【ネタバレ有り】仮面病棟 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:知念実希人 2014年12月に実業之日本社から出版
仮面病棟の主要登場人物
速水秀悟(はやみずしゅうご)
本作の主人公。先輩の医師に当直を代わってほしいと頼まれた外科医。
小堺(こざかい)
速水に当直を頼んだ先輩。
東野良子(ひがしのりょうこ)
田所医院勤務の中年の看護師
佐々木(ささき)
田所医院勤務の三十歳前後の看護師
ピエロ(ぴえろ)
コンビニ強盗の際に女性を人質にし田所病院に逃走してきたガタイの良い大きな男。
川崎愛美(かわさきまなみ)
強盗に腹を撃たれ人質にされた女性
田所三郎(たどころさぶろう)
田所医院の院長
仮面病棟 の簡単なあらすじ
先輩医師である小堺に代わりに当直の為、田所医院にやって来た主人公の速水。そこにピエロのマスクをしたコンビニ強盗の男が自ら撃った女性の治療を要求し、院内に籠城。脱出を試みるうちに病院内の秘密を知ることに。
仮面病棟 の起承転結
【起】仮面病棟 のあらすじ①
総合病院の外科医として働く速水は、先輩医師である小堺の紹介で週に一度、田所病院で当直のアルバイトをしていました。
本来、その日は速水の勤務日ではなかったのだが、担当患者が急変して手が離せないので当直のバイトを代わってほしいと小堺に頼まれたのです。
看護師の東野に声を掛けると患者は皆、安定していると言われたので、なにかあれば声を掛けてくださいと伝え、当直室に向かいます。
テレビを見ながらうとうとしていた速水に破裂音が聞こえ勢いよく上体を起こします。
車のタイヤでもパンクしたのかと思いながら耳を澄ますこと数秒、なにも聞こえないことから、そろそろ着替えようと手術着に袖を通します。
普段の激務から、再度うとうとし始めた速水の耳にけたたましい電子音を鳴り響きます。
【承】仮面病棟 のあらすじ②
電子音の正体は、院内の内線電話からでした。
患者は安定していると言っていたじゃないか。
と悪態をつきながらも内線を取ると「ちょっと来ていただきたいんですけど」と看護師の東野の口調に深刻な雰囲気を感じた速水は「すぐに行きます。」
と答え受話器を置きます。
急いで向かうと、これまで何度か顔を合わせたことがある看護師の佐々木が立っているのが見えます。
ぱっと見ても倒れている人は見当たらず「どうしました?」と尋ねる速水に東野はゆっくりと指を指します。
指された方を見ると、暗い待合室の隅の一角に男が立っていました。
男はピエロのマスクを被り「あんたが医者か?」「こいつを治療しろ」と足元の女性を指さします。
コンビニ強盗の際に騒がれた為、女性を銃で撃ったが、このまま女性が死んでしまえば殺人になり刑が重くなるので治療しろと要求するのでした。
無事に治療が終わり、病院から出て行ってくれとピエロに言えば、朝まではここで身を潜めると言います。
そんな時、ピエロの背後からゴルフクラブを握りしめた院長の田所がやってきますが、あっさりピエロに気づかれてしまいます。
【転】仮面病棟 のあらすじ③
院内の一階で、誰も逃げないか見張っているので通報さえしなければ自由にしても良いとピエロの許可をもらい、明日の朝までを過ごすことになります。
速水は直ぐに通報すべきだと訴えますが院長の田所はこのまま、通報せずにおとなしくしていれば皆、無事に解放されるので通報はしないと頑なに言います。
なにか声が聞こえた為、警戒しながら向かうと入院患者の男性が血を流し倒れています。
話を聞くと手術をしたばかりで傷口が開いたのだろうと言う田所ですが、傷は誰かが意図的に開いたと思われるものでした。
田所、東野、佐々木、この三人は何かを隠していると考えて速水と愛美は院内のカルテを探りますが疑惑は深くなるばかりです。
暫くすると東野の悲鳴が響き、速水、愛実、田所の三人が向かいますが、そこで佐々木は胸にナイフが刺さり死んでいました。
通報さえしなければ、無事に解放される訳ではないと感じた速水はなんとか外部と連絡が取れないか考えます。
一階にある電話なら使えるかもしれないとピエロの目を盗み電話を目指しますが、電話は使うことが出来ませんでした。
愛美と速水は身を潜める際に隠しエレベーターを見つけ、エレベーターに乗り込みます。
その先の奥でベットに横になる男の子を発見します。
田所に見つかり田所達の隠している事に検討がついていた速水は、奥で寝ている男の子が不正に移植を受けた患者であると田所に告げます。
田所は身寄りのない患者から臓器を奪い大金を払う患者へと移植していたのです。
追い詰められた田所は速水にも金で仲間になれと誘います。
速水はその誘いを受け、仲間になるふりをすることに。
するとそこに、エレベーターの存在に気づいたピエロがやってきます。
遠くからサイレンの音が聞こえパトカーが何台も病院を取り囲みます。
【結】仮面病棟 のあらすじ④
警察に取り囲まれ携帯での交渉をしろとピエロは速水を指名します。
警察に食事を要求し入口まで田所と東野が取りに向かいますが、田所と東野は食事を取りに行くふりをして、不正な移植をした患者のデータを処分するつもりでした。
ですが、それは速水の罠でピエロの目的がこのデータだと推測しピエロに田所を騙すことを持ちかけたのです。
逆上した田所はピエロの不意をつき拳銃を奪うと、この場の全員を殺し隠ぺいしようと銃口を向けます。
速水は田所に気づかれないように火災報知器を作動させると、天井から大量の粉が噴出します。
速水は拳銃を奪おうとしますが次の瞬間、身体が痙攣し動くことが出来ません。
発砲している音が聞こえるが何が起きているのか分からない。
突然、ガラスが割れる音が聞こえ、そこで意識を失うのでした。
意識が戻った速水は警察から「あなた以外に助け出された人はいない」「ピエロは田所医院のスタッフである」「川崎愛実と言う女性は存在しない」と告げられます。
警察からの帰り道、速水は気づいてしまいます。
ピエロと愛美が共犯であること、愛美が臓器を奪われた患者で復讐の為にピエロを利用し三人を殺してピエロも殺したことに。
仮面病棟 を読んだ読書感想
作者である知念実希人さんの作品は初めて読んだのですが、ストーリーがテンポ良く進みさくさく読めました。
340ページ程なのですが、時間があったと言うこともあるのですが1日で読み終えてしまいました。
知念実希人さん自身が医師と言うこともあり本格的な医療サスペンスと言えます。
偶然、先輩医師に当直を頼まれたことで事件に巻き込まれてしまった主人公の速水秀悟。
速水は知り合って間もない川崎愛美を命がけで守ろうとする頼りになる主人公と言う印象でした。
速水は愛美がピエロの共犯だったと気づきますが、愛美が警察に捕まったと言う描写がないので「時限病棟」を読めば何か分かるのでしょうか?「仮面病棟」が面白かったので2作目の「時限病棟」も読んでみようと思います。
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