前話あらすじはこちら
入れ替わった湊と黒松の身体
湊と黒松はそれぞれの身体で『いったい…何が起こってるんだ…!?』と、異常な事態に当惑します。雷が二人の乗る観覧車に落ちた後、湊は黒松の身体で、黒松は湊の身体で目を覚ましました。
湊を装う黒松
黒松は湊の身体で観覧車を降りました。遊園地の女性スタッフが幼い二人の体調を気遣います。しかし湊の身体に入っているのは黒松です。医務室なんかで足止めされたくなかった黒松は、スタッフを適当にやり過ごし湊になりすまして行動します。渚を巻いてなんとか一人になろうとしますが上手くいきません。冷静に事態を把握します。恐らく自分の身体と六月を騙す為持ってきた見せ金はまだ観覧車の中でした。けれど、渚が母親を探そうとせがむ為、思うようにはご行動できません。
母親というキーワードで、この兄妹が先ほど黒松にぶつかって謝罪して来た子供だと気がつきます。結局、黒松は渚と共に母親を探す振りをしました。
女性の死体に混乱
一方、黒松の身体に入っている湊は、目の前の女性が死んでいる事に混乱します。どう見ても首が折れていました。雷に打たれて死んだようには見えません。まだ女性の身体は温かく、この男が殺したばかりなのてわはないかと想像します。このまま観覧車を降りれば騒動となり、(黒松の身体に入っている)湊が殺人犯だと決めつけらるでしょう。女性スタッフが悲鳴をあげ、警察が駆けつける様子が目に浮かびました。自分が絞首刑になる所を想像して湊は焦ります。
状況が掴めないまま、渚と離れ離れになる事だけは避けなければと思い覚悟を決めました。
母親が見つからない
黒松は不思議に思います。すぐに見つかると考えていた、兄妹の母親が見つかりません。それに渚は園内を探し回る間、『お母さん』と声を出して探したりしませんでした。渚の『もういっちゃったのかかな』『つぎはいつかえってくるのかな』という発言から、
黒松はこの兄妹がネグレクトを受けているんだと気がつきます。渚が母の不在を周囲に知られないよう騒ぎ立てたりしないので、黒松は渚を置き去りにして園内を確認しました。園内に黒松が殺した六月の死体が見つかった様子はありません。しばらくすると、渚が湊の跡を追って来て雨の中転んでしまいます。それが園内スタッフの注意をひいてしまいました。黒松は面倒に感じながら、渚を早いところ処理しなければと考えを巡らします。
機転をきかせ窮地を逃れる
湊は女性の死体を背負って、観覧車を降りました。男の背で女性がぐったりとうなだれているので、スタッフは手を貸そうかと歩み寄ります。湊は女性は酔ってしまっただけだからと説明して断り、観覧車を後にしました。『ぼくが今おぶってるのは酔いつぶれた女の人だ…』と、湊は何度も繰り返し自分に言い聞かせます。それでもやはりぞっとして、思わずがむしゃらに駆け出しました。疲れて園内のベンチに座ります。死んだ女性を自分の肩に持たせ掛けて、これからどうするべきか考えました。
湊はそもそもこの男の人は女性の死体をどうするつもりだったのだろうと、黒松の立場で考えてみました。そして、黒松のポケットから車のキーを見つけます。スマートキーを利用して黒松の車を見つけ出し、女性の死体を後部座席に乗せました。一安心して二人の身の回り品を探ると、黒松のカバンから数えきれない一万円札の束を見つけます。さらに、スコップや縄、害獣・害虫除けの薬品などが見つかります。
湊はこの男が始めから女性を殺すつもりで、遊園地に来ていた事を知りました。それから、自分の身体に入っているのはこの犯罪者なのではないかと考え、傍にいるであろう渚の身を案じます。第4話へ続きます。
コメント