【ネタバレ有り】ガーディアン のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:薬丸岳 2017年2月に講談社から出版
ガーディアンの主要登場人物
秋葉 悟郎(あきば ごろう)
舞台となる石原中学校に赴任して間もない教師。演劇部の顧問を務める。
八巻(やまき)
3年C組の生徒。以前は学内の問題児だったが、現在は一年以上不登校をしている。
三宅 彩華(みやけ あやか)
石原中学校に通っていたが、1年生のときに重い病で亡くなる。八巻と同じクラスだった。
日下部 幸樹(くさかべ こうき)
1年生の演劇部員。演劇は初心者だがお調子者で部内では人気がある。
ガーディアン の見どころ!
・生徒たちによる自警団「ガーディアン」の謎
・絡み合うそれぞれの生徒の過去
・生徒を思うが故の秋葉の行動
ガーディアン の簡単なあらすじ
石原中学校に赴任したての教師・秋葉は、あまりにも学校が平和なことに驚きを隠せません。
しかしその一方、不登校になる生徒が多いことに気付きます。
不登校の原因を調べるうちに、秋葉はこの学校には自警団があり、その自警団が平和を守る代わりに、学内を乱す者には不登校にするという制裁を与えている、という事実にたどり着きます。
ガーディアン の起承転結
【起】ガーディアン のあらすじ①
石原中学校に赴任したばかりの教師・秋葉は、いじめや問題を起こす生徒があまりにも少ないことに驚きます。
しかし、それはいいことだと思い、平和な学校に赴任できたことを素直に喜んでいました。
しかし、他の教師と話しているうちに、石原中学校には不登校になる生徒が比較的多いという問題に気付きます。
他の教師はそれほど問題にはしていないようですが、秋葉が以前勤めていたどの学校よりも明らかに不登校数は多いのです。
一年以上の長期に渡る不登校は3年C組の八巻という男子生徒のみですが、一週間程度の不登校状態に陥る生徒数が多いのです。
その生徒たちは、普段から問題を抱えていそうには見えず、突然休みだし、その後は問題なく学校生活になじんでいくのです。
この事実を知った秋葉は、この不登校には何か秘密があるのではないかと疑い始めます。
【承】ガーディアン のあらすじ②
1年生の演劇部員・日下部は両親からスマホを買ってもらい、好意を寄せている同級生・大山の連絡先を聞きますが、「スマホを持っていない」とあしらわれてしまいます。
その後、スマホを買ったことを聞きつけた先輩の八巻に呼び出され、日下部は「ガーディアン」に連絡を取るよう強要されます。
ガーディアンとは、石原中学校に存在する自警団で、スマホを持っている生徒の多くが入団しています。
誰が統率しているのかは不明ですが、何か困ったことがあれば、ガーディアンにメールで相談すると解決してくれるというものです。
八巻はガーディアンに恨みを持っているようですが、日下部にはその理由はわかりません。
以前、断れずに八巻と一緒に煙草を吸ったときの写真をネタに脅されて、日下部はガーディアンに忠誠を誓う内容のメールを送り、ガーディアンを統率する者と会おうとします。
ガーディアンを呼び出した日下部と八巻は待ち合わせ場所に向かいますが、そこには中学の教師・下田がいて追い払われてしまいました。
その現場をガーディアンに見られていたのか、日下部には制裁が下されます。
制裁の内容は、机の上に折り鶴が置かれ、その間は誰もが日下部のことを無視するというものでした。
日下部はそれに耐えきれず、体調不良を理由に学校に来なくなります。
【転】ガーディアン のあらすじ③
秋葉はいきなり不登校になった日下部を心配します。
何しろ、前日までは元気に部活をし、友達や先輩とも仲が良さそうなそぶりを見せていたのです。
顧問として日下部の家を訪問しますが、特に重症そうでもなく、日下部の母親も理由に心当たりがないようでした。
秋葉は日下部の仮病を確信しますが、どうすれば学校に来てもらえるようになるのかがわからずに困惑します。
そんな時、秋葉は保護者からの相談から「ガーディアン」という言葉に出会います。
その保護者は、息子が塾を無断欠席したことを心配して、隠れて息子のスマホを見たところ、「ガーディアンのおかげ」「「標的にされる」「ルールを守れば大丈夫」といったやりとりがあったと言うのです。
これらの情報と、定期的に発生する不登校の生徒がいることを照らし合わせて、秋葉はこの学校には学内を統率する自警団のような存在があるのではないかと思い当たります。
それとなく周りの教師にも伝えますが、誰も取り合ってくれません。
その後、不登校だった日下部は何事もなかったかのように登校を始めます。
秋葉は、日下部の制裁が解かれたことを確信し、自分なりにガーディアンについて調べ始めます。
しかし、その調査はガーディアン側には筒抜けでした。
存在を知られたくないガーディアンは、秋葉が高校生のイメクラに通っているというデマを流し、秋葉に対しての制裁を開始します。
秋葉はほとんど全校生から無視されるようになりました。
【結】ガーディアン のあらすじ④
ほとんど全校生からの無視はつらいものでしたが、秋葉は屈しませんでした。
そんな時、二年前に病気で亡くなった三宅という女子生徒の存在を知ります。
八巻が不登校になったのは、三宅が死んだあとでした。
また、定期的に発生する一週間ほどの不登校が目立つようになったのも、三宅の死後からでした。
秋葉は、三宅の死をきっかけにしてガーディアンが生まれたのではないかという考えに至ります。
当時の三宅の担任に話を聞くと、三宅は闘病中もできるだけ学校には来ていましたが、病が進行するにつれて髪が抜け落ちていったそうです。
それを帽子で隠していましたが、ある日八巻が帽子を無理やりとってからった結果、三宅はその後学校に来なくなり、亡くなったのです。
それを聞いた秋葉は、三宅の友人がガーディアンを作り、八巻を不登校に追い込んだと確信します。
秋葉はガーディアンのやり方はおかしいと確信し、ガーディアン側にメッセージを送って抗議します。
ガーディアン側は、秋葉が制裁に屈しなかったことを評価し、メンバーの中の一人がガーディアンからの卒業を表明したことによって、体制は崩れます。
その後、八巻の制裁は解かれて無事に3年生は全員そろって卒業式に出ることができました。
ガーディアン を読んだ読書感想
読み進めるうちに、過去の悲しい出来事が浮き彫りにされる、読み応えのある一冊です。
秋葉は熱血な教師ですが、不思議と暑苦しさはなく、素直に応援できるので読みやすかったです。
ラストは含みのある終わり方だったので、続編に期待したいと思います。
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