「寝ても覚めても」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|濱口竜介

寝ても覚めても

監督:濱口竜介 2018年9月にビターズ・エンド、エレファントハウスから配給

寝ても覚めてもの主要登場人物

丸子亮平(東出昌大)
朝子の愛していた麦にそっくりなサラリーマン。

鳥居麦(東出昌大)
自由奔放な性格。ふいに朝子と恋に堕ちる。

泉谷朝子(唐田えりか)
麦にそっくりな亮平を愛し迷い悩む。

串橋耕介(瀬戸康史)
亮平の同僚。後にマヤと結婚。

鈴木マヤ(山下リオ)
朝子のルームメイト。

寝ても覚めても の簡単なあらすじ

ふいに恋に堕ちた麦と朝子。

朝子は、二人の愛は永遠に続くと思っていました。

しかし、突然麦は朝子の前から姿を消し、それでも朝子は麦の姿を探しています。

そんな時、カフェで働く朝子の隣のビルで働くサラリーマン・亮平と出会います。

あまりにも麦に似ている亮平に戸惑う朝子ですが、次第に亮平に惹かれていくのでした。

しかし、麦が朝子の前に戻ってきて…。

寝ても覚めても の起承転結

【起】寝ても覚めても のあらすじ①

麦と朝子の燃えるような恋

麦と朝子は、ありえないほどのスピードで恋に堕ち、出会ってすぐにキスをするのでした。

それは友達も「んなわけあるかい!」と驚くほどです。

その友達は、遠い親戚であり麦に部屋を貸している岡崎ですが、岡崎と朝子は同じ大学で、運命を感じます。

そこに、朝子の親友・春代も加えて4人は仲良くなっていきます。

しかし、春代は麦を見て朝子に「顔はいいけどこれはアカン。」

と麦のヤバさと感じ取るのでした。

麦と朝子は、バイクで旅行し事故にあっても笑い合い、そのまま路上でキスをするほどお互いのめり込んでいました。

麦の家に泊まった朝子ですが、朝起きると麦の姿がありません。

昨日、朝のパンを買いに行ったきり麦は帰ってこないのでした。

岡崎は朝子に「麦が出かけたきり1週間帰らないことなんてザラだ。」

といい朝子は驚きます。

その後、麦は帰ってきますが、朝子は不安になってしまいます。

麦は朝子に「必ず帰ってくるから。」

と約束しました。

しかし、半年後靴を買いに行ったきり麦は帰ってきませんでした。

【承】寝ても覚めても のあらすじ②

麦にそっくりな亮平

麦を忘れられない朝子は大阪から東京に引っ越し、カフェの店員として働いています。

いつも朝子は隣の会社にコーヒーを届けていて、コーヒーの空ポットを引き取りに来た時、呆然とします。

麦がそこにいたのです。

朝子は「麦?」と尋ねます。

しかしその男は「バク?」と動物のバクの話だと勘違います。

朝子は、その男に名前や出身地といろいろと質問しますが、その男は丸子亮平と名乗り麦ではありませんでした。

朝子は、あまりにも麦に似ている亮平に戸惑い上手く接することができません。

逆にその態度が気になった亮平は、朝子に惹かれていきます。

ある日、朝子はルームシェアしている友達のマヤと絵画展に行きますが、閉館時間になってしまいます。

しかし、その場に居合わせた亮平が上手な嘘をついて絵画展に入ることが出来ました。

それをキッカケに朝子とマヤと亮平の距離が近づきます。

そして、亮平の同僚の耕介を誘って4人で食事をすることになりました。

マヤは売れない舞台役者で、耕介も実は芝居をしていましたが、今は諦めサラリーマンをしています。

夢を続けているマヤに耕介は嫉妬し、2人はもめますが、お互いに謝りその後4人は仲良くなります。

朝子への気持ちが抑えられなくなった亮平は、朝子をつかまえて告白します。

「俺のことちゃんと見てくれ。」

と朝子の顔を触る亮平。

二人はキスをします。

亮平と朝子、耕介とマヤでダブルデートをし、上手く行っているように見えた亮平と朝子でしたが、電話で朝子は亮平に「もうお会いできません。」

と謝るのでした。

【転】寝ても覚めても のあらすじ③

亮平からのプロポーズ

朝子に会いたくてたまらない亮平は、朝子に会えると思いマヤの演劇の公演日を朝子の来る時間に変えました。

しかし、朝子もまた時間を変えていて会えません。

マヤに朝子はカフェも辞めると聞かされます。

そして、マヤの演劇の公演中に大地震が起き、公演中止となりました。

交通機関も止まり、さまよう人々の波の中歩いて会社に戻る亮平です。

