らせて、殺害された男の眼からグレイが向かった先の情報を得ます。

フィスクたちが追ってきますが、すんでのところでSTEMの再起動が完了し、グレイは追っ手の一人を殺して逃げます。

家に戻ると、グレイはSTEMを拒絶しますが、STEMは再起動により、グレイの許可なしに動けるようになったと言います。

STEMと話すグレイの声を、コルテスが盗聴していました。

STEMはグレイに、フィスクを殺すよう言います。

STEMが特定したフィスクの元へ行き、フィクスと対峙したグレイは、襲撃事件はコボルトが狙いではなく、グレイが狙いであったと知ります。

そしてフィスクを殺した後、事件を指示したものを探れとSTEMに言われ、フィスクの電話を聞くと、「片を付けろ」というエロンのメッセージが入っていました。

【結】アップグレード のあらすじ④

すべてを支配するものとは

グレイは、エロンの家に乗り込みます。

コルテスもまた、エロンの家に来ていました。

グレイを逮捕しようとするコルテスに対して、グレイの制止を聞かずSTEMが勝手に動き、逆にコルテスを脅かします。

グレイはSTEMを止めるため、コルテスに頼み、テーザー銃で気を失います。

目覚めたグレイに、エロンは、何年も前から、STEMが自身の会社を操っていたと明かします。

すべてSTEMの仕組んだことだったのです。

エロンは、事故は、人間の体にSTEMを埋め込むために、故意にグレイを四肢麻痺にしようとしたもの、そして、他のSTEMを作らせないためにエロンを殺そうとしていると言うのです。

STEMはグレイの体を支配し、エロンを刺し殺してしまいます。

そして、コルテスに銃口を向けるSTEMに、グレイは何とか反抗し、銃口を自分に向け引き金を引きました。

グレイが病院のベッドで目を覚ますと、身体が元の通りになっていました。

STEMの声はしません。

そして愛するアシャも生きています。

ところが、現実では、STEMがグレイを乗っ取り、コルテスを撃ちます。

グレイの心は壊れ、夢の中で生きています。

グレイの身体を支配したSTEMは、無表情にその場を去っていきました。

アップグレード を読んだ読書感想

AIがテーマの映画は多々ありますが、本作は、一人の人間の中に、本人とAIが共存するという点が異質です。

AIとの掛け合いはコミカルでもあり、また、アクションシーンはAIならではのロボットのような動きで斬新です。

それを主人公の人間目線で見ているので、とにかくヒヤヒヤハラハラで手に汗握ります。

初めは、グレイとSTEMの噛み合わない会話など笑えていたのですが、STEMの言動にだんだんと怖くなっていきました。

1時間半程度で、とてもテンポよく進むので、あっという間に見られます。

SFやAIの難しい部分もあまりないので、考え過ぎずに楽しめました。

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