【ネタバレ有り】あのこは貴族 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:山内マリコ 2016年11月に集英社から出版
あのこは貴族の主要登場人物
華子(はなこ)
開業医の三女として育つ、東京生まれのお嬢様。20代後半で恋人に振られ、婚活を始める。
幸一郎(こういちろう)
ハンサムな弁護士。華子とお見合いで出会う。
美紀(みき)
地方育ちだが、東京の名門大に入学し、上京するも金銭問題により退学。幸一郎とのダラダラした関係に悩んでいる。
あのこは貴族 の簡単なあらすじ
東京生まれ東京育ちのお嬢様として育った華子だが、20代後半に恋人に振られ、真剣に婚活を始める。姉の旦那の紹介で知り合った幸一郎と結婚することになるも、すぐに離婚。しかし、華子は男女の愛よりも大切なものを見つけたのだ。そのおかげで華子は不幸にはならなかったのだ。
あのこは貴族 の起承転結
【起】あのこは貴族 のあらすじ①
華子の父親は病院を経営していて、華子は幼いころから超お嬢様として育てられました。
年末年始は毎年帝国ホテルで過ごします。
今年も、帝国ホテルに一家が集う季節がやってきました。
しかし、今年の華子は気分が乗りません。
というのも、帝国ホテルに来る直前に、恋人に振られてしまったからです。
華子はこのホテルで、恋人を家族に紹介するつもりでした。
家族にもそのように伝えていたのです。
なかなか恋人と別れたということが言い出せない華子ですが、どんよりとした華子の表情から、家族は華子が恋人と別れてしまったことに気付きます。
華子はもうすぐ30歳。
父親は自分の病院を継ぐ後継ぎを探しています。
華子は三人姉妹の三女ですが、長女も次女も病院を継いでくれそうにありません。
華子の夫となる人に病院を継いでほしいと考える華子の父親は、華子にお見合いをすることを勧めます。
賛否両論ありましたが、結局、華子は父のつてをたどってお見合いをすることを決意するのでした。
【承】あのこは貴族 のあらすじ②
華子の父親は何人か、病院関係者を紹介してくれましたが、華子の期待に応えられるような人はいませんでした。
どうしてもすごく年上で話が合わなかったり、あまりにも気が利かなかったりと、短所が目に付くのです。
そうこうしているうちに時間だけが経過していきました。
父の勧める人以外にも出会いが欲しいと、習い事先の知り合いに頼んで友人を紹介してもらいましたが、どうしても庶民じみていて付き合いたいと思えません。
そんなときに、姉の旦那の友人で弁護士の幸一郎と出会います。
華子と幸一郎はどちらも同じぐらいの生活レベルでした。
ともすれば、幸一郎のほうが親族に政界の人がいたりと、上流階級の人でした。
しかし、幸一郎はお嬢様の華子を気に入り、二人はすぐに婚約者同士になります。
華子は幸一郎の本心が掴めず、心を開くことができないままでいますが、早く結婚したいとの気持ちが勝り、幸一郎と結婚することを承諾するのでした。
しかし、幸一郎には秘密がありました。
【転】あのこは貴族 のあらすじ③
幸一郎は、大学卒業後からラウンジに通い詰めていました。
そこにいたのは、美紀という女性。
幸一郎の大学の同級生でした。
美紀は地方出身者ですが、幸一郎と同じ名門大学に入学します。
しかし、家族が全く学費を払ってくれず、次第に水商売を始めるようになります。
父親はそんな美紀のことが気に入らず、ますます仕送りを渋るようになります。
そうこうしているうちに、美紀はどんどん水商売にはまっていき、大学を除籍処分になります。
そんな時、美紀が働いているラウンジに幸一郎がやってきて、二人は短期間だけ大学の同級生であったということが発覚します。
幸一郎のような、生まれながらのお金持ちは、美紀の憧れでした。
そんな幸一郎に誘われると、美紀は断ることができません。
しだいに、美紀は幸一郎にとって都合のいい女になります。
それは、幸一郎が華子と婚約してからも変わりませんでした。
美紀はそんなことは知りませんでしたが、美紀と華子の共通の知り合いによって美紀は幸一郎が婚約中の身であることを知ります。
【結】あのこは貴族 のあらすじ④
美紀と華子は共通の友人の計らいによって顔を合わせることになりました。
もちろん、誰も喧嘩をしようとしているわけではありません。
その場では、いかに幸一郎が身勝手で、二人の女性をいいように扱ってきたか、これからは女性同士が手を組んでいくべきだという話がなされました。
華子は、幸一郎が何か自分に隠している、本心がわからないと感じていたので、美紀のような女性があらわれても特にショックは受けませんでした。
ですが、結婚という大きな目標を前にして、幸一郎との結婚を諦める訳にもいきませんでした。
そしてついに華子と幸一郎の結婚式の日。
美紀は新婦の友人として式に出席します。
幸一郎は大変驚きました。
華子と幸一郎の結婚生活は長くは続きませんでした。
というのも、結婚してからも幸一郎は本心を全く明かさなかったからです。
二人は両親に猛反対されながらも離婚をします。
しかし、離婚をしたことによって、二人は家族や富というやっかいごとから解放され、本当に自分の生きたいように生きられるようになるのでした。
あのこは貴族 を読んだ読書感想
華子も幸一郎も、一般庶民である私からすると、まぶしすぎて理解ができなかった。
年末年始に帝国ホテルに行くなんてありえないし、そもそも東京の一等地から一歩も出ずに物語が終わる。
友達とお茶をするときも、タリーズやドトールではなく、ホテルラウンジのアフタヌーンティーセット。
貴族しか出てこない物語だった。
しかし、貴族には貴族なりの悩みがあるということが終始一貫して描かれていた。
キャラクターの個性が光っていて、物語の中盤には、やっかむのはやめて華子の恋を応援しようという気持ちにさせてくれる、さわやかな友情物語であった。
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