映画「屍人荘の殺人」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|木村ひさし

映画「屍人荘の殺人」

監督:木村ひさし 2019年12月に東宝から配給

屍人荘の殺人の主要登場人物

葉村譲(神木隆之介)
本作の主人公。神紅大学経済学部一回生。ミステリ愛好会会員。『ワトソン』と呼ばれている。

剣崎比留子(浜辺美波)
謎の美少女探偵。同文学部二回生。

明智恭介(中村倫也)
ミステリ愛好会会長。同理学部三回生。自称『神紅のホームズ』。

進藤歩(葉山奨之)
映画研究部部長。同芸術学部三回生。

星川麗花(福本莉子)
進藤の恋人。同芸術学部三回生。

重本充(矢本悠馬)
ホラー映画マニア。同芸術学部二回生。

名張純江(佐久間由衣)
同芸術学部二回生。

下松孝子(大関れいか)
同社会学部三回生。

七宮兼光(柄本時生)
紫湛荘オーナーの息子。同映画研究部OB。

立浪波流也(古川雄輝)
同OB。七宮の友人。

静原美冬(山田杏奈)
音楽フェスの参加者。

屍人荘の殺人 の簡単なあらすじ

神紅大学映画研究部に一枚の脅迫状が届いたのがきっかけとなり、いわくつきの映研主催の夏合宿にミステリ愛好会の葉村と明智、そして同じ大学の剣崎比留子がペンション『紫湛荘』を訪れます。

しかし紫湛荘では想像だにしなかった事態に見舞われてしまい、参加者は籠城を余儀なくされてしまいます。

緊張と混乱の夜が明けると、部員の一人が密室の状態で惨殺死体となって発見されてしまいます。

それは、連続殺人の幕開けだったのです。

果たして連続殺人の犯人は誰なのか、今までのミステリ作品にはない奇想天外な新しい作品です。

屍人荘の殺人 の起承転結

【起】屍人荘の殺人 のあらすじ①

紫湛荘

神紅大学映画研究部では毎年夏合宿と称したコンパが開かれていました。

去年の夏、合宿中に女子部員が一人行方不明となり、いわくつきのイベントとなりました。

部長進藤を中心に今年も夏合宿が行われる中、映研に謎の脅迫状が届きます。

脅迫状の内容は【今年の生贄は誰だ】クラスの友人にその噂を聞きつけた剣崎が学内でホームズ&ワトソンと呼ばれているコンビ、明智と葉村に合宿の参加話を持ち掛けた事がきっかけとなりペンション・紫湛荘へ足を運ぶ事となりました。

