映画「劇場版 呪怨」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|清水崇

映画「劇場版 呪怨」

監督:清水崇 2003年1月に東京テアトル、ザナドゥーから配給

劇場版 呪怨の主要登場人物

仁科理佳(奥菜恵)
光ヶ丘総合福祉センターで主に老人看護のボランティアをしている女子大生。訪れた徳永家で俊雄を発見する。

徳永仁美(伊東美咲)
徳永家の主・勝也の妹。勝也たちを心配して連絡を取ろうとしていたが、伽椰子の呪いに触れてしまう。

佐伯剛雄(松山タカシ)
佐伯家の主人。ある日妻の伽椰子を惨殺し、自身も変死を遂げる。

佐伯俊雄(尾関優哉)
剛雄と伽椰子の息子。母・伽椰子が殺されてから行方不明になっている。

佐伯伽椰子(藤貴子)
夫・剛雄に無残に殺され、凄まじい怨念を持って家を訪れる者に襲いかかる。

劇場版 呪怨 の簡単なあらすじ

過去に凄惨な殺人事件が起きたとある家。

そこへ移り住んで暮らしている一家の老女の世話をすることになった女子大生の理佳は、その家で凄まじい呪いに触れてしまいます。

さらにその家と関わった者たちが次々に不可解な失踪や死を遂げ、理佳はなんとか呪いの謎を解き明かそうとしますが、呪いは例外なく理佳にも忍び寄っていました。

劇場版 呪怨 の起承転結

【起】劇場版 呪怨 のあらすじ①

放置された老女と閉じ込められていた俊雄

じゅおん【呪怨】強い怨念を抱いたまま死んだモノの呪い。

それは死んだモノが生前に接していた場所に蓄積され、「業」となる。

その呪いに触れたモノは命を失い、新たな呪いが生まれる。

…女子大生の仁科理佳は、福祉センターで老人看護のボランティアをしていました。

ある日老女・徳永幸枝の担当者と連絡が取れなくなり、急遽理佳が徳永家を訪問することになりました。

本来は担当者と訪問しないといけませんが、上司は無理を言って理佳を一人で行かせます。

理佳は徳永家のチャイムを鳴らしますが、何の応答もありません。

玄関は施錠されておらず、理佳はドアを少し開いて声をかけます。

家の中は酷く散らかっていて、シャンデリアがかすかに揺れていました。

奥のすりガラスのドアに爪を立てる指が見え、理佳は急いで中に入っていきました。

部屋では幸枝が奥の間で放置されたままになっていました。

理佳は締め切られていた雨戸や窓を開け、お漏らしした布団を干したり黒ずんだ畳を雑巾で拭いたり掃除し始めます。

掃除機をかけていると写真を吸い込んでしまいました。

見ると夫妻と男の子が写っていますが、妻の顔だけ切り取られています。

理佳は不審に思いましたが、掃除機を持って2階に上がりました。

すると奥の部屋から物音が聞こえ、その部屋へ入ります。

しかしその部屋の様子を見て理佳は驚愕しました。

ベッドは刃物で切り裂かれており、窓は目張りされ、襖もガムテープで塞がれているのです。

その襖の奥から音がして、理佳は襖を開けました。

中では一瞬黒い猫が見えたかと思ったら、小学生くらいの男の子・俊雄がいました。

男の子のことを聞こうと理佳は幸枝に問いかけますが、幸枝は一切反応しません。

理佳は男の子が閉じ込められていたことを福祉センターに報告する電話を入れます。

電話を切った直後その電話が鳴り響き、電話はこの家の主人・徳永勝也の妹、仁美からで、「連絡をくれ」という伝言が残されました。

【承】劇場版 呪怨 のあらすじ②

呪いの家の過去

理佳が振り向くと2階の手すりから男の子が覗いていました。

名前を聞くと男の子は気味悪い声で「俊雄」と答えます。

その後理佳は幸枝を布団に寝かせますが、天井を見た幸枝が悲鳴を上げます。

そして理佳は幸枝の上にのしかかる女・伽耶子を見てしまい、あまりの恐怖に失神してしまいました。

数日後、理佳と連絡が取れないため福祉センターの上司が徳永家を訪問し、幸枝の死体と放心状態の理佳を発見します。

上司は警察に連絡した後、夜になって遺体で発見されてしまいました。

徳永家での現場検証中、中川刑事が徳永勝也の携帯電話に電話をかけると天井裏から着信音が聞こえ、そこで勝也と妻・和美の遺体が発見されます。

5年前、実はこの家で殺人事件が起こっていました。

当時の住人・佐伯剛雄が妻の伽椰子を刃物で切り刻んで殺害し、後に剛雄も変死体で発見されたのです。

夫妻の息子の俊雄は今も行方不明のままです。

その後この家に住んだ住人や訪れた者は失踪したりするようになり、徳永家もその影響を受けていました。

勝也は家を購入し、和美、認知症の母・幸枝と暮らし始めます。

勝也の妹である仁美も度々家を訪れていました。

家では夜によく物音がしましたが幸枝のせいだと思われていました。

ある日和美は居間で昼寝中に物音で目を覚まし、幸枝に声をかけます。

しかし幸枝の声は物音とは違う方から返ってきました。

この時和美は気づいていませんでしたが、物音がした部屋の襖には子供の手の跡が残っていました。

和美は黒猫を見つけ後を追います。

しかし猫の横から伸びる白い手、さらに白い足も見てしまい気絶しました。

