【ネタバレ有り】守護天使 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:上村佑 2007年3月に宝島社から出版
守護天使の主要登場人物
須賀啓一(すがじぇいいち)
ハゲでデブ、して毎日の小遣いは500円と鬼嫁に尻に敷かれる冴えないサラリーマン。
宮野涼子(みやのりょうこ)
お嬢様学校に通う女子高生。病気で心臓にペースメーカーを入れており、携帯やパソコンなど電子機器を使用することができない。
佐々木大和(ささきやまと)
須賀が務めている支援塾に通っている。イジメがきっかけで3年間引きこもっていたが、須賀に出会い部屋から出ることが出来た。
村岡(むらおか)
啓一の悪友で、過去に起こしたトラブルは犯罪ギリギリのものが多い。
守護天使 の簡単なあらすじ
これはハゲ、デブ、金無しの冴えないサラリーマンが無力ながらも電車で一目惚れした1人の女子高生を救う中高年ヒーロー物語。悪友の村岡と引きこもり少年の大和と3人で力を合わせて悪者達から少女を救うことができるのか。
守護天使 の起承転結
【起】守護天使 のあらすじ①
支援塾でカウンセラーをしている須賀は、デブでハゲで鬼嫁から毎日500円の小遣いを貰い、電車で職場まで通勤している冴えないサラリーマンであった。
ある日いつもの満員電車に辟易していた須賀は車内で、ある少女に目が止まった。
イマドキの女子高生にしては珍しく、アクセサリー類は身につけず制服を指定通りにきちんと着こなし、皆んなが見ている携帯電話でなく小説を読んでいた。
そんな少女に見とれていた須賀は、電車を下車する人の波に巻き込まれてしまい、なけなしの小遣い500円を落としてしまう。
須賀は拾おうと500円玉を追った時、車内で見ていた少女が500円玉を拾ってくれたのだ。
須賀はその少女に一目惚れしてしまった。
塾には既に大和が来ており、少女が着ていた制服を伝えて通っている高校を調べてもらった。
少女が通っている高校はこの辺りでも有名なお嬢様学校、通称「聖女」であった。
益々、少女のことを気に入った須賀を横目に大和は聖女をさらに調べていると、あるウェブサイトを発見した。
【承】守護天使 のあらすじ②
そのウェブサイトには「ある女子高生の日記」というタイトルで開設されていた。
そのブログを読み進めると、そのブログを更新しているのは須賀が電車で見かけた少女だったのだ。
また、そのブログには「誰か私を助けて!私を殺して!」と書かれていた。
心配に思った須賀は聖女まで押しかけてしまう。
校門の前でウロウロしている須賀を不審に思ったその高校の男性教師は須賀を追い払い、何の情報も得ることが出来なかった。
そこで、須賀は少女を尾行し、家までついて行った。
家の前まで行ってしまった須賀の目の前に少女が現れ、「不審者に注意!」と書かれたチラシを渡せれ、家に入っていった。
須賀は不審と間違えられたのだ。
しかし、須賀は彼女の名前が「宮野涼子」ということが分かった。
その夜、大和はあるサイトを見つけた。
それはプロデューサーという人物がブッチャーとハーベストという人物に向けて例のウェブサイトの女子高生に卑猥なことをしようと呼びかけていた。
須賀は彼女を守ろうと、村岡に会いに行った。
【転】守護天使 のあらすじ③
大和は元聖女に通っていた、渡辺という同級生に会いに行き、例のウェブサイトを見せた。
渡辺はすぐに涼子のことだと気が付いたが、涼子は心臓にペースメーカーを入れているため、携帯やパソコンなど電子機器の使用ができないと言うのであった。
誰かが涼子のフリをしてウェブサイトを運営していたのだ。
一方で、悪友である村岡に会いに行った須賀は、村岡に事情を説明した。
状況を把握した村岡は須賀にお金を用意させ、その金で拳銃を一丁手に入れた。
その夜、プロデューサーが運営しているサイトにブッチャーが「岩手から黒のワンボックスカーで8時間けていく。
明日、横浜の観覧車の前でハーベストと合流する」と書かれていた。
涼子を守る為、観覧車で見張りをしていた須賀は岩手訛りの男に観覧車の場所を尋ねられる。
その男は黒のワンボックスカーに乗って走っていった。
ブッチャーらが涼子を攫いに来たのだ。
それを涼子に伝えようと、須賀は大和に携帯番号を書いた手紙を託し、「何かあったらここに連絡して」と言い、涼子に渡した。
しかし、涼子が学校からの帰宅途中、須賀の目の前で黒のワンボックスカーに攫われてしまった。
【結】守護天使 のあらすじ④
大和は渡辺と例のウェブサイトを見て、誰が運営しているのか調べていた。
そこで、聖女の男性教師が運営していることが分かり、須賀は大和と村岡の3人でその男性教師の家に押し入った。
しかし、男性教師の家に涼子の姿はなかった。
村岡が問い詰めると男性教師がプロデューサーだということが判明したが、涼子を攫った後はブッチャーとハーベストに任せていたのだ。
須賀たちはすぐに涼子を探す。
その頃、涼子はワンルームの部屋に閉じ込められていた。
誰もいないことを確認した涼子は備え付けられている電話で大和に渡された手紙の番号に電話をした。
須賀が電話に出た直ぐにハーベストに切られ、涼子は縛られ、ベッドの上に寝かされてしまった。
その姿を見ていたブッチャーは良心にかられ、ハーベストが部屋に居ないことを確認し涼子を逃がそうとした。
しかし、ハーベストは隠れてブッチャーの様子を見ていた。
逃がそうとしたブッチャーにガッカリしたハーベストはマグロを切り落とす時に使う大きな包丁を取り出した。
ハーベストは最近、世間を賑わせていた死体バラバラ事件の犯人だった。
ハーベストはその包丁でブッチャーの足首を切り動けなくした。
一方で須賀たちは新聞配達員に協力を求め、黒のワンボックスカーを探してもらっていた。
その車が見つかり、3人の元に連絡が入った。
向かうとウィークリーマンションの最上階の部屋の灯りが点いていた。
そこだと踏んだ須賀は屋上からその部屋に飛び込み、ハーベストを撃退した。
目を覚ました涼子は須賀に驚き、すぐにもう一度先ほどの番号に電話を掛けた。
すると、須賀の胸元にあった携帯電話が光る。
それは、まさにウルトラマンの様だった。
守護天使 を読んだ読書感想
鬼嫁に尻に敷かれる冴えないサラリーマンの須賀は初恋した少女の為に悪に立ち向かいました。
本当はそんな勇気なんてないのに、愛の力は凄いなと思いました。
また、鬼嫁かと思っていた妻の勝子も、最後に「主人は私の初恋の相手」だと言っていました。
須賀は全く冴えない訳ではなかったのです。
少女を守る為、身体を張ってお金を稼いだり、身体を鍛えました。
そんな姿は正しくヒーローそのものでした。
また、引きこもりの大和も悪友の村岡も須賀のそんな姿に心動かされ協力してくれたのだと思いました。
不審者に間違えられたり、助けた姿は不恰好でも、とてもカッコいい中年ヒーローでした。
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