「白夜行」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|東野圭吾

白夜行 (集英社文庫)

著者:東野圭吾 1998年8月に集英社から出版

白夜行の主要登場人物

(桐原亮司)
事件の被害者の息子で事件がきっかけで常に身を潜めながら生きていく

(唐沢雪穂)
事件の加害者の娘で彼女周囲で不可解な事件が起こる

(笹垣潤三)
二人を唯一疑う男

()

()

白夜行 の簡単なあらすじ

彼女のために父親を殺害しその罪を隠すために自分の母親に罪を着せ母を殺害しその事項を迎えるまでの19年にも渡る二人の逃亡歴を書いたミステリー小説です。

事実を隠すために他人を振りをし続け、時には周囲を巻き込みながら歩んで行く二人の人生見え隠れする、幾つもの恐るべき謎の犯罪など何かと考えてさせられる作品になっています。

白夜行 の起承転結

【起】白夜行 のあらすじ①

不可解な事件

廃ビル桐の中である男の死体が発見され男の名前は桐原と判明し、笹垣潤一という刑事が調査に当たります。

まず最初に疑われたのは西本文代という女性で洋介は前日に大量のお金を引き出していたことがわかっていてその後に西本の家によっていることがわかり、早速笹垣は部屋を訪れます。

しかし西本は洋介が部屋に来たことは認めますが、事件のことは知らないと否定します。

その後笹垣達は被害者遺族の家に聞き込みに行きます。

家には洋介の妻の弥生子と桐原家できりはらという質屋を切り盛りしそこで店長をしている松浦勇と小学五年生になる洋介の息子の亮司がいました。

そこで笹垣は一応事件との関連性がないか聞きますが、事件があった時間帯には家にいたと証言されます。

しかしその証言に矛盾を感じ、何かを隠しているんじゃないかと笹垣は疑います。

さらに捜査を進めて行くと文代と交際していたと思われる寺崎という男がいたことが判明します。

しかし翌月に寺崎が死亡します。

死因は原因不明の衝突事故で、寺崎の車の中から洋介のライターが発見されます。

そして丁度同じ頃西本文代の遺体も発見されます。

原因はガス漏れによる中毒死で鍵を持っていなかった娘の雪穂が管理人に開けてもらい発見したとの事でした。

これにより捜査は打ち切られてしまうのでした。

事件から8年たった頃雪穂は大学に進学し江利子と共にソシアルダンス部に入りある男性と出会います。

その男は篠塚一成という大手薬品会社の篠塚製薬の御曹司で女性の注目の的でした。

雪穂も積極的にアプローチをしますが一成が選んだ女性は雪穂の友人の見た目が控えめな江利子でした。

一成は香苗という彼女もいたのですが、夢中になっていく二人を見て雪穂も応援します。

【承】白夜行 のあらすじ②

その後の二人

しかしある日、急に江利子との連絡が途絶えダンスの練習にも来なくなり一成が不安に思っている最中身元も知らない男から電話がかかってきてお金を払うように香苗に伝えろと言われそれと同時に江利子が裸の状態で写っている写真が送りつけられてきたときにようやく事の重大さに気づきます。

一成はこの事をいち早く雪穂に伝えると雪穂は何故かこの事をすでに知っていて幸い彼女は無事だということを告げられ、雪穂の強い説得もあり警察には世間に知られるリスクもあると言われ一成は警察には届けることをやめ同時に江利子とも別れることになるのでした。