そこで偶然朝子に出会い、運命を感じた2人は強く抱き合い付き合い始めるのでした。

付き合い始めて5年が経ち、2人は同棲をしています。

亮平は仕事も順調でした。

そして、耕介とマヤは結婚しお腹には赤ちゃんがいます。

朝子は「どうしたらいいかわからんくらい好きになってしまった。」

と亮平に伝えます。

2人は5年経ってもラブラブでした。

亮平とデート中に朝子はずっと連絡を取っていなかった親友・春代とバッタリ出会います。

春代は、麦とそっくりな亮平に驚きますが、亮平の前では空気を読んで麦の話はしません。

途中歯医者にいくため亮平が席を立った後、朝子は春代に説明します。

「麦と関係なく亮平が好き。」

と。

春代は、麦がモデルになってドラマに出ていると朝子に教えます。

朝子は麦が有名になったことを知らなかったのでした。

春代を仲間に紹介し、5人で仲良くなりました。

ある日、仕事で大阪に戻れることが決まった亮平は、朝子に「一緒にけえへんか?」とプロポーズします。

朝子は喜びますが、麦のことをきちんと亮平に話してからと考えます。

しかし、朝子が、亮平と麦が似ている話をしても亮平は驚きません。

有名な麦に似ていると以前から言われていて、朝子に初めて会った時も「麦?」と言われていたことを覚えていたのです。

亮平は「あいつに似てたから朝子と付き合えたからラッキーだ。」

と言い、朝子は亮平を抱きしめるのでした。

亮平と結婚し大阪行きを決めた朝子です。

【結】寝ても覚めても のあらすじ④

麦か亮平か

朝子は亮平との新居を見に行き結婚への準備は順調でした。

麦への想いを断ち切ったように見えた朝子でしたが、ある日麦が朝子の家に突然来て動揺が隠せません。

明日は、大阪に立つ日で、引っ越しの前にみんなで外食しました。

そのレストランに突然麦がやって来るのです。

朝子は、「なんで今なん?」っといいつつこの時を待っていたかのように麦の手を引きレストランを出て行きます。

追いかける亮平を振り切り麦とタクシーに乗り逃げます。

朝子は麦を何度も叩き抱き合いました。

麦は仕事を投げ出し、携帯を破壊し朝子と車で北上します。

マヤには絶交され、春代にはこうなると思っていたとラインで言われます。

朝子は麦に「夢を見てるような気がする。

違う今までの方が長い夢だった。」

といいます。

しかし、長い夢だけど幸せな夢だったと言うのです。

車で朝を迎え、麦は朝子にキスをします。

夜中車を走らせ、仙台の手前まで来ていました。

しかし、朝子は突如、亮平のところに帰ると言い出し、「麦は亮平やない。」

と謝るのでした。

麦は、少しも引き留めず、2人は別れました。

朝子はお金を借り亮平のいる大阪に向かうのでした。

亮平に会えた朝子ですが、激怒している亮平は2人で飼っていた猫を捨てたといいます。

「最初に捨てたのは朝子だ。」

と亮平の怒りはおさまりません。

「許されなくても亮平と生きて行きたい。」

と懇願する朝子に亮平は怒りと涙が止まりません。

やっと鍵を開けてくれた亮平は、朝子に猫を渡します。

亮平は猫を捨てたりしていませんでした。

亮平は落ち着きを取り戻し、マヤが出産したことを朝子に伝えます。

亮平は朝子に「俺はきっと一生お前を信じない。」

といいますが、朝子はそれを受け入れるのでした。

寝ても覚めても を観た感想

日本とフランスの合作映画ということもあり、独特な雰囲気が流れる映画です。

好き嫌いが分かれる気がしますが、好きな映画です。

おとなしそうな顔をして、大胆なことをする朝子に、二人の親友マヤと春代の態度が違ったのが印象的でした。

まるで、この映画を見てる人の反応のようです。

あえてそうしているように感じます。

朝子が亮平にした裏切りは、とても許せるものではありません。

しかし、麦とラブラブだったのを見てる春代はこうなると思っていたと軽くいいます。

そのように、亮平派か、麦派によってラストの感情が変わってくると思います。

しかし、朝子は、麦はひと夏の燃える恋のような存在で、一緒に生きていくのは亮平だと気付いたのでしょう。

その後、亮平はどれくらい朝子を受け入れるかわかりませんが、ラスト朝子の顔を覗き込んでいたのでまだ愛しているのだと思います。

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