映画「ドリームガールズ」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|ビル・コンドン

映画「ドリームガールズ」

監督:ビル・コンドン 2007年2月にパラマウントから配給

ドリームガールズの主要登場人物

ディーナ(ビヨンセ・ノウルズ)
3人グループである、ドリームガールズのメンバー3人の中で一番美人と言われている。大人しく、あまり自分の意見をはっきり言わない性格だが、自分がこうだと決めると貫き通す。マネージャーであるカーティスに指示され、リードボーカルを担当する。

エフィ(ジェニファー・ハドソン)
ドリームガールズのメンバー。ずっとリードボーカルだったが、時代と容姿を理由に担当を外される。3人グループで一番歌唱力が高い。見た目も歌い方もパワフルで、自分に自信がある。

カーティス(ジェイミー・フォックス)
ドリームガールズのマネージャー。ドリームガールズが所属するレインボーレコードの創設者。野心家でマネジメントに長けている。自分が成功するために多少の犯罪に手を染めても構わない。エフィと付き合い、のちにディーナと付き合う。

ドリームガールズ の簡単なあらすじ

歌手として有名になるためにオーディションを受ける3人グループ。

歌、ダンスともに申し分ないのですが、マネジメントに欠けるグループを見て、その将来性を感じたカーティスが声をかけ、既にある程度の位置まで上り詰めていた男性歌手のバックコーラスとしてデビューすることに成功します。

ついには自分たちだけのステージに立ちますが、なんとか売りだそうと模索する中でレコード内で対立が起こります。

カーティスのワンマン経営に仲間の心は離れていき、ドリームガールズ解散の日を迎えることとなります。

女性グループとして一世を風靡したスプリームスをモデルとしたミュージカル映画です。

ドリームガールズ の起承転結

【起】ドリームガールズ のあらすじ①

歌で生きていく

ディーナ、エフィ、ローレルはドリームメッツというグループ名で、幼いころから歌手になって売れるのを夢見ていました。

エフィの兄が作詞作曲、振り付けをした曲に、エフィの力強い歌声を乗せ、ディーナとローレルがバックコーラス兼ダンスで魅せます。

瞬く間に会場は大盛り上がりで本人たちも優勝を確信しましたが、汚いお金がうずまく世界で、純粋な彼女たちはまだ陽の目を見ることができません。

そこに偶然来ていたカーティスの目に留まります。

彼は頭の回転が速く、すばらしいマネジメント力で、すでにトップアーティストの地位にいるジミー・アーリーのバックコーラスに推薦します。

手癖の悪い既婚者のジミーは、何度もバックコーラスの女性に手を出しては振られ、彼女たちに逃げられていました。

双方の利益が見事に合致したタイミングで、ドリームメッツは見事舞台デビューを果たします。

しかし、バックコーラスとしてではなく、自分たちだけのステージに立ちたいと常に思い続け、カーティスに依頼する日々でした。

そしてついにデビューすることが決定したのです。

【承】ドリームガールズ のあらすじ②

リードボーカルは私

いち早くジミー・アーリーの歌手としての落ち目を感じたカーティスは、白人たちがステージに立つディーナをうっとり観ていることに気づきます。

黒人が歌手として地位を築くには非常に難しい時代です。

その中でもなんとか売り出したいレコード内部では、まずはグループ名をドリームメッツからドリームガールズ変えると宣言します。

さらに、リードボーカルの担当をエフィではなく、容姿端麗なディーナにしようと言い出しました。

私たちは家族であり、家族のために我慢してほしい、と言われてしまいます。

これはグループとして売り出す戦略であり、自分に絶対的な自信があるエフィの個人的意見は通りません。

エフィは自分は世間に認めてもらえない醜い存在なのか、と不信感をぬぐい切れませんが、そんなエフィを横目にドリームガールズはグループとして大成功します。

マスコミに取り上げられるのもチヤホヤされるのもディーナです。

ディーナとカーティスの仲を疑い、ストレスで体調を崩すエフィですが、ドリームガールズはエフィのわがままを待っていられる余裕はないほど売れっ子になっていったのです。

そんな中、エフィの妊娠が発覚します。

それを伝えるために、年末コンサートのリハーサルの場所へ向かいましたが、そこにいたのは練習をさぼってばかりだったエフィの代役でした。

それを見たエフィは激怒し、激しい言い争いになります。

妊娠の事実を話せないまま、エフィは違約金をもらい、事実上のクビになりました。

【転】ドリームガールズ のあらすじ③

募る不信感

月日は流れ、エフィの子どもも大きくなりました。

やさぐれてしまったエフィですが、歌で生きた行きたいという思いは変わらず、小さいバーのステージに立っています。

長い年月の間にレインボーレコードは成長を遂げ、たくさんの歌手、グループを抱えるまでとなっていました。

カーティスとディーナは結婚し、大豪邸に住んで、白人の執事までいる、誰もがうらやむ生活をしています。

時代の流れを察知する能力に長けているカーティスはディスコ調の歌をドリームガールズに歌わせ大ヒットさせます。

しかしその曲はエフィの兄がエフィのために書いた曲だったのです。

自分に合わない仕事を、ディーナのため、売れるため、と持ってくるカーティスですが、ディーナの気持ちは全く考えてくれず、しまいには、君の歌声は僕がミキシングで作り上げている声、だから売れるんだ、と言われ、ますます不信感がつのります。

そんな最中、エフィの曲を自分が奪い、エフィの復活するチャンスを潰してしまったことを知ったディーナは、泣きながら謝罪の電話をし、カーティスとの、また、グループとの決別を決心します。

【結】ドリームガールズ のあらすじ④

さようなら、ドリームガールズ

カーティスが昔から様々な悪事を働いていたことを知ったディーナは、再会したエフィに謝ります。

それをエフィは受け入れ、子どもの存在を明かすとディーナは驚きますが、カーティスには言わないで、とエフィは言います。

カーティスとも再会したエフィは昔、別れの時に彼に言われた言葉を皮肉って彼に言い放ちます。

エフィは弁護士を連れてレコードに来ていました。

それを知ったカーティスは、昔からの悪事が記載してある手帳の内容をエフィに話したのはディーナだと確信します。

しかし、ディーナと話し合うのは後回しにしてその場を去っていきました。

それを見たディーナは、彼の中での私はただの商品(プロダクト)でしかなかったのだ、という表情をし、家を出ていきます。

もはやエフィを阻むものはいません。

ドリームガールズのお別れコンサートにエフィはグループの一員としてステージに立ちます。

ディーナは、ドリームガールズは3人ではなく4人です、と言いエフィを紹介し、ラストに4人で We are familyを歌います。

ドリームガールズ を観た感想

スプリームスにこんな逸話があったのか、と驚いたのが本音でした。

どこの世界も売れるためにはとてもシビアで、個人の意見は関係なく、商品として取り扱い商業的に処理することがどうしても必要になってくるのでしょう。

ドリームガールズは名前の通り、夢を持った少女たちから始まり、またその少女たちに戻っていく映画です。

カーティスという野心家のマネージャーに翻弄され、その中でも自分たちの歌声を模索し、忘れていた大切なものを思い出す流れがとても綺麗でした。

聞こえる歌声はすべて素晴らしく、重要なシーンを歌で魅せるミュージカル映画です。

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