「ライオンハート」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|恩田陸

「ライオンハート」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|恩田陸

著者:恩田陸 2000年12月に新潮社から出版

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ライオンハートの主要登場人物

エリザベス・ボウエン(えりざべす・ぼうえん)
ヒロイン。1978年現在で25歳前後。新聞記者として仕事をこなしプライベートも充実。

エドワード・ネイサン(えどわーど・ねいさん)
1978年現在で70歳前後。ロンドン大学で法学を教える。若い頃は生家の没落で肉体労働に追われた。

エドゥアール(えどぅあーる)
1871年当時で30歳前後。フランス・ルーアンに生まれ軍隊に入る。

エリザベト(えりざべと)
1871年当時で20代半ば。 父のために望まない結婚を受け入れる。

エリザベス1世(えりざべすいっせい)
1558年から1603年までのイングランド国王。 生涯を独身で貫く。

ライオンハート の簡単なあらすじ

1603年、イングランド女王のエリザベスは結ばれることのなかったエドワードという男性にメッセージ付きのハンカチを送ります。

祖父から受け継いだハンカチをエドゥアールがエリザベトに渡した場所は、1871年のフランス・シェルブールです。

1978年に大学教授のエドワード・ネイサンは、新聞記者のエリザベス・ボウエンにハンカチを残して失踪するのでした。

ライオンハート の起承転結

【起】ライオンハート のあらすじ①

歴史の荒波に引き裂かれた男女

イングランド王のヘンリーと母親のアン・ブーリンの間に生まれたエリザベスは、幼い頃から知力と語学力を培ってきました。

国内の貴族やスコットランドの諸侯たちによって幾度となく暗殺や謀反の危機にさらされますが、その度に驚異的な精神力で乗りきっていきます。

義理の母・キャサリンや姉のメアリーが疑心暗鬼にとらわれたヘンリーによって処刑台に送られていく中で、次に王位継承の順番が回ってきたのがエリザベスです。

生涯でひとりだけ愛した男性・エドワードとも、血みどろの権力闘争に巻き込まないためには別れるしかありません。

自分が生き延びるためにひたすら努力した彼女についた称号は、国家と結婚した女「ヴァージン・クイーン」です。

1603年の明るい初秋、臨終を迎えたエリザベス1世はお付きの者たちを退席させてひとりで宮殿の中庭にいるとエドワードの姿を目撃します。

誕生日にもらった刺繍入りのハンカチ「from E. to E. (エドワードからエリザベスへ)」を彼の指に結び付けると、いつか名もない男女として再会することを誓います。

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【承】ライオンハート のあらすじ②

リンゴの木の下でつかの間のご対面

フランスの港町・ルーアンで生まれたエドゥアールは、イギリス人の血をひく祖父の遺品の中から1冊の日記帳と白いハンカチを見つけました。

祖父の夢の中には繰り返しエリザベトという女性の姿が現れていたようで、やがてはエドゥアールも同じ夢を見るようになっていきます。

日記の巻末に記してあった3月17日という日付は、当時流行していたコレラにかかって亡くなったエドゥアールの母親の命日です。

プロイセンとの戦争が激しさを増していた1871年3月17日、フランス軍に志願していたエドゥアールは隊を脱走して母の埋葬されているシェルブールへと向かいました。

緩やかな畦道の先に立つ1本のリンゴの木の下でふたりは対面することができましたが、エリザベトは事業で失敗した父親を助けるために20歳も年上の男性と結婚した後です。

エリザベトはエドゥアールが手のひらに押し込んできたハンカチを力強く握りしめると、夫の声がする方へとゆっくりと戻っていきます。

【転】ライオンハート のあらすじ③

歓喜の着陸直前に未来への約束

1932年ロンドン近郊のハンワース・エア・パークには、遠くアメリカから飛行機で飛んでくるアメリア・エアハートの到着が刻一刻と近づいていました。

観衆は女性パイロットとして世界初の偉業達成を楽しみにしていましたが、エドワード・ネイサンの気持ちは一向に晴れません。

父親が経営していた貿易会社は世界恐慌の影響で倒産、場末の居酒屋で働いていた母はケンカに巻き込まれて事故死、3人の弟と妹は大流行したスペイン風邪で病死。

自暴自棄に陥っていたエドワードに話しかけてきたのは、良家の子女かと思われる12歳の少女・エリザベスです。

エリザベスはポケットからレースの高級そうなハンカチを取り出すと、45年後に自分を見つけてほしいと訴えます。

未来が見えるという少女の話に半信半疑でしたが、飛行場の帰り道にトラックにひかれそうになったエドワードを助けたのはエリザベスです。

雲の向こうから1機の飛行機が出現して歓声が上がる中で、エドワードはエリザベスの遺体とハンカチを抱きしめます。

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【結】ライオンハート のあらすじ④

時空をこえて届いたメッセージ

タイムズ社の社会部に所存するエリザベス・ボウエンが、ロンドン大学の名誉教授エドワード・ネイサンにインタビューを申し込んだのは1978年のことです。

初対面で何10歳も年下のエリザベスに対して、ネイサン教授はなぜか親しげな様子を見せていました。

インタビューから2週間後にはネイサン教授は大学に出勤しなくなり、結婚して家を出た娘のアリスのもとにも連絡はありません。

取材先から新聞社に戻る途中でケンジントン・ガーデンズの西にあるネイサン教授の自宅まできたエリザベスは、管理人に案内されて室内に入ります。

もしも自分がいなくなった後にボウエンという若い女性がきたら、このハンカチを渡してほしい。

管理人からハンカチを受け取ると、エリザベスの脳裏に伝わってきたのは「From E to E」というネイサン教授からのメッセージです。

帰り道にレコードショップに寄り道したエリザベスは、お気に入りのケイト・ブッシュのセカンド・アルバム「ライオンハート」を購入します。

レコードの包みを抱えて恋人が待つカフェへと歩き出したエリザベスは、ネイサン教授のことをすっかり忘れていたのでした。

ライオンハート を読んだ読書感想

300年以上の時間の流れと国境を超越して、お互いへのピュアな気持ちをやり取りするエリザベスとエドワードのロマンスが感動的でした。

心の奥底から一緒にいたいと願い続けているふたりが、社会的な立場や年齢の壁に阻まれてすれ違いを繰り返してしまうのが切ないです。

本書を手に取ってタイトルを見た方の多くが、2000年に日本で大ヒットした国民的なアイドルグループのヒット曲と勘違いしてしまうでしょう。

ブリティッシュ・ロックを代表する女性シンガーの代表曲で、「おお、イングランド、わたしのライオンハート」という歌詞が印象的なナンバーなのでぜひ聴いてみてください。

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