そして雪穂は大学の卒業が近づいた頃同じダンス部の高宮誠に接近して付き合うことになりその後結婚することになります。

一方亮司は一人の知人と園村友彦がある喫茶店で亮司に高額なあるバイトを紹介されます。

そのバイトは女性の話し相手をするだけの悪くない条件で二人は引き受けます。

そして亮司達は三人の女性と部屋でお酒を交わし如何わしい雰囲気なります。

しかし一人の女性の奈美江は途中で帰ってしまいます。

亮司に前もって個人的に会うなと言われていた友彦でしたが相手の主婦と関係を持ち続けその彼女の旦那にその関係がバレてしまいます。

それでも関係を持ち続けこの日もホテルで関係を持ちます。

しかし行為が終わると彼女は死んでいてそれに動揺した友彦はそこから逃げ出してしまいます。

しかしこのまま逃げ続けてもしょうがないと思った友彦は亮司に連絡を取り合って事情を説明します。

そして友彦は亮司の指示に従い警察が彼の元を訪れたりしますが亮司の指示通りに答えるとその後は疑われることはありませんでした。

その後友彦は亮司に助けてもらった恩もあり亮司の立ち上げた(無限企画)というパソコンゲーム会社を立ち上げその手伝いをすることになります。

【転】白夜行 のあらすじ③

姿をけした亮司

そしてバイトの時に途中で帰った銀行員の奈美江も誘い三人で会社切り盛りします。

そんな中でパソコンゲームを作る傍ら偽装カードを作りそれを使ってお金を稼ぐようにもなります。

事件から丁度12年の月日がたった頃亮司は昔の昔の知り合いの松浦勇と再開します。

その時に友彦は初めて松浦から亮司の過去を知らされます。

切り絵が上手かった事など父親が殺されたことそしてその殺害後に刑事が来て亮司と母親と松浦で嘘のアリバイを作った等いろいろ聞かされます。

その後松浦と協力してスーパーマリオ海賊版の製造を行いますがそのソフトの大量発生がニュースになり自分達にも捜査の手が及ぶ可能性があると感じた亮司と松浦はどこかに姿をけしてしまいますそして数日後急に失踪した亮司や松浦が気になっていた友彦の元に刑事の笹垣が現れます。

そして友彦は笹垣に松浦から聞かされた話を話します。

笹垣はそれをきっかけに捜査を一から洗い直しますそして雪穂と高宮が結婚して丁度三年近くたった頃高宮は雪穂の事で悩んでいました。

結婚当初はとても魅力的だった雪穂ですが今はあまり魅力を感じなくなる一方で家庭の事はそっちのけで急に株を始めたりアパレル業界に興味があったためそのお店を出したいとまで言ってきて高宮はなくなくそれを許可し、雪穂の出したお店は徐々に起動に乗り夫婦の溝はますます深まるばかりでした。

しかし雪穂自身もそれを感じとっておりこの結婚も雪穂自身が妊娠を装った離婚を最初から考えた計画的なものでした。

しかも雪穂は高宮の会社のシステムデータの情報をを彼にバレないように失踪中の亮司に流していました。

そして雪穂はお酒に酔った高宮に暴行されたと証言し二人は離婚するのでした。

【結】白夜行 のあらすじ④

白夜の果て

失踪したはずの亮司が道端でうずくまっていたところ心配し介抱してくれたのは薬剤師の栗原典子でした二人はそれがきっかけで同棲を始めますが彼女は亮司が偽名を使っていることは知りません。

その後亮司は典子に小説を書いていると嘘をつき青酸カリの情報を典子に入念に聞いたり青酸カリを用意してくれと典子に頼みます。

典子はためらいながらも病気からこっそり持ち出します。

その後亮司は典子の前から姿を消します。

亮司はその青酸カリで笹垣を殺害することを計画します。

しかし笹垣が見つからなかったためこの計画は失敗に終わりまた姿を消します。

一方笹垣も友彦捜査を一から洗い直しているとやっぱりあの加害者の娘と被害者息子は繋がっていたと確信します。

そして雪穂の実家を調査すると庭から白骨死体が発見されすぐに笹垣は雪穂の大阪にあるお店に向かいます。

そこで張り込んでいると弥に覚えのある切り絵を持っている人達を見つけサンタに扮装した亮司を発見します。

近くにある歩道橋まで追い詰めますが、亮司はそこから自分から飛び降りてしまいます。

たまたまお店の前でお客を勧誘していた雪穂が何か騒がしいので騒がしい方にいってみると倒れている亮司がいました。

亮司の胸には昔から大事にしていた鋏が突き刺さっていました。

雪穂は一瞬動揺した顔つきになりますが、すぐに無表情になり他人の振りをし雪穂はその場を立ち去り物語は終わります。

白夜行 を読んだ読書感想

東野圭吾さんの作品は昔から大好きで原作もすでに読んでました。

単なるミステリーではなく分かりやすさとそれに加えて魅力的なキャラクターが多く登場します全体の感想としては最初はお互いのためを想って行動しその後も強い絆で結ばれた二人ですが、その絆はやがて悪へと変わっていき雪穂と亮司はまさに白夜の中を歩いている人生だと思いました。

最後の結末まで二人の行動や感情は理解しがたい物で、なぜ最後まで他人の振りをしたのかなかなか腑に落ちない切ない終わり方ですがそれがその小説の魅力だと思います。

生きることの切なさというか強さというか勉強になる素晴らしい作品でした。

あとその後の雪穂の人生も気になるところです。

コメント