「星降り山荘の殺人」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|倉知淳

倉知淳「星降り山荘の殺人」

【ネタバレ有り】星降り山荘の殺人 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:倉知淳 1996年9月に講談社から出版

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星降り山荘の殺人の主要登場人物

星園詩郎(ほしぞのしろう)
31歳。スターウォッチャー。

杉下和夫(すぎしたかずお)
27歳。この物語の主人公。星園のマネージャー見習いとなる。

早沢麻子(はやさわまこ)
25歳。作家である草吹あかねの秘書。杉下の好みのタイプの女性。

星降り山荘の殺人 の簡単なあらすじ

会社でポカをやらかし、スターウォッチャー星園の付き人というよくわからない仕事へと左遷された主人公は、星園の仕事に連れられ、埼玉の山奥にある山荘へと行く羽目になります。そこにはUFO研究家や作家など、癖のある人物が多く集まっていましたが、突然、連続殺人事件が起こってしまいます。外部からもシャットアウトされた雪山の山荘で、和夫は星園と共に事件の捜査を始めるのでした。

星降り山荘の殺人 の起承転結

【起】星降り山荘の殺人 のあらすじ①

本編の探偵役が登場する

物語は、和夫が「カルチャークリエイティブ部」へと左遷されるところから始まります。

この小説では場面ごとに、「まず本編の主人公が登場する」などの著者による但し書きが付されるのです。

たとえば、2つ目の場面、和夫が新しい仕事に出向く場面では「本編の探偵役が登場する」「探偵役が事件に介入するのは無論偶然であり事件の犯人では有り得ない」といった但し書きがつけられています。

その節では、和夫はスターウォッチャーを職とする星園詩郎と出会うことになります。

というのも、和夫に任された今後の仕事は、星園のマネージャー見習いなのでした。

テレビ出演を終えた星園が控えている部屋に向かう途中、和夫は小柄でショートカットの女性や、メイク係と思しき小太りの女性とぶつかってしまい、付き添いの河坂部長から急かされてしまいます。

控え室で和夫を一目見た星園は、持ち前の観察眼と推理で、初対面であった和夫が、女性とのデートで居酒屋を使っているだろうことを見抜き、和夫を驚かせます。

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【承】星降り山荘の殺人 のあらすじ②

雪の山荘へ

和夫は星園と一緒に、経営が悪化したキャンプ場に連れて行かれることになりますが、その道中の列車の中で、和夫は自分や星園の仕事内容をようやく聞かされます。

そのキャンプ場を新たに買い取った業者から星園に依頼があり、新規顧客獲得のため、星園にイメージキャラクターになってほしいと言うのです。

和夫は星園の付き人という立場ですが、星園からは「君も休養をとるつもりで行けばいい」と言われ、複雑な気持ちになるのでした。

駅に到着した二人は、UFO研究家の嵯峨島一輝や、開発会社の社長・岩岸や、その部下の財野などと合流し、車で山へと向かいます。

山にはさらに、作家の草吹あかねや、その秘書の早沢麻子、さらに女子大生の小平ユミと大日向美樹子などが泊まりにきました。

あかねの秘書の麻子は、テレビ局で和夫がぶつかった女性であり、和夫は驚きます。

そのうち晩餐となり、一行はUFO談義などで盛り上がりますが、それもお開きとなり、夜を迎えるのでした。

【転】星降り山荘の殺人 のあらすじ③

二つの殺人と、星園の推理

一夜が明け、岩岸社長の死体が発見されます。

首を締められて殺されているのでした。

現場外には、ミステリーサークルと思しき不思議な円が残されており、UFO研究家である嵯峨島は興奮します。

星園は和夫を事件調査に誘い、和夫は星園と共に現場を調べます。

さらに、星園は全員に質問を開始し、それぞれのアリバイが確認されます。

そんな中、天候は悪化し、外部との交通は遮断、彼らは山荘に取り残されてしまったのでした。

そして二日目の夜が開けると、岩下の部下であった財野も死体となって発見されてしまいます。

恐怖に怯えたユミが、強行下山を提案し、数人が下山を試みますが、あえなく頓挫し、再び全員が山荘に戻ります。

そんな中、いよいよ星園が事件の推理を披露しはじめます。

ところが、星園が犯人として指名したのは、和夫だったのでした。

しかし和夫は、星園が真犯人を罠にかけているのだろうと推測し、あえて抵抗せずに様子を伺うことにしたが、全員の白い目に晒されて、体は震えるのでした。

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【結】星降り山荘の殺人 のあらすじ④

探偵役が真犯人を指摘する

星園にどんな計画があるのかわからないまま、和夫を追い詰める推理が続いてゆき、和夫は意識が朦朧としていきました。

そんな中、麻子が、和夫が犯人だとすれば動機は何なのかと星園に問います。

星園がそれに解答し、「判って頂けましたか」と確認すると、麻子は「ええ、よく判りました」と答え、次のように続けました。

「よく判りました、語るに落ちましたね。

星園さん、犯人はあなたですね」麻子は星園の推理に対してひとつひとつ適確に反論し、星園が真犯人だということを指摘します。

星園こそが二つの殺人を行った犯人であり、その上で彼は、「警察到着時に生き残った全員が一人の人物を犯人として納得している状況」を巧妙に作り出すことで、和夫を陥れようとしていたのです。

麻子に図星を突かれた星園はナイフを手に激情しますが、嵯峨島の謎の技によってナイフを振り飛ばされ、星園は地下室へと隔離されます。

四日目の朝とともに天気は回復し、事件は収束したのでした。

星降り山荘の殺人 を読んだ読書感想

「起」にも書いた通り、この小説ではシークエンスごとに「まず本編の主人公が登場する」と言った、作者からの但し書きがつけられていますが、これが見事にトリックの役割を果たしているというのが感動的でした。

小説の2節目で「本編の探偵役が登場する」と書かれたシーンで星園が登場し、しかも「探偵役が事件に介入するのは無論偶然であり事件の犯人では有り得ない」とまで書かれていれば、誰しも、星園が探偵役であり犯人ではないと誤解するでしょう。

しかし実は探偵役とはそのシーンで和夫とぶつかる麻子のことだったのです。

私もまんまと騙され、そのことに気づいたときには本当にドキドキしました。

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