【ネタバレ有り】殉愛 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:百田尚樹 2014年11月に株式会社幻冬舎から出版
殉愛の主要登場人物
やしきたかじん
関西地方で名を馳せた「視聴率男」数々の人気番組の司会者を務めた人
さくら
たかじんの最後の恋人 弱ってゆくたかじんを懸命に看病する
百田尚樹(ひゃくたなおき)
この本の作者 ナレーターとして物語に登場する
殉愛 の簡単なあらすじ
この物語はやしきたかじんと、恋人さくらの闘病日記を元に再現された物語です。弱って行くたかじんに献身的なまでに尽くす、さくらという女性の大きな愛が表現されています病気に伏せり表舞台から姿を消した、やしきたかじんはどんな人生を送ったのか..男と女の深い心情を描かれた一冊です
殉愛 の起承転結
【起】殉愛 のあらすじ①
2011年にさくらとたかじんはフェイスブックを通じて知り合います。
さくらは、たかじんのパーティに招かれて、初対面を果たします。
たかじんは、さくらに一目ぼれをし熱烈にアタックをしますが、たかじんは60歳、さくらは30歳と親子ほどの歳の差があるのでさくらは、たかじんに対して乗り気になれません。
しかし、たかじんの執着は尋常なモノではなく、アタックにアタックを重ね、さくらを根負けさせて、彼女にしてしまったのでした。
たかじんは具合の悪さに悩まされており、病院で検査をした結果食道ガンと診断されました。
さくらの生活の基盤はイタリアにあり、たかじんとの交際に悩んでいましたが、この件でさくらは吹っ切れイタリアの生活を棄てて、たかじんを献身的に介護する生活が始まったのでした。
有名人のたかじんと恋人になったさくらに対する周囲の反応は冷たいモノでした。
たかじんを愛し、献身的に介護をするさくらに対して、たくさんの中傷の言葉が浴びせられますが、さくらは涙を流しながらもたかじんと共に歩む道を選ぶのでした。
【承】殉愛 のあらすじ②
たかじんのガンは進行しており、命が危ないので番組はすべて休業することになります。
たかじんという男は女癖が悪く、たくさんの女をはべらせて関係を持っていました。
それはさくらが恋人になってからでも変わらず、さくらの目を盗んで女と浮気を繰り返し、さくらの心をズタズタに切り裂きます。
さくらはたかじんを棄てようとしますが、さくらに去られそうになった、たかじんは子供のように取り乱し、さくらにひれ伏して許しを乞い、そんな彼を哀れに思ったさくらは、たかじんを許すことにしたのでした。
抗がん剤治療や、がん切除の手術の影響でたかじんは、日に日に衰弱してゆきます。
さくらはたかじんの為に何ができるのかを考えるようになり、ガン治療や、がん患者を看護するための勉強を必死に積み重ねます。
さくらの看護に対する熱の入れようは尋常なモノではなく、医師や看護師からこれほど看病に情熱を入れる人は初めてみると評されるほどでした。
さくらの情熱が天に届いたのか、たかじんの手術は成功し、退院できるようになりました。
さくらと、たかじんは2人で暮らすようになりますが、たかじんの浮気は収まりません。
たかじんの女癖の悪さに怒りを覚えつつも、さくらは愛するたかじんの為に献身的な看病を続けるのでした。
【転】殉愛 のあらすじ③
たかじんはテレビに復帰し多くの人に歓声で迎え入れられますが、運命とは残酷なモノで、復帰してからたったの一か月で癌が再発してしまいます。
落ち込むたかじんに追い打ちをかけるように、がん治療の影響でたかじんは精神的に不安定になってしまうのです。
さくらは看病とストレスが祟り、突発性難聴を発病してしまいます。
今すぐ病院に入院して集中的な治療をしないと、さくらの左耳の聴力は永久に失われてしまうのですが、精神的に不安定なたかじんを一人にはできません。
周囲の人間に頼ろうとしましたが、さくらに手を差し伸べてくれる人間は誰一人としていませんでした。
苦渋の決断の末に、さくらは左耳の聴力を棄ててたかじんの側に寄り添い看病を続けるのでした。
たかじんと、さくらは籍を入れて夫婦になり、つかの間の幸せを享受しますが..幸せは長くは続かずたかじんの癌が治療不可能な段階まで進行してしまい、余命2か月を宣告されてしまいました..さくらは、たかじんに寄り添い今までどんな辛苦にも耐えてきましたが、さくらの心はポッキリと折れてしまい、その場に泣き崩れてしまいました。
【結】殉愛 のあらすじ④
医者に死の宣告をされた、たかじんはすんなりと死を受容し、さくらに看病の労を労うお礼の言葉を述べるのでした。
2人で残された時間をどう使うか相談し、死んだあとのことも話題に上り、たかじんの多額の財産をさくらに託すとたかじんは延べますが..さくらは、たかじんを心の底から愛しているため、お金はいらないし、たかじんが死んだら後を追うことを告げます。
それを聞いたたかじんは慌てて、そんなことをしたら絶対にアカンとさくらを諭します。
話し合いの末に、生活できるだけの財産を残して、残りの財産はすべて寄付することになりました。
たかじんと、さくらは最後の時まで穏やかな時間を過ごし、やしきたかじんは愛情に包まれながら2014年1月3日永眠しました。
たかじんがこの世から去ってしまい、さくらは悲しみに崩れ落ちますが、さくらはしっかりした女性ですので、自分を奮い立たせ報道陣にやしきたかじんが亡くなり、本人の意向で密葬を執り行ったことを告げるのです。
一人になったさくらは大きな肩の荷が下りたような気持ちになり、たかじんを失った悲しみに暮れるのでした。
殉愛 を読んだ読書感想
物語の中で、たかじんは何度も浮気を繰り返して、さくらを泣かせています。
常識的な目線で言えば最低の行為だと思いますしたかじんの不貞を許してしまうさくらにも何とも言えない気持ちになります。
しかし、たかじんはさくらの事を一番に愛していたと綴られていますし、私もそう思います。
他の女性はたかじんにとってはどういでもいい存在で体だけの女でした。
しかし、さくらに対して性交渉を行ったことは一度もなく、たかじんは本当にスキな女性に対してはそういう行為が恥ずかしくて行うことができなかったのです。
男性目線で言えば身勝手ですが、共感できる部分もあり、さくらという女性の献身的なまでの愛に包まれて生涯を閉じた、やしきたかじんという男は本当に恵まれた人生を送ったのだなと思いました。
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