【ネタバレ有り】鴨川ホルモー のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:万城目学 2006年4月に産業編集センターから出版
鴨川ホルモーの主要登場人物
安倍(あべ)
本作の主人公。京都大学に入学し、京大青竜会のメンバーとなる。さだまさしの大ファン。
高村(たかむら)
安倍の友人。京都大学に入学し、安倍と共に京大青竜会のメンバーとなる。帰国子女。
早良京子(さわらきょうこ)
京大青竜会のメンバー。安倍が好意を抱いている女子大生。
芦屋(あしや)
京大青竜会のメンバー。スポーツマンといった外見のイケメン。安倍とはウマが合わず仲が悪い。
楠木ふみ(くすのきふみ)
京大青竜会のメンバー。理系の女子メンバー。「汎ちゃん」というあだ名をもつ。
鴨川ホルモー の簡単なあらすじ
京都大学に入学した安倍は葵祭りのエキストラのアルバイトをしていた。その帰り道、京大青竜会から新歓コンパの勧誘を受ける。京大青竜会に入会した安倍はそこで謎の競技ホルモーに出会い、死闘を繰り広げていくことになる
鴨川ホルモー の起承転結
【起】鴨川ホルモー のあらすじ①
京都大学に二浪した末に入学した安倍。
京都三大祭りのひとつ、葵祭りのエキストラのアルバイトにいっていた安倍はその帰り道、同じアルバイトに参加していた高村と出会う。
高村と話していると、サークルの新入生の勧誘をしていた京大青竜会から勧誘を受ける。
後日、京大青竜会の新歓コンパの会場「べろべろばあ」にいった安倍は同じ新入生である早良京子に一目ぼれしてしまう。
安倍は高村らとともに新歓コンパ以来、毎週水曜日の例会や、週末の野外レクリエーション活動に積極的に活動していた。
やがてホルモーについて語られ、四条烏丸交差点の会が行われる。
安倍ら十名の新入生が参加。
京都大学青竜会を含めた四つのサークルが一同に会した。
【承】鴨川ホルモー のあらすじ②
ホルモーとは、十人と十人で対戦を行う集団競技のようなものである。
対戦に際しては幾多の式神や鬼を用いる—京都大学青竜会会長である菅原の説明にそんなものあるわけないと疑う安倍。
夏休み前の最後の例会は上級生のおごりという呼びかけで新歓以来の居酒屋で開催された。
そこで菅原はホルモーについて一回生から嵐のごとき激しい質問の矢を浴びていた。
口火をきったのは芦屋だった。
菅原はまず「鬼語」を覚えないといけないという。
後日、吉田代替わりの儀が執り行われる。
前半は女人禁制ということで男子メンバーだけが行く。
そこで行われたのは奇想天外な舞だった。
無事、吉田代替わりの儀を終えた安倍たちの前に小さな影がざわざわとうごめく。
式神が姿を現した。
【転】鴨川ホルモー のあらすじ③
相手の本拠地、立命館大学衣笠キャンパスを目指して、自転車にまたがり、夜の都大路に飛び出す安倍ら京大青竜会のメンバー。
これが安倍たちの処女ホルモーの出発だった。
午後十時、「鴨川ホルモー」初戦、衣笠ホルモーの火蓋が切って落とされる。
だが、高村の致命的なミスにより敗北。
その後、高村の消息がようとして知れなくなる。
長い間行方不明になっていた高村の身を心配していた安倍のもとにある日、ひょっこり高村が戻ってくる。
だが、高村の頭は見事なまでに剃り上げられており、頭頂部にはチョンマゲが乗っていた。
高村と久しぶりに話した安倍は高村からある衝撃的な事実を聞かされる。
好意を抱いていた早良京子は実はすでに芦屋の彼女だったのである。
【結】鴨川ホルモー のあらすじ④
衝撃的な事実を知った安倍は近所のスーパーで大量の食糧を買い込み、無期限の引きこもりに突入してしまう。
その引きこもりも九日目をもって否応なく終了を迎え、安倍は菅原に青竜会を脱退したいという旨を告げる。
だが、途中で脱退するとペナルティーがあることを知る。
菅原から別の方法である「第十七条」発議のため安倍はその協力要請に奔走。
無事、協力者を集め、京大青竜会を二分した京大青竜会ブルースを結成。
しかし、ブルースのメンバーは黒いオニを見るようになってしまった。
これを見ないようにするためには十七条ホルモーで優勝しなければならない。
安倍たちは勝ち進み、決勝戦で芦屋率いる京大青竜会神選組と対戦。
安倍率いるブルースは反則負けしてしまうが、もう黒いオニを見ることはなくなっていた。
鴨川ホルモー を読んだ読書感想
山田孝之主演で映画化になった青春ファンタジー小説。
この小説のもっとも特徴的なのは斬新で奇抜な発想・奇想天外なストーリーにある。
この物語の肝となっているのは「ホルモー」という謎の競技。
それだけでも斬新さという点でおもしろいのだが、それだけではない。
文体が軽妙というかコミカルでとてもおもしろい。
言葉選びがうまく、クスっと何度も笑わせてくれる。
ここまで文章で笑わせてくれる小説はそうそうない。
キャラクターもしっかりキャラがたっていておもしろい。
特に汎ちゃんというあだ名がつけられた楠木ふみとチョンマゲになった高村は印象に残る。
他の登場人物も人間味があって実にいい。
笑える小説が読みたいと思ったらおすすめする作品である。
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