夏合宿参加者は進藤、星川、重本、名張、下松、七宮、立浪そして明智、葉村と剣崎の10名。

紫湛荘の近くでは音楽フェスが開催されており、企画内の一環でメンバーはフェスへ参加する事となりました。

会場では怪しげな車が一台、数名の男達が注射器を持ちフェスのスタッフに扮して人ごみの中へと消えていき、次々とフェスの参加者に注射器を刺していきます。

被害にあった参加者達は次々に体調不良を訴え始めます。

それが今回紫湛荘で起こる予期せぬ事件の始まりとなるのです。

同時刻、メンバーの七宮と立浪は会場内で携帯電話を拾い静原と出会い巧みな話術で紫湛荘へ招き入れます。

明智は『まだ事件は起きていないが犯人がわかった』と謎の言葉を葉村に言いました。

【承】屍人荘の殺人 のあらすじ②

遭遇

フェスの会場内では相変わらず体調の優れない参加者達が続出していきます。

下松は道端でうずくまっている参加者に声をかけます。

なんとその参加者はゾンビと化していたのです。

数名の男達がもっていた注射器の中には人間をゾンビに変貌させてしまう謎のウイルスが入っていました。

下松は抵抗するもゾンビに襲われてしまいます。

その時、名張と重本が倒れている下松を発見します。

顔には大きな傷があり意識がない為諦めかけたその時、下松は息を吹き返します。

しかし目が開いた瞬間、その姿は普段の下松ではなくゾンビ化した下松の姿でした。

下松には既に自らの意思はなく、ただ生きている人間を襲う事だけを目的としていました。

ホラー映画マニアの重本は、ゾンビ映画ももちろん好んで観ていた為唯一ゾンビの倒し方を知っていました。

それは脳を破壊する事です。

ゾンビ化した参加者達が近づいてくる中、自力で紫湛荘まで逃げる名張と重本。

その頃紫湛荘の入り口では他のメンバー達がゾンビとの格闘に悪戦苦闘していました。

紫湛荘にはオーナーの趣味で集めた武器のコレクションが多数飾ってありました。

個々にその武器を持ち、重本の指揮のもと襲い掛かるゾンビへ立ち向かいます。

最後に紫湛荘に到着したのは明智と静原のコンビでした。

ところが、静原を庇い明智自らゾンビの餌食となってしまうのでした。

【転】屍人荘の殺人 のあらすじ③

幾多の殺人

途中フェス参加者の出目(塚地武雅)と高木(ふせえり)が加わる事になりました。

名張がラウンジに行くとゾンビ化した出目の姿がありました。

フェス中にゾンビに噛まれていたのです。

名張の悲鳴を聞きつけたメンバーはゾンビを倒す事ができました。

進藤だけが部屋から出てこなかった事に不信を抱いたメンバーは部屋を訪れます。

そこにはゾンビ化した進藤の姿がありました。

これが不可解な第一の密室殺人でした。

第二の殺人の被害者は立浪、現場は二階で止まっていたエレベーターの中でした。

また七宮は自室でゾンビと化しており静原に殺害されます。

【進藤殺害方法】紫湛荘へ逃げ込む際、実は怪我をした星川を連れ自室に匿っていました。

しかし星川がゾンビと化しベランダでもみ合いの末進藤は襲われ星川はベランダから転落してしまいます。

なので進藤を殺害したのはゾンビです。

【立浪殺害方法】メンバー全員に睡眠薬を飲ませ事前にすり替えておいた立浪のカードキーを使い寝静まった夜に部屋に侵入し鈍器で撲殺後エレベーターへと運び込みます。

銅像を載せ積載重量をぎりぎりにしゾンビが上がってこられないように細工をしました。

立浪を食いつくしたゾンビはエレベーターを降り、再び二階へ戻るようにしました。

【七宮殺害方法】犯人はゾンビ化した出目の血液を目薬に混ぜ七宮にその目薬を使うよう促しました。

ゾンビの血液が体内に入り七宮はゾンビに襲われないままゾンビ化したのです。

【結】屍人荘の殺人 のあらすじ④

悲しい結末

立浪殺害後、部屋に入る事ができなかった者が犯人となり立浪のカードキーを盗むには自らのキーを部屋の中にあるホルダーに差し込まないといけなかったからです。

自分の部屋に入る事ができなかった者それは静原でした。

きっかけは静原の姉にありました。

姉は行方不明となった女子部員でした。

七宮と立浪に弄ばれ子供を身ごもってしまい自宅で自殺をしてしまいました。

静原は復讐をする為に偶然を装い七宮と立浪に接触したのでした。

静原の告白後、遂に三階にまでゾンビが侵入してきてしまいました。

逃げ場のないメンバー達は最後屋上へと逃げ込みます。

静原は動けずその場で死を覚悟していましたが、葉村が静原の手をひき一緒に逃げだします。

静原は葉村に命を救われ『もう一度生きてみたいと思えた』と感謝を述べますが、メンバーが持っていた武器の槍を使い自殺をしてしまいました。

とそこへ、救助ヘリが紫湛荘へ向かってくるのが見えます。

生き残ったメンバーは無事救助されますが、葉村が見た先にはゾンビ化した明智が佇んでいました。

明智は葉村に向かって食らいつこうとしますが、静原が自殺に使用した槍で剣崎が『あげない。

彼は私のワトソンだ。

』と言い仕留めます。

屍人荘の殺人 を観た感想

ジャンルはミステリーですが、コミカル・コメディな部分もありグロテスクな描写も少ない為、誰でも見やすい作品となっていました。

本格派ミステリーが好きな方は少し物足りないと思うかもしれません。

映画と原作とでは少し相違もあるので、両方楽しんで頂けると思いました。

また、密室殺人とゾンビを融合させるという新しい発想に圧巻とされました。

ゾンビのウイルスをなぜばらまいたのか、謎の男達の招待についての真相は明かされていないので少々気持ち悪い感じで物語は終わってしまいますが、続編が発表される事を期待したいと思います。

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