夜帰宅した勝也は放心状態で倒れている和美を発見し、救急車を呼ぼうとします。

その時何かの気配がしました。

振り返ると真っ白な男の子が和美を覗き込んでいます。

突如押入れからドンと音がし、和美は奇妙な声を出しそのまま息絶えてしまいました。

さらに勝也には佐伯剛雄が乗り移ってしまいます。

【転】劇場版 呪怨 のあらすじ③

仁美を襲う恐怖

仁美は徳永家を訪問しますが、勝也に追い返されてしまいます。

その後勝也は2階へあがっていき、後日天井裏で和美と遺体で発見されることになります。

仁美は会社から勝也に電話をしますが、背後で妙な物音が聞こえ急いでトイレに逃げ込みます。

そしてそこで白い足を目撃しました。

そこに勝也から電話がありましたが電話口からは奇妙な声が聞こえ、さらに黒髪の女が現れました。

仁美はクマのストラップを落としながら急いで逃げ、警備員に様子を見てきてほしいと頼みます。

しかし警備員室のモニターで警備員に黒いもやのようなものがまとわりつくのを見てしまい、仁美はまたもその場から逃げ出しました。

そしてエレベーター各階にいる俊雄に気づかないまま、自宅マンションの部屋に戻りました。

そこに勝也からマンションの前まで来ていると電話があります。

702号室だと伝えるとすぐにチャイムが鳴りました。

仁美は覗き穴から勝也の姿を確認してドアを開けますが、そこには誰もいません。

怖くなって布団にもぐりこみます。

突如テレビの映像が乱れ、女性キャスターの声が奇妙な声になりました。

急いでテレビを消した仁美の手には、なぜか落としたはずのストラップがあります。

そして突如布団がもりあがり、中にいる伽椰子にひきずられ、仁美は布団の中へと消えていきました。

…元刑事の遠山は佐伯家の事件を苦にして刑事をやめていました。

中川刑事は佐伯家の事件を知る遠山に協力を要請し、仁美の会社で不審死した警備員の監視カメラ映像を見せます。

すると警備員に影がまとわりついて広がり、白い目が出現。

目が合った遠山は愕然とします。

家が呪われていると確信した遠山は焼き払おうと徳永家に入り込みます。

そこでなぜか女子高生姿の娘・いづみ(まだ小学生)と遭遇しますが、いづみはそのまま去っていきました。

直後2階で女子高生の幻影、そして這い寄ってくる伽椰子を見てしまい、発狂しながら階段を降ります。

【結】劇場版 呪怨 のあらすじ④

逃れられない

遠山は玄関にいた2人の刑事に抱きつき、この2人も伽椰子を目撃しました。

後に遠山は自殺。

2人の刑事も行方不明となってしまいます。

4年後、高校生になったいづみは修学旅行の帰りに友人の沙織、千晶、綾乃と幽霊屋敷と呼ばれている家に行きました。

しかし怖くなったいづみはすぐに帰ります。

残った3人は行方不明となってしまいました。

後日、修学旅行の写真に1枚もいづみが写っていないことに気づいた友人の千春と美雪が、写真を再現像してくれるよう担任に頼み、写真を持っていづみの家を訪ねます。

いづみは窓を新聞紙で目張りし、部屋に引きこもっていました。

あの家へ行ったことを話したいづみは発狂してしまいます。

千春と美雪が後で写真を見てみるといづみの目が黒く塗りつぶされたようになっていました。

夜、いづみは仏壇に手を合わせ「あの時、お父さんを見たんだよ」と話しかけました。

するとそこに行方不明の3人が現れ、さらに伽椰子も出てきていづみを仏壇へと引きずり込んでしまいました。

…関係者の中で唯一生き残った理佳は、同級生で小学校教師の真理子と会います。

真理子は自分のクラスの児童1人と連絡が取れないと話しました。

そんなことを話していると理佳の足に猫の尻尾が触れ、下をのぞいた理佳は俊雄を見て悲鳴をあげます。

その後真理子はその児童の家を訪れ、親がいないと理佳に電話しました。

猫の鳴き声が聞こえた理佳は嫌な予感がし、真理子にその児童の名前を尋ねます。

名前は「俊雄。」

理佳は慌ててあの家へと向かいます。

2階から物音がして上がると、真理子が天井裏へ消えていき、代わりに伽椰子が這い出てきます。

理佳は1階へと逃げ、ふと鏡にむかっていないいないばあをしてみると、顔が伽椰子になっていました。

そして服の隙間から伽椰子が出てくる幻覚を見ます。

そこに2階から剛雄が降りてきて襲いかかり、理佳は惨殺されてしまいます。

後日、理佳は天井裏から発見されました。

劇場版 呪怨 を観た感想

この恐怖はトラウマレベルとも言えるでしょう。

出し惜しみなく姿を現す白塗りの俊雄、耳から離れない伽椰子の声とあの這いまわる動きはあまりにも気持ち悪く、最初から最後まで観るものを休ませてくれません。

家に入っただけで理不尽な呪いに振り回される人たちをこれでもかと目の当たりにし、伽椰子が抱く怨念の深さを思い知らされることになります。

ジャパニーズホラーの頂点「リング」とはまた違う恐怖、雰囲気、絶望感を感じることができますね。

伽椰子のビジュアルは貞子以上で、心臓がバクバクするような恐怖を感じたい人にぜひおすすめの作品です。

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