離婚(色川武大)の1分でわかるあらすじ&結末までのネタバレと感想

離婚

【ネタバレ有り】離婚 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:色川武大 1978年11月に文藝春秋から出版

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離婚の主要登場人物

羽島誠一(はしませいいち)
フリーの取材記者。

会津すみ子(あいづすみこ)
誠一の元妻。

植木敏春(うえきとしはる)
カメラマン。

ベティ・ジェーン・植木(べてぃ・じぇーん・うえき)
敏春の妻。父親が日本人で母親がユダヤ人のハーフ。

林(はやし)
サラリーマン。

離婚 の簡単なあらすじ

「私たちは再々にわたる協議の末、このたび、めでたく、離婚しました。」羽鳥誠一と会津すみ子は、親戚一同から仕事関係者に友人一同にまで、1枚も奇妙な通知をばら撒きました。6年間の結婚生活にピリオドを打つことになりましたが、その後もつかず離れずを貫いていくのでした。

離婚 の起承転結

【起】離婚 のあらすじ①

誠一とすみ子の馴れ初め

羽島誠一は子供の頃からジャーナリストに憧れていて、大学在学中には著名なライターの取材を手伝っていました。

卒業後も企業に就職することもなく大手の出版社に所属することもない、フリーランサーの取材記者への道を歩いていきます。

フリーと言えば何となく聞こえはいいですが、先の見通しもなく病気や怪我をしたときの保証もありません。

書いた記事がタレントに訴えられて、謹慎処分に追い込まれてしまうこともしばしばです。

誠一の下宿先には幾人かの女性が出入りしていましたが、会津すみ子はその中でも何くれとなく身の回りの世話を焼いてくれます。

親元を飛び出して帰る場所のないすみ子と誠一は一緒に暮らし始め、やがては籍を入れることになりました。

【承】離婚 のあらすじ②

結婚生活の破綻

ふたりはマンションに移り住み新婚生活をスタートさせましたが、思いの外引っ越し費用がかかってしまいました。

仕事の量を増やした誠一は連日連夜の取材や原稿執筆に追われていて、自宅に帰ることが出来ません。

一方のすみ子は視力にハンディキャップを抱えていたために、炊事洗濯から掃除に至るまで苦手です。子供にも恵まれなかったふたりはやがて離婚へ踏み切り、すみ子は部屋中の荷物を運送屋のトラックに積み込んで新しく見つけた赤坂の高層マンションへ持っていってしまいます。

仕事机と書籍だけが残された部屋の中で誠一は久しぶりの独り暮らしを満喫しつつ、すみ子へのひと月30万円の仕送り額をいかに工面するか頭を悩ませているのでした。

【転】離婚 のあらすじ③

ベティにはかなわない

誠一はマスコミ関係の知人と外国語の勉強会を開いていましたが、その席で教師を務めていたのがベティ・ジェーン・植木です。会が終わった後にふたりで飲み歩くようになり、ある時誠一はすみ子が出ていって空っぽになった自宅をベティに見せました。空き家のような住まいを気の毒に思ったベティが紹介したのは、夫の敏春と暮らしているマンションの隣の空き部屋です。

すみ子への仕送りに追われていた誠一を、実務に長けたベティは秘書としてサポートします。

自分には到底出来ないことを見ず知らずの女性がこなしているのは、すみ子からすると面白くありません。

赤坂のマンションを引き払い誠一の新居に引っ越してきて、不器用なりに主婦の真似事をするのでした。

【結】離婚 のあらすじ④

元夫のところに出戻る元妻

知り合いの勧めでソフトコンタクトレンズを装着したすみ子は俄にアクティブに成り始めて、油絵にテニスにと習い事で大忙しです。遂には友人が経営しているブティックで雇われ店長として勤めに出た途端に、5つ年下の独身男性と恋に落ちてしまいました。

相手は誠一と何度か新宿で一緒に呑んだことがある、林という名前の青年です。

誠一はすみ子に内緒で喫茶店に林を呼びつけ、彼の決意が固いことを知るとふたりの仲を心から祝福しました。

すみ子は林と暮らし始めしばらくは上手く行っていたようでしたが、ある日突然に誠一の下に戻ってきてしまいます。

実家に帰らずに元夫のところに帰ってきたすみ子に呆れながらも、誠一は優しく彼女を迎え入れるのでした。

離婚 を読んだ読書感想

元妻を赤坂の高層階にそびえ立つマンションに住まわせて自分は取散らかった仕事で寝泊まりしながら細々と執筆活動を続けていく、羽鳥誠一の努力が涙ぐましかったです。

無計画で浪費癖が激しくて忍耐強さがまるっきりない、会津すみ子の欠点だらけの性格も憎むことができません。

1度はバラバラになった男女が再び巡り合うかのような期待感を滲ませつつ、本書は幕を閉じていきます。

お互いを縛り合うこともなく、何事にも愉快に人生を楽しむ。

世間一般の価値観にとらわれることのない、ふたりの柔軟さと寛容性溢れる生き方には共感出来ました。

恋人とのコミュニケーションやパートナーとの関係性について思い悩んでいる方は、是非この1冊を手に取ってみて下さい